その他のドラグノフという名のものについてはドラグノフを参照。
概要
SVD(Снайперская винтовка Драгунова)は、1960年代にソビエト連邦で開発された自動式の狙撃銃である。
操作方法はAKに似せて作られているため、AKで訓練を受けた兵士であれば簡単に使用できる。
開発経緯
ソビエト連邦は第二次世界大戦の教訓や実戦における兵士の声から実際の市街地や山岳地における戦闘は300~500mが中心である事を実感し、市街地においても素早く多目標を沈黙させ得る強度と信頼性のある小銃ないし狙撃銃を必要としていた。そんな中、小銃としての安定性と高い生産性を併せ持つAK47に注目したエフゲニー・F・ドラグノフがAKの基本構造を参考に作り上げた。
狙撃銃とは言うもののAKと同等にロシアでの過酷な環境下でなおかつ小隊(30~50人程度)規模で運用する為に安価で強固なものを必要としており、これらの部隊が戦闘を行うのは市街地などであったため長射程、精密射撃は想定されておらずむしろ近距離における速射性を想定しているがために厳密には狙撃銃というよりも現在で言うところの近接支援火器とでも言うべき役割を担う。
運用状況
AKシリーズと同様に社会主義国…というか反米政策を取っていた国に広く供与したためか旧東側諸国や第三世界での採用が多い。
ロシアでは現在も運用しており、中国でもライセンス生産され、冷戦時代にはその斬新なコンセプトから旧西側諸国に畏れられた。
ソビエト/ロシアではその本来のコンセプト通り市街地や近接戦において大きな成果を上げ現在はAKの命中精度を補う為に分隊(4人程度)に一丁で配備している。その戦果は西側諸国によって畏れられアメリカが死にものぐるいで対抗策を考えるほど。くわえて、メンテナンスのしやすさ、AKばりの頑丈さに安価な製造費から多くの紛争地域、中東やアフリカ、インドなどでも運用されている。
また、その独特の見た目からか二次元でも多く運用されている。ロアナプラで最も怖いお姉さんの部下も使用する。ヨーロッパのロリ部隊の少女も使用する。何故かナチスドイツの将校服に身を包んだ人物が手にしていたり、作中で長距離精密射撃をさせられたりと恐ろしく忙しい毎日を送る。
ゲームにおていても初期に手に入れられる狙撃銃である事が多い。
性能
口径 | 7.62mm |
---|---|
銃身長 | 620mm |
使用弾薬 | [[7.62×54mmR弾] |
全長 | 1225mm |
重量 | 4310g |
有効射程 | 1000m |
※wikipediaから概値
特色
現在見かけるセミオートマチックの狙撃銃と比べて木製パーツを多用しているが、その独自のストックや形状から運搬が容易で、また比較的軽量でもあり(セミオート狙撃銃として有名なPSG-1は8.1Kg)専用のスコープもアイアンサイトもついている為様々な状況での運用が可能。
ソビエトやロシアではSVD向けに調整された専用の弾薬(7N1 7N14)が存在する。
機関銃向けの弾薬よりは精度が期待できそうではある。
近代化
現在はアルミや樹脂パーツを用いたモデルも多く出回っており以前以上に軽量化されている。
SVDSと呼ばれる折りたたみストックのカービンモデルも登場している。
ストック以外ではバヨネットラグ付フラッシュハイダーが変更されているが、重量はオリジナルのSVDより増している。
しかし、M14が華麗にレールデビューし役立たずという汚名を返上したにもかかわらず本銃のレール化はあまりなされていない。
商品や改修メニューとして無いわけでは無いのだが、「狙撃銃として使うならゴテゴテしたオプションは不要」ということだろうか。
が、誰得なのかは知らないが実はブルパップ化されたSVUというモデルが存在していたりするので近代化に興味がない訳ではない模様。
しかし、どうしても長距離射撃が必要であると考えたロシアは後年、軍で使われているモシン・ナガンを完全に駆除すべくボルトアクション方式のSV-98を開発・配備する。が、一般部隊はSVDのままである。
最近ではついに精度と射程が問題となり、引退の可能性が出てきた。(時代が対テロ戦で)
しかし可能性が出てきただけで、現場的にはSVDで充分らしく、当分はまだまだ運用されると思われる。
派生型
民間用にタイガーという猟銃も登場した。(AKやサイガも猟銃版がある)
7.62×54mmR弾以外に7.62×51mmNATO弾、9.63×64mm弾に対応しており、ストックはサムホールタイプのものへと変更されている。
またユーゴスラビアではM95が、ルーマニアではSVDを参考にした*FPK(PSL)が開発されている。
組み立てて使うという携行性重視にしたVFFがある。