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XFV-12の編集履歴

2018-03-26 21:14:55 バージョン

XFV-12

きんぐおぶでおちせんとうき

XFV-12とは、ロックウェルが開発した試作戦闘機である。

概要

ロックウェルが開発した試作V/STOL戦闘機

廉価な小型空母でも運用可能な艦載機として開発された、のだが…。


開発の経緯

空母というのはその特性上、艦体を大型化せざるを得ないため製造・運用コストがかかる。

だからもう少し小さい「お手頃サイズ」の空母が欲しい…という考えで、制海艦という小型空母が構想された。

が、そうなると飛行甲板も小さくなり滑走距離を確保できなくなる。

となると、VTOL機を艦載機として使うという発想に行き着く。

ちょうどその頃、イギリスでハリアーが実用化されており、VTOL機も現実味を帯びていた。

そういうわけで「制海艦用のVTOL艦載機」として開発されたのが本機である。


仕様

試作機であるためか、機首部分はA-4、翼桁やエアインテークなどはF-4から流用されている。

翼はエンテ翼付きのデルタ翼。垂直尾翼は主翼の端部に付いている。

VTOL機構に関しては「オーギュメンター・ウイング」というものを採用している。

これは簡単に言うと、主翼の上面にジェット噴射を行い揚力を「水増し」することで、V/STOLを可能とするものである。

ジェットエンジンからの排気をダクトを用いて主翼上面に導き、(計算上では)推力の55%を浮上に回せる。

一般的な推力偏向式よりも可動部品が小規模で済み、信頼性は高い(はず)。

なにより見た目もカッコイイ。

それでいて最高速度はマッハ2級を目標。…あれ、なんだかF-35Bよりも高性能じゃない?


さてどうなった

で、完成した機体をクレーンで吊るして試運転してみたけど…


「あれ?」


なんと、予定していた推力が出ない。

どれだけかと言えば、前翼のノズルからはエンジン出力の6%、主翼のノズルですら19%しか出てない。

55%どころか浮上に必要な推力の75%程しか出なかったのだ。


どうしてこうなった


…実は本機の機構そのものに問題があった。

ジェットエンジンからの排気を導くためにダクトを使うが、ここの配管の曲がり角で圧力損失が発生し推力が減ってしまったのである。


おまけに制海艦の構想そのものが、「普通の空母作ったほうが高くても使い勝手がいいんじゃないか」となり立ち消えとなり、本機の存在意義そのものが失われてしまった。


関連タグ

アメリカ合衆国 アメリカ海軍

戦闘機 ジェット戦闘機 艦載機 VTOL 試作機

F-4 A-4…パーツ流用元



出落ち


ハリアー:こちらは成功したほう。

YaK-38:こちらも「実用機」として量産され、また西側に威圧感を与えたという意味ではまあ成功。

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