腹ペコ王
はらぺこおうまたははらぺこきんぐ
概要
「Fate/stay night」のヒロイン、セイバーの愛称。
常に腹を空かせている騎士王なので、「腹ペコ王」と呼ばれるのに時間はかからなかった。
魔術師として未熟な衛宮士郎の魔力供給を食事によって補うというのが大義名分。
なおギャグ作品でよく見られる「士郎、お腹が空きました」の台詞だが、「stay night」本編では一度も言っていない。
「stay night」本編では、桜の分の饅頭を食べようとして士郎に止められる程度の描写しかないものの、普段のセイバーとのギャップネタとして二次創作では大食いキャラとして扱われることが多かった。その後、公式でも続編「Fate/hollow ataraxia」やその後の作品により、完全な腹ペコ高燃費キャラが定着してしまう。「フェイト/タイガーころしあむ」に至ってはもはや二言目には「ごはん」の有様。「Fate/Zero」ではそのような描写……というより食事シーン自体が皆無なことから、やはり士郎の魔力供給が不足していた様子。マスターの魔力供給不足が影響した例としては、他にライダーの例がある。
※注意事項
なお、勘違いされがちだが、セイバーはあくまで「食いしん坊」であって「意地汚く」はない。
Fateルートではお洒落なカフェでの食事に「こういう場所には慣れてない。シロウの作った料理のほうが好ましい」と言い、「hollow ataraxia」では「セイバーひとりだけなら高級料理を食べさせる事ができる」と言う士郎に「私ひとりですか……」としょんぼりしている。彼女のとっての好ましい食事とは、素朴かつ丁寧で、みんなで囲む食卓なのである。hollowを参考にしたと思われる公式スピンオフ「衛宮さんちの今日のごはん」では、高級食材でもてなすと言うギルガメッシュの誘いを断る際、「私はシロウの……あの家で取る食事が良いのです」と、はっきりと言葉にしている。
良く二次創作で見られる「マナーを無視して食事を貪る」「種類を問わずなんでも食べる」「並外れた異常な量を喰らう」「他人の料理まで食べてしまう」と言った描写は、全て、本編の彼女とはかけ離れた行為である。
無論、二次創作である以上、分かっていてギャグとしてキャラを崩すのは問題ないのだが、こうした行為でセイバーが他人に迷惑をかけるような描写は、一種の性格改変系キャラヘイトと取られる事すらあるので、扱いには十分気をつけよう。
また「雑でした」と言う前述の台詞や、5世紀ブリテンの雑な料理も黙々と食べていたと言うガウェインの証言を鑑みるに、彼女の食への情熱は生前の反動と言う面もある。セイバーにとって、趣向を凝らした士郎の料理は一種のカルチャーショックであり、それを切っ掛けにして食事を好むようになったと思われる。
(※なお、「イギリスの料理が雑」と言うと、世界一マズいと言われるイギリス料理のネタかと思う人もいるだろうが、現在言われる「まずいイギリス料理」が成立したのは産業革命以後であり、時代が合わない。お国柄と言うよりは「騎士団の男が作る戦場料理」と言うジャンルの問題だと思われる)
その他
一方で反転しているときには、逆にジャンクフードを多量に摂取したがる(『衛宮さんちの今日のごはん』では、番外編に「セイバーのようだけど何かが違う、黒い服を着たセイバー」が登場し、士郎が作った料理をことごとく「まずい。私の口には合わない」と酷評した挙句、自分が求める味を探すべく街に出ている)。
また、サンタになったときには「それにしてもターキーが食べたい。」とプロフィールに書き込み、絆Lv3でターキーについてアツく語り出す。なお、このときの食の好みが雑なのは以前召喚された折に狂化で捻じ曲げられた反動である。
原作者の奈須きのこ氏によると「stay night」時点では腹ペコキャラの意図は全くなかった事を明かしており、「Fate/Zero material」に収録されている対談の中には、「/Zero」の執筆者・虚淵氏の「あれだけ食いしん坊キャラにしたくせに!」という言葉に対して、「俺のせいじゃねーよ!(笑)」と返している一幕が存在する。