ピクシブ百科事典は2023年6月13日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

M27IARの編集履歴

2018-03-20 02:39:11 バージョン

M27IAR

えむにじゅうななあいえーあーる

HK416を改修した分隊支援火器モデル

概要

 アサルトライフルであるHK416を原型として開発された分隊支援火器


 これまで米軍では専用設計の分隊支援火器であるM249を使用していたのだが、

  • 機関銃持ちは遠目でも目立つため優先的に狙われる
  • 銃自体が重すぎる、大量の弾が嵩張る
  • 一戦闘あたりの使用弾数の減少
  • 専用の訓練が必要で分隊の誰もが使えるわけではない
  • 機関銃持ちは機動力が低下する

 以上の理由により、「分隊誰もが使えるアサルトライフル型支援火器」を開発するという、合衆国海兵隊のIAR(Infantry Automatic Rifle)プロジェクトが発足。

 基本的にはM16M4カービンと同じ操作で、専門の訓練を必要としない事が前提となっている。

 プロジェクトにはコルトディフェンス(6940 IAR)、LWRC(M6A4)、FNH(SCAR IAR)、H&K(M27)、ゼネラルダイナミクス(ウルティマックス100 MK.5)、パトリオットオードナンスが参加し、最終的にH&K社のM27が採用された。


 M27では精密射撃能力と軽さを重視しているためバレル交換機構は採用されていないが連続射撃に耐える16.5インチ長のヘビーバレルを採用している。

 そもそもIARを必要とする状況ではM249でも長く撃ち続けるような運用はされておらず、ある程度狙ってバースト射撃を繰り返す制圧射撃を行なうため、銃身交換は殆ど行なわれていない(装備の軽量化のために予備銃身を持っていかないこともある)。

 HK416譲りの精度も健在で、M16以上に正確な射撃を可能とし、アサルトライフル、マークスマンライフルとしても非常に優秀。550mの有効射程を持ち、800m先まで制圧効果を発揮することができる。

 着剣機構を持つために銃剣の装着も可能で、海兵隊が得意としている銃剣突撃も可能となっている。

 給弾機構はベルトリンク給弾の出来ないアサルトライフルのままなので、1マガジンあたりの弾数は減るが、C-MAG(100発装填)やSureFireMAGPUL等が開発した複々列マガジン(60発や100発装填)等の大容量マガジンを使用する事で解決は可能。

 しかしマガジン自体の給弾不良や壊れやすいといった問題、軽量な分隊支援火器と言うコンセプトに合わない、といった事から大容量マガジンは廃案となり、既存の30発装填のマガジンが使用されることになった。(廃案となったものの大容量マガジンのテストは継続されている)

 M249の後継として採用されているが、完全に置き換えるものではなく、併用される(中隊指揮官が使用を判断する)事になっている。


他のプロジェクト参加銃はオープンボルト(ボルトの閉鎖と共に発射。発射時に閉鎖の衝撃があるので一般的に命中精度は劣る)とクローズボルト(ボルトは閉鎖状態で発射)が併用可能で、精密射撃時にはクローズボルトで、フルオート射撃時にはオープンボルトで作動すると言う機構を搭載したものもあったが、M27ではそのような機構は採用されず、HK416同様にクローズドボルトのみとなっている。


 導入当初不満たらたらだった現場も使ってみると手のひらをひっくり返し「こいつは一人二役をこなせる銃だ」「コイツの一発は従来のSAWの三、四発分の効果がある」と大絶賛。

 携行弾数は規定では通常1,000発~500発(ベルトリンクの収まった200連マガジンや100連マガジンを複数)を携行するM249に対しM27IARは660発(30発マガジン×22)と弾数は減少しているものの、M249以上に精密な射撃が可能であるため一発あたりの効果も増し、必要弾数が減るため、むしろM249よりも長く戦闘を継続することができる。

 傾向としては余裕があるなら30発マガジンは規定以上の数を携行する事が多いが、M249用マガジンはかさばる事から余分に持つことは殆どないため、IAR使用時の実際の携行弾数は900発以上とM249と殆ど変わらない例もあるとの事。

 また、共通のマガジンを用いていることでアサルトライフルを使用する兵士から分けてもらうだけでなく、逆に機関銃手が他の兵士に弾を分け与える事も可能となった(ベルトリンクで繋がった弾薬を用いている場合はリンクから分解して弾を込めなければならず、戦闘中の受け渡しは不可能である。またMINIMIでアサルトライフルのマガジンの使用は動作不良を起こすこともあり、あくまで緊急用で常用は避ける事になっている)。

 武器が軽いため兵士の疲労が少ない、ばらまく銃弾が減れば付随被害が減る、というのも昨今の戦争では見逃せない。

 海兵隊では陸軍と弾薬の調整をするに辺り、ついに主力小銃をM16からM4カービンへと切り替える事もあり、マークスマンライフルとしての運用も多くなっていく事も予想されており、実際に(おそらく海兵隊が使用するMk318弾を使う場合)同口径のマークスマンライフルのSAM-Rより適していると判断され、M27を用いてマークスマンコースでの訓練も行なわれている。

 ズームスコープを搭載し、マークルマンライフル仕様となったM27がM38SDMR(Squad DMR)として2017年12月に正式に配備がされた。


 また、海兵隊内ではM27は陸軍のM855A1弾薬を使うと給弾不良が起きると言った問題も報告されており、これは陸軍でもM855A1 EPR弾の装弾問題(銃弾先端が覆われずにスチールコアが露出している弾の為、すべりが悪い)が報告され新型のEPMマガジンを採用するにまで至ったが、今回に至ってはM27が問題視されている。

 海兵隊では給弾不良に対処するためPMAGを採用する事を決定した。当初は原型となったHK416同様にPMAGとの相性が悪く(マグウェル部とマガジンのワッフル模様が接触して使用できない)、一部の部隊では使用を禁止しており、2012年に正式にPMAGを含めた非GIマガジンの使用は禁止となった。当時は対応したEMAGやPMAG(Gen3)が登場していたが使用は認められていなかったために海兵隊員の中には私物として使用していたものも居た。その後、PMAG M3を正式に採用、陸軍のEPMマグも訓練用として限定的に採用されている。

 しかしM27にM855A1を使用すると出る問題は給弾不良だけでは無くボルトの故障やバレルの故障も報告がされており米軍の弾薬共通化の理想実現に新たな障壁が出たとも言える。M855A1は設計当初の想定した弾薬(M855)より腔圧が高い為、この様な不具合が起きることが予想される。

 ちなみにM27IARの初期型にも似たような問題が起きている、HK416のガスピストンシステムは元々短銃身での動作を前提としていた事が原因でバレルの長くなったM27ではM4よりボルトの寿命が低かった事が問題視され、その時の破損に対しては対応部品への交換による対応が行われた。民間仕様のMR556A1ではバッファーを重くする事によってこの問題を解決させている。





ちなみにIARは海兵隊独自のプロジェクトであり、陸軍などでの採用の予定はない。


また、海兵隊の特殊部隊であるMARSOCはM27IARを採用しない事を伝えた。

 理由としてはSOCOMアッパーレシーバーを装着したM4A1と比べてメリットがない事。M27のバレルは長すぎる為CQB等で不利な事、M27のロワーレシーバーはSOCOMアッパーのM4A1と互換性がない事、部隊の規模が小さくM27よりMK46やMK48の方が高火力な為都合が良い事を挙げた。

 ただし、マークスマンライフルのM38SDMRには関心がある事も示した。が、M38に関しても同様の問題がある事と、テストをする必要があるとも述べた。


関連項目

H&K 制圧射撃

L86

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました