概要
アイテム課金とは、オンラインゲームやソーシャルゲームで有料で配信されているダウンロードコンテンツなどを購入するシステム。
日本では一部でも無料で遊べる要素がある場合、無料部分を強調し「基本無料(または基本料無料)」と呼ぶことが多い。ただし欧米では、特にゲームの根幹部分(勝敗やプレイ要素、プレイ回数など)に制限を設けず自由・無料(Free)とした場合にのみF2P (Free to Play) と呼称することが求められるため、両者は本来異なる。 |
要するに、欧米諸国では「金を払わなくても最後まで遊べるゲーム」を『フリートゥプレイ』と呼称するというものであるのであるのに対し、
日本では「(最後まで不自由なく遊ぶには金がかかるけど)少しでも無料で遊べるなら『基本無料』って呼ぶ」というものなのであり、両者には大きな差がある。
ただし、擁護派は「基本無料であって完全無料とはいってない」「不自由はあっても最後まで遊べる」と反論している(特に後者「最後まで遊べる」の言い訳をするため、通常クエストは非課金者でもギリギリで、かつ運が良ければクリアできるバランスになっている)。
課金アイテムの性質
ゲーム中では、無課金での入手が不可能ないし困難であるアイテムや、ゲームの難易度を下げるためのアイテムやアイテム所持数枠を増やすなどで利便性を高めるアイテムなどが販売される傾向がある。
ゲーム内で直接課金するものではないが、書籍やCDなどに付属するシリアルコードやネットカフェ特典などもまた、実質的には課金アイテムといえる。
問題点
http://gigazine.net/news/20140307-f2p-monetization-tricks/が存在している。
基本無料のアイテム課金制度で特に問題なのは、有料の「ランダム型アイテム提供方式」(通称「ガチャ」)の部分にあり、基本無料のアイテム課金制度の“基本無料”の部分だけを強調してユーザーをおびきよせるが、その実態は有料アイテムを買わせたくなるような状況にユーザーを追い込むという点にある。
(ゲームによっては、「有料のガチャ」を実装せず、一定の時間ごとに引くことのできる「無料のガチャ」のみを実装しているのもあるが、「無料のガチャ」はほとんど問題視されることはない)。
欧米ではF2PをもじってP2W(Pay to Win)と皮肉っている。
たとえば
「非常に魅力的な報酬だが、その入手には一定期間内に特定の条件を満たさななければいけない」という制限時間タイプ。
ゲーム中でゲームを続けるためのエネルギー(スタミナ)を回復する有料アイテムが代表的で、イベントの開催期間を限定して、「有料アイテムを使わないとイベント期間終了までにノルマを達成することはできない」みたいなゲームバランスにすることで課金アイテムの購入を促進して、「もしノルマが達成できなければ今までの苦労が水の泡になる」という危機感を与えることで、さらなる課金に導くというマネーゲームにするのだ。
この辺りは自制心の問題もあり、特に「18歳未満はアカウント作成禁止」のDMMゲームズでは批判意見に対し「18歳未満のガキがプレイするなよ」と言う煽りが飛び交うことも。
DMMゲームズ作品は上記のアカウントの関係で、性的な要素のない作品でさえ、実質18禁作品扱いとなる。
また(下記のコンプガチャ問題以降増えた)排出確率が表記されている作品では「理解して引いているはずなのだから自己責任」という考えも強い。
景品くじ
ゲーム内アイテムやアバターを景品になっているガチャ(ガシャポン)と呼ばれる“景品くじ”が存在する。
モナコやラスベガスにあるカジノと違い、金を賭けて当たりが出たところで現金がもらえるわけではないが、運要素が大きくからむため、一種のギャンブルともいえよう。
ここでしか入手できないゲーム内アイテムやアバターを景品になっているだけあって、こぞってこの“くじ”を引くのだが、肝心のレアアイテムは出現率が低く抑えられていることがほとんどだ。
トレードが実装されているゲームを除けば、カードゲームショップで単品で売られているレアカードのように金を払えば必ずレアアイテムが手に入る…と仕様になっていない(中国などの一部の国では「一定額以上の課金で必ずレアアイテムが手に入る」仕様の導入が義務付けられているが、日本では全く義務付けられていない)、。
そのため、運が悪ければレアアイテムを手に入れるまでの投資額は青天井となる危険性を秘めており、この有料の“景品くじ”の当選率の低さに対する怨嗟の声は鳴り止むことはない。
さらに、ドラゴンコレクションが火付け役となったコンプガチャと呼ばれる
「特定の絵やカード(附票)の組み合わせで揃えると、すごいレアアイテムを獲得できる“景品くじ”」は、
特段射幸性を煽るものとされ、ついに禁止されるに至った。
しかし、“景品くじ”自体は今でもなくならず、相変わらず猛威を振るっているのであった。
こんな くじびきに まじに なっちゃって どうするの
ちなみに、欧米諸国では、この“景品くじ”そのものが禁止されている。
「ギャンブル大国の癖に」と言いたいところだが、あちらの国では大人と子供の区別が厳しいため、子供が手を出せるのを問題視されたようだ。
リアルマネートレーディング(RMT)
以上の手段で入手したレアアイテムをトレードすることができる作品の場合、現実世界の財産(金など)とゲーム内財産(レアアイテム)の交換が可能になるという現象が発生する。
レアアイテムを取引の材料にするとなると、それに相当する価値のアイテムを持ち合わせていなければ取引する分も課金で入手しなければならないので需要が増し、そのレアアイテムの価値が増すことになる。
なおRMTはウルティマオンラインのようなオンラインゲーム出始めの完全月額制ゲームが中心だった時代からあり、アカウントの(不正な)売買行為としてどの作品において禁止行為と定めている。有料か無料かの問題ではないので絶対にやってはいけない。
過去には運営側の一部社員が不正にシステムを操作してレアアイテムやゲーム内資産を作り出してRMT業者に売るという事件もあった。
RMTが存在しないのはトレード自体が存在しないゲーム(DMMゲームズのソーシャルゲームなど)だけだ。
また、アイテム自体のトレード機能がなくとも、レアなキャラクターやアイテムを揃えたアカウントが高額で売買される場合もあり、こちらも問題となっている。引退者が売りに出すケースや、リセマラを繰り返す事よりレアなキャラクター持った状態で開始できるアカウントを販売する業者などが存在する。
なお、RMT業者は実態がよくわからないものが多く裏社会において得られた金の資金洗浄、つまりマネーロンダリングに利用されている可能性も指摘されている。
最後に
全てのゲームに開発費や維持運営費がかかるのは当たり前のことなので、よど大きなスポンサーがバックに付いているか、運営自体がアフィリエイト収入などを得ており、それにゲームとリンクさせているなどの収益構造が無い限り「完全無料ゲーム」の実現は不可能だ。
ゆえに、運営側と消費者側の信頼関係が損なわれないような適切・ほどほどの課金モデルの構築が望まれるところだ。
関連タグ
がんばれあんずP:無課金を貫くプレイヤーの代表
安定のゆきほP:廃課金の代表(ガチャが外れても文句は少ない)
シフトアップネット:ブラウザゲーム版をそのままアプリにして提供しており、一切の課金要素ゼロを謳っている。故にガチャ要素そのものがない。
魔法少女育成計画F2P:前述した「Free to Play」の意味でタイトルが付けられた作品。