概要
太陽系の惑星より小さい太陽系小天体のうち、主に岩石から構成され拡散成分がないもの。拡散成分(コマや尾など)があるものは彗星と称される。
現在見つかっている小惑星のほとんどは、火星と木星の間にある小惑星帯(メインベルト)にある。メインベルトの小惑星はまんべんなく分布しているわけではなく、木星の公転に同調しており、木星軌道のラグランジュ点と言われるポイント周辺に集中している(トロヤ群)。
地球の公転に同調している地球近傍小惑星(小惑星探査機「はやぶさ」が観測したイトカワはこのうちの一つ)もある。
近年は海王星の軌道より外側にも次々と発見され、冥王星も海王星近傍の小惑星の一つと判明した(冥王星は小惑星としてはとびきり巨大なので「準惑星」とされる)。
2011年現在、軌道が確定された小惑星は約25万個。大半のものは球形を成してないが、衛星を持つものは案外ちょくちょく存在している。
初めて発見された小惑星は、準惑星扱いとなったケレスの他、パラス、ベスタ、ジュノーの4つであり、四大小惑星と呼ばれる(ケレスが準惑星とされた現在、この呼称は妥当かどうか不明だが…)。
これらは1801年~1807年の間に発見され、1845年にアストラエアが発見されるまで38年のブランクがある。
ケレス、パラス、ベスタについては現在も、メインベルト天体の中でトップ3の大きさを持つが、ジュノーは11番目くらいとなっており、4番目は1849年に発見されたヒギエアとなっている。
パラス、ベスタ、ヒギエアは準惑星候補とされている。
発見当時は惑星の一種という扱いをされ、惑星記号も存在しているが、大量に次々と見つかったため、1853年頃、小惑星という新たな枠組みに分類された。
メインベルトの天体の起源は不明。木星の引力の影響で原始太陽系の微惑星がそのまま残ったという説が有力だが、元々フェイトンという一つの惑星だったのではないかという説もあり、他に木星に捕獲された天体など、ルーツの違う天体が混在している可能性がある。いずれにしてもメインベルトの小惑星たちは木星に随伴する天体であり、木星の重力の大きさにより、その数が他の惑星より特に多いということであろう。
なお、メインベルトの全天体を合わせた質量は2.3 ×10^21程であると見積もられており、月や冥王星よりも軽い。