概要
エルネスティ・エチェバルリアが発案したアイデアを基に、ライヒアラ学園の生徒達で創り上げた新型幻晶騎士。
陸皇事変で大破したサロドレアを改修する形で開発されているが、ベースとなった機体とのパーツ共有率は二割にも満たない。
試作一号機はトランドオーケスをベースにしており、試験騎操士(テストランナー)もトランドオーケスから引き続きヘルヴィ・オーバーリが務める。
結晶筋肉(クリスタルティシュー)を撚り合わせる事で機体の耐久性・出力を向上させる綱型結晶筋肉(ストランド・クリスタルティシュー)、補助腕(サブアーム)と魔導演算機(マギウスエンジン)を改良して搭載された火器管制システムで構成された、火力を増強させる背面武装(バックウェポン)など、革新的な技術を投入して完成した。
従来型の重量機に匹敵する出力とその倍以上の法撃能力を獲得しており、特に両手に魔導兵装二本を持ち、背面武装の分も合わせての「4連装形態」による一斉法撃は、大型魔獣を圧倒するだけの威力を持つ。
しかし、結晶筋肉の出力増加の分、操作性と消費魔力が大きく悪化。更に魔導兵装の多用化も燃費の悪化に拍車をかけてしまい、稼働時間が従来機の約五割という致命的な欠陥を抱えてしまう。
それを補う為に、魔力貯蔵量に特化した板型結晶筋肉(クリスタルプレート)、そしてそれを装甲の裏に備えた蓄魔力式装甲(キャパシティフレーム)を取り付けることで改善策とした(それでも完全な改善には至っていない)。
これらの技術は後に東方様式(イースタン・モード)と呼ばれ、これ以降の機体は多かれ少なかれこの技術を踏襲している。
だが、革新的とは言え学生主導で開発された事もあって、この段階では操作性や継戦能力に難点を残しており、この問題点は後の機体に丸投げされた。
全五機(アニメ版では三機)が建造され、完成した機体はクヌート・ディクスゴード公爵の預かりとなったが、国内に潜伏していたジャウロデク王国の間者部隊「銅牙騎士団」による強奪事件「カザドシュ事変」が発生。一号機がジャロウデクへ持ち出されてしまい、ティラントーなどの開発母体にされた。
その際に大破・奪還した他のテレスターレはフレメヴィーラ王国の国立機操開発研究工房(シルエットナイトラボラトリ)へ持ち込まれ、テレスターレの技術を解明した彼等の手によって欠点の改善に成功したカルダトア・ダーシュが開発され、後に銀鳳騎士団との御前模擬試合でのデータを反映し、カルディトーレとして完成することとなる。
派生機
テレスターレ(カルダトア・ベース仕様)
銀鳳騎士団に配備されたカルダトアをベースとする派生型。
サロドレアをベースにした元祖テレスターレよりも性能は上だが、操作性や燃費の問題は据え置き。ただ、従来の技術に加えて新たに開発された選択装備(オプションワークス)が追加されている。
国立機操開発研究工房の開発したカルダトア・ダーシュとの御前模擬試合では背部に可動式追加装甲(フレキシブルコート)を装備してエドガー用に調整された機体と、後にトイボックスとなるエル用の機体が登場している。
模擬試合後はカルディトーレを銀鳳騎士団で配備、運用するようになったため、実戦にはトイボックス以外使われることはなかった。
トイボックス
魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)の試験機として使用したカルダトアをベースに、エルネスティが思いつきで作った様々な装備の実験台として改修を重ねた機体。アニメ版でのカラーは青。
元は普通のカルダトアだったが、魔導噴流推進器の実験によって大破し、その後修復されながらも実験で酷使された結果、テレスターレ型に改修された。
「エルの思いついた物をとりあえず載せてみる」という役割が自然と定着しており、それを見た銀鳳騎士団の団員達から「エルの玩具箱」のあだ名が付けられ、トイボックスの名称で呼ばれるようになった。
燃費の問題からツェンドルグと同じ複数動力機として改修されるが、後付けのため魔力の供給は不安定。加えてバランスの悪さもあって、総合的な性能はテレスターレよりも下になっている。
アニメ版では性能がやや上方修正されたらしく、女皇殻獣(クイーンシェルケース)との戦いでは原作に比べると危なげなく勝利している。
イカルガの完成に伴いその役目を終え、以後、銀鳳騎士団からテレスターレは完全に姿を消した。
余談だが、Web版ではラーパラドス、文庫版では鋼色のテレスターレが実験に使われていたが、アニメ化に際してトイボックスのみが魔導噴流推進器の試験機として登場している(後者はトイボックスへ改修される前のもの)。
関連タグ
ランスロット……従来の機体を凌駕し、後の技術に影響を与えた試作機
ガンダム試作2号機……強奪された試作機(該当する試作機は多数あるが代表格として)