概要
本名トニー・マスターズ。傭兵を生業としているが、自ら「Taskmaster(実業家)」を名乗る通り非常に優れた育成能力を持っているため、あらゆる組織から戦闘教官として引っ張りだこである。そのせいでヒーローサイドや、過去に彼を雇い機密を知られているヴィラン組織からも目の仇にされている。昨今はそれらの目をかわすため日本に避難もしており、そのためにキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースへの接触を試みている…キャップ暗殺しようとしたよねキミ。
そもそも彼がヴィランになったのは「ヒーローやっても金にならない」からであり、基本的に金さえ手に入れば仕事は選ばないタイプの人間である。マブカプ3でも彼の銭ゲバっぷりが垣間見れる。そういう性質上、同じように金で動くデッドプールやエージェントXといったヒーローと交流がある。殺し合ったり共闘したりする程度に。
コスチュームが二種類存在する。マブカプ3においてノーマルカラーとして存在するのがアベンジャーズ誌上に登場して以降使い続けている髑髏マスクにマントで、アルティメットのDLCコスチュームとして販売されているのがカプコンのイラストレーター集団としても有名なUDON社のデザインによるもの。見た目はマイナーチェンジの一言では片付けられないほど異なっているが、どちらも同じ時代の同じ人物である。
実はヒーローサイドについている隠し子がいたり、既婚だったけど全部忘れていたりする。この理由については、後述参照。
能力
タスクマスターはウルヴァリンやストームのようなミュータントではなく、あくまでも普通の人間である。充分に鍛え上げられた肉体を持ってはいるものの、キャプテン・アメリカのような超人よりは常人に近い。
だが、彼は“写真的反射”(フォトグラフィック・リフレクシズ)という記憶能力を持っている。これは一度見た相手の技や身のこなしを完璧に覚えることが出来るというもので、それらを訓練した後に自分のモノに出来てしまう恐るべき人物である。ただし、記憶しマスターが可能なのはあくまで生身の人間に再現できるレベルであり、ミュータントのような特殊能力はコピーできない。また、実際に見た技を使えるようになるまで、間に訓練を挟まなければならないのも人間寄りの証拠といえる。まぁ、たまに見て即座に使えてたりしているので、「完璧に」覚える場合には訓練が必要なのだろう。
現在までに、スパイダーマン、デアデビル、ブラックパンサーの身体動作と(デアデビルからは棒術も)、エレクトラ、アイアンフィスト、シャン・ツィーの体術、ブラックナイト、シルバーサムライ、ソーズマンの剣術、キャプテン・アメリカのシールド投擲術並びに防御、ホークアイの弓術、パニッシャーの銃器並びに近代兵器の取り扱い、ブルズアイの暗殺術などの習得が確認されている。この中の何人かはMARVEL世界でも屈指の技巧派とされているため、その技術を全て覚えているタスクマスターの能力の高さが伺える。また、一度戦った相手の動きを見切る事にも長けており、総合的にタスクマスター本人も戦闘技術においてはトップクラスの技巧派である。
武器の多くは自分の覚えた技術に用いるためのもので、両刃の西洋剣とキャプテン・アメリカの盾のレプリカ(たまに壊すので、ヴィブラニウムではないらしい)をよく使っている。他にも弓矢、棍棒、縄、ヌンチャク、ダーツ、様々な銃火器を携帯している。前述したUDON版では弓矢よりも二挺拳銃を使うことが多くなり、剣は日本刀に、それ以外は右腕のエネルギー発生装置(グリーンランタンのソリッドライトのような固形化エネルギー)に統合された。他にも空中飛行するエアバイクのような乗り物を持っている。
だが、彼の能力の真骨頂は“写真的反射”能力で覚えた技や技術を他人に的確に教授出来ることにある。元々ヒーロー稼業は金にならないという理由で雇われヴィランとして活動していたが、アヴェンジャーズとの戦いで収監された際に「直接戦うよりも人に教えた方が楽かも」と気付き、試しに同房の囚人達にヒーロー達の技を教えたところ、これが思いの外上手くいってしまう。以降、優れた鬼教官として数多くの超人やミュータントを一流ヴィランやヒーローの偽物に育てている。特に人間であるタスクマスターには再現できない技術も、教え子側が似たような能力の持ち主なら教えられるというのは大きい。
日本での知名度は皆無に等しかったが、これらの功績によってMARVEL世界における評価は地味に高い。特にシビル・ウォー展開ではトニー・スターク(アイアンマンの中の人)やノーマン・オズボーン(グリーンゴブリンの中の人)に重用されるようになり、スーパーヴィランを集めたヒーローチーム「サンダーボルツ」の一員となったり、ヒーロー養成計画「イニシアチブ」の教官を務めたりしている。特にオズボーンにはその能力を信頼されており、彼がスーパーヴィランのトップを招集して開いたカバルという秘密会議ではマグニートーやDr.ドゥーム、M.O.D.O.K.といった歴々の中にしれっと混ざっていて何も言われなかった辺り、彼が一流として認められていることの証左といえるだろう。まぁ、その時にドゥームとマグニートーのケンカに巻き込まれて重傷負った挙句、足抜けしたいと言ったせいでオズボーンに殺されかけたり、赤タイツと一緒にオズボーンからパクったキャッシュカードで金引き出したりしてるので、全然仲は良くなかったが。
欠点
最近のミニシリーズ「タスクマスター」タイトルの中で、フォトグラフィック・リフレクシズで技を覚えると、それに応じて過去の記憶が失われていくというデメリットが後付…もとい発覚した。生い立ちや上述の結婚歴、酷い時はその日に何時に起床し朝食に何を食べたかさえも忘れてしまう程である。更に彼はS.H.I.E.L.D.の元エージェントで、ナチス残党との戦いでフォトグラフィック・リフレクシズの能力と共に自身に関する記憶を失っていくようになったと説明されている。
また、このシリーズで本名も設定された。しかし、一連の流れの中で折角取り戻した記憶も再び失ってしまったのだった…学生時代から能力使えてたじゃないかって? アメコミではよくあることなんだよ!
『MARVELvsCAPCOM3』での活躍
割とマイナーなキャラであったためか日本での知名度はさっぱり無かったが、対戦型格闘ゲーム『MARVELvsCAPCOM3』(以下:マヴカプ3)に参戦したため一気に知名度がアップ。空中での特殊移動を持たず、コンボが比較的高火力であり、ある程度使いやすい。
フォトグラフィック・リフレクシズの再現として、彼は持ち技の多くが他キャラを見て覚えたものになっている。(立弱・屈中がリュウ、屈弱がキャプテン・アメリカ、等々。)ゲーム中は未登場である弓の達人ホークアイの弓術、同じく剣の達人であるブラック・ナイトの剣術もコピー済み(ホークアイはアルティメット版で登場している。ブラック・ナイトは…正直マイナーだから多分無理だろうなぁ)。アレンジコスチュームは前述の通りUDON版。シールドがエネルギー式になっている他、矢やロープが固形エネルギーになっているなど、微妙に芸が細かい。そこまでするなら剣も日本刀に変えてやればいいと思うのだが…
勝利メッセージではしきりに弟子入り(有料)を薦めたり商売敵のデッドプールに毒づいたりと商魂たくましい様を拝むことが出来る。あと、何故か一人称が我輩で、妙に尊大な口調(~である!みたいな)でしゃべる。マヴカプでMARVELキャラが妙なキャラ付けをされるのはよくあることなのでシュ。
テレビアニメ『アルティメット・スパイダーマン』での活躍
日本語版声優:斉藤次郎
第1シーズン第6話「体育教師の正体」にて初登場を果たした際、ピーターたちの高校に体育教師として潜入した。なお、体育教師としてふるまう際は変装用のマスクをしていたことが話の終盤で判明しており、最後まで素顔は明かされなかった。
その後、第2シーズン第41話「アルティメット・デッドプール」にて再び登場し、第3シーズンでは有能な人材を集めるべく暗躍した。
口調はマヴカプ3とは異なる。
余談
一応デッドプールをヒーローとした場合、タスクマスターは対立軸にあるヴィランの一人という扱いなのだが、どちらも金で動く傭兵なので共闘することも少なくない。主にデッドプールのせいで和気あいあいとはいかないものの、腐れ縁といっていい関係にある。ある展開(「アベンジャーズタワー殴り込みの巻」)ではデッドプールのタイツを(髑髏マスクの上から)被り、ダブルライダーならぬ(悪)夢のダブルデッドプールと化したことがある。その時に上記のオズボーンのキャッシュカードをパクって来た。
関連イラスト