概要
正式名は「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章」。
エニックス(現在のスクウェア・エニックス)のコミック誌、月刊少年ガンガンに連載されていた
ドラゴンクエストを題材にした漫画である。作者は藤原カムイ。少年ガンガン黎明期の主力作品であった。
しかし、同時期に週刊少年ジャンプに連載されていた『ダイの大冒険』のほうが知名度が高く、残念ながら『ロトの紋章』は地味になりがちな傾向にある。
現在、ヤングガンガン誌にて、続編「ロトの紋章 紋章を継ぐ者達へ」が連載中。
ストーリー
魔王バラモス・大魔王ゾーマが倒され、平和の戻った世界が舞台となる。
勇者ロトの子孫であるローランとカーメンが地下世界アレフガルドから帰還する。両者はそれぞれに王国を建国し、『ロトの紋章』(ロトのしるし)を二つに分けて、己たちの証しとした。そして勇者の旅の仲間であったケンオウ(剣王・拳王・賢王)たちも各地に散り、ゾーマの残した最期の予言にあった『闇』の襲来に備えるべく自らの技の伝承に従事していく。
それから100年後、世界は異魔神と呼ばれる闇の存在に脅かされようとしていた。
カーメン王国の王子・アルスは、生まれて間もない日に魔王軍によって故郷を奪われ、父母と離ればなれになってしまう。そして10年後、仙人の隠れ里で成長を遂げたアルスは、やがて世界を救う自らの使命と運命にその身を投じていくこととなる…。
総評
全21巻と、月刊誌ではかなりの長編作品になる。
同時期に連載されていた『ダイの大冒険』と比べ、命のやりとりが多く非常にシリアスであり、人間ドラマ全体的にも重厚。物語が佳境になるとそれがより顕著になり、前半での相次ぐ仲間の死や途中パーティ解散など、少年漫画の域をある種脱しているような部分もある。
また大規模な戦闘シーンも多く、スケールの壮大さはドラクエ漫画史上でも当時としては類を見ないものであった。
ゲームへの影響
主人公・アルスの名前が、のちにDQ7の主人公のデフォルト名に設定されている。また例えば「マダンテ」のように、後のゲーム要素に技や呪文の設定などが反映されている部分もある。