概要
主に祈雨、農耕、鎮火の守護神として祀られる落雷と火の化身であり、蛇や蛆のような蟲の容姿をしていると考えられていたといわれている。
また『記紀』によると黄泉の国で伊邪那美命の遺体より生じ、伊邪那岐命を追いまわした八種(やくさ)の雷神のうちの一柱であるとされる。彼らは伊邪那美命の命によって予母都志許売(黄泉醜女)と共に伊邪那岐命を追いかけたが、最後に伊邪那岐命が投げた桃(後に意富加牟豆美命と号す)によって撃退されている。
『山城国風土記』逸文では、火雷大神が丹塗矢となって賀茂建角身命の娘・玉依比売命(たまよりひめ、綿津見神の玉依毘売命とは別神)に流れ着き、これと婚して賀茂別雷命(玉依比古命)を生んだという若干系譜に混乱の見られる伝承が伝わる。
一説ではこの賀茂建角身命は、記紀に登場する大国主命と多紀理毘売の子である阿遅鉏高日子根神(アヂスキタカヒコネノカミ)と同一とされている。
その他創作物での火雷神
東方儚月抄では月の使者のリーダーの一人・綿月依姫の持つ神降ろしの能力で、八百万の神々の一柱として登場した。
作中では雨を降らせた後に雷を落とし、その雷が七頭の炎の龍(七柱の兄弟)となって敵を焼いた。
pixivでは大方が『鬼滅の刃』に登場する主要キャラである我妻善逸の使う技名の一つとして知られている。→詳細(※ネタバレ注意)
余談
同名の土着神が存在しており、同じ名前でも別の神を指す場合もあるらしい。