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ヨークタウン級の編集履歴

2017-06-03 02:44:06 バージョン

ヨークタウン級

よーくたうんきゅう

アメリカ海軍の空母の艦級の一つ、太平洋戦争前期の主力となった。

ヨークタウン級とは、アメリカ海軍空母の艦級の一つ。同型艦は、ヨークタウンエンタープライズホーネットの3隻である。

能力的にも発達的にも、日本海軍の蒼龍飛龍翔鶴型に相当するものであり、基準排水量は約2万トンで、蒼龍・飛龍と翔鶴型の中間程度だが、搭載機数は80機以上と翔鶴型に匹敵する。


特徴

この艦級の特筆すべきは、その防御力で、装甲空母でこそないが、アメリカ海軍の得意とするダメージ・コントロールもあって、

  • 珊瑚海海戦で傷つき、応急修理でミッドウェー海戦に参加、飛龍の攻撃を一度喰らいながらすぐ立て直したため、2度目の被弾では無傷の空母を攻撃したと誤認された。一度は総員退艦命令が出されながらも、判断が見直され応急処置に成功したが、そこに伊168から雷撃されてやっと沈んだヨークタウン。
  • 第二次ソロモン海戦・南太平洋海戦その他で何度も被弾損傷し、特に一時は太平洋で唯一稼働できる米軍空母という状況に追い込まれながらも奮戦し、開戦時から終戦時までの主要な作戦にほぼ参加した上で空母赤城加賀戦艦大和武蔵に止めを刺すなど重要な活躍をし、大本営から九回も撃沈を報じられながらも終戦時まで活躍し続けたエンタープライズ。
  • 南太平洋海戦で大損害を受け、処分のため味方から多数の魚雷を受けたもののなかなか沈まず追撃してきた日本軍の前に浮いている姿を見せたホーネット。(ホーネットに関しては処分のために発射された魚雷が命中してもほとんど効果がなかったことから、信管や深度調定装置に不具合があった可能性が指摘されている。余談だが大戦中期ごろまでの米軍の駆逐艦用魚雷は信管の不発や深度調定装置の欠陥に悩まされていた。)

と、いずれも恐るべきタフさを見せている。

 

ダメージコントロール性能の主な内容としては

  • 格納庫の床にあたる船体の主甲板(デッキ)が装甲化されていたため、急降下爆撃の攻撃で飛行甲板に命中弾を受けても艦底の機関室まで被害が及ばなかった。(徹甲爆弾が命中した時には甲板を貫通して機関室のほぼ真上で炸裂したこともあり、その時は機関の一部が損傷してしまった。)
  • 開放式格納庫を採用したため、艦内で爆発があっても爆風を外に逃すことが出来、被害を最小に抑えることができた。また緊急時には艦載機や燃料弾薬等を投棄でき、二次被害を抑えることもできた。(一方で日本海軍の航空母艦の密閉式格納庫は、風雨や波浪から艦載機を保護するのに適しているものの、一度直撃弾を受けてそれが艦内で爆発すると爆風の逃げ場がなく、艦内に甚大な被害を及ぼした)

 

水中防御に関しては排水量を条約の制限内に収めるため割り切った設計がなされていた。ヨークタウンとホーネットは航空魚雷2発の被弾で航行に重大な支障をきたし、最終的に喪失に至った要因の一つになった。エンタープライズは1943年の改装の際に復原性や水中防御の改善を目的としてバルジが追加された。


戦歴

太平洋戦争の開戦時の太平洋艦隊には、レキシントン級2隻(レキシントン、サラトガ)、ヨークタウン級1隻(エンタープライズ)の計3隻しか空母がいなかった。

開戦の直後に大西洋艦隊から、残りのヨークタウン級2隻(ヨークタウン、ホーネット)、ワスプが太平洋艦隊へ送り込まれたが、それでも1943年に入ってエセックス級が続々と実戦投入されるまで、数的には優勢と言い難かった。

そのような中、ヨークタウン級は、日本海軍の空母機動部隊を相手に正面から戦いを挑んで死闘の連続を繰り広げ、エセックス級が登場するまでの間、太平洋における日本海軍の進撃を食い止めた。

なお、太平洋戦争の開戦から1942年までの山場となる海戦には必ずヨークタウン級の姿があった。


  • マーシャル・ギルバート諸島機動空襲 - 1942年2月1日

(エンタープライズ&レキシントン&△サラトガ VS 太平洋上の日本軍基地)

大西洋から増援の空母が送り込まれてくる間、太平洋上の島嶼部にある日本軍の根拠地を目標として太平洋艦隊が持てる空母戦力のすべてをつぎ込んで行われたゲリラ空襲。サラトガが日本潜水艦の攻撃によって損傷した。

  • 東京奇襲 - 1942年4月18日

(エンタープライズ&ホーネット VS ×第二十三日東丸&本土航空隊)

日本に一泡吹かせるべく決行された帝都・東京を主目標とした機動空襲。B-25を積んだホーネットをエンタープライズがエアカバーを行い、護衛の艦を付随させる形で実施された。

日本本土へ近づく途中で哨戒中の第二十三日東丸に発見されたため、計画が大幅に狂った。

  • 珊瑚海海戦 - 1942年5月8日

(△ヨークタウン&×レキシントン VS ▲翔鶴&瑞鶴&×祥鳳)

ヨークタウン級における鶴姉妹との初対決。海戦史上初の艦から相手を視認しない空母艦載機の打撃力のみによる戦いでもあった。祥鳳を撃沈し、翔鶴を大破させ、海からのポートモレスビー攻略をあきらめさせることに成功したものの、レキシントンを失い、ヨークタウンが中破した。

  • ミッドウェー海戦 - 1942年6月5日

(×ヨークタウン&エンタープライズ&ホーネット VS ×赤城&×加賀&×飛龍&×蒼龍)

太平洋戦争における天王山の一つで、ヨークタウン級三姉妹が揃った唯一の戦い。ミッドウェー島の基地航空隊と協力して日本海軍が誇る空母4隻を海の藻屑にしたものの、引き換えにヨークタウンを失った。

  • 第二次ソロモン海戦 - 1942年8月23日

(△エンタープライズ&サラトガ VS ▲翔鶴&瑞鶴&×龍驤)

ヨークタウン級における鶴姉妹との2度目の対決。龍驤を撃沈し、ガダルカナル島への援軍の上陸を阻止することに成功したものの、エンタープライズが中破した。

  • 南太平洋海戦 - 1942年10月26日

(△エンタープライズ&×ホーネット VS ▲翔鶴&瑞鶴&隼鷹&△瑞鳳)

ヨークタウン級における鶴姉妹との3度目の対決。日米双方が多数の空母艦載機を戦闘行動で失う死闘となったこの戦いは、翔鶴を大破させ、瑞鳳を中破させたものの、ホーネットを失い、エンタープライズも中破した。


ここに至る、ヨークタウン級が戦い抜いた相手は、エセックス級が相手にする落日の日本海軍の空母機動部隊ではなく、精鋭の航空機搭乗員を確保していた名実ともに世界最強の時期の日本海軍の空母機動部隊であったことを付け加えておきたい。


関連タグ

ヨークタウン級三姉妹

ヨークタウン級の艦載機たち

  • F4F(ワイルドキャット)
  • SBD(ドーントレス)
  • TBD(デバステーター)
  • TBF(アベンジャー) - 第二次ソロモン海戦以降は、TBDに代わって、こちらが装備されるようになった。
  • F6F(ヘルキャット) - 数々の死闘を潜り抜けて生き延びたエンタープライズへ、F4Fに代わって、1943年以降に配備された。
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