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719系の編集履歴

2019-07-17 07:00:57 バージョン

719系

ななひゃくじゅうきゅうけい

719系電車(719けいでんしゃ)は、JR東日本(東日本旅客鉄道)の交流近郊形電車である。

概要

JR東日本仙台地区で運用する、老朽化が進みラッシュ時の運用にも難があった455系電車・50系客車の置き換え用として1989年に投入された近郊形電車。1M1Tの2両編成が基本で、外見は211系5000番台に近似しているが、側面の窓配置は異なっている。帯の色はイラストにあるように緑と赤。座席はセミクロスシートだが、クロスシートの配置が「集団見合い型」とよばれるものになっている。

機器類は電機品は阿武隈急行8100形と同系のサイリスタ位相制御タイプ機器を使い、モーターはMT61を使うなど当時最新のものであるがが、基本番台の台車はコストダウンでDT32/TR69など廃車発生品を転用している。

この結果、基本番台においては軽量ステンレスの車体と旧式の重量級の台車というアンバランスな組み合わせが仇となり、車輪の空転が特に勾配区間で多発するようになり運用面に大きな制約を生じることとなった。またJR東日本は東日本大震災によってMT61を代表とする直流モーターの消耗部品が枯渇したことへの反省から、さらに製造後の運用の変化から仙台地区でも運用上の不都合が目立ち(後述の余談参照)、製造後20数年とさして老朽化が進行しないうちに置き換えが始まることとなる。

2016年11月にE721系の追加増備(1000番台新製)が始まったことで0番台の運用は激減。0番代は2019年3月改正時点で、仙台支社管内では東北本線仙台〜岩沼間、常磐線岩沼~浪江間でしかその姿を見ることは出来ない。なお仙台~原ノ町間は早朝と深夜の出入庫運用の1往復のみでこれ以外は全て原ノ町~浪江のみの運用である。仙台支社での運用以外では、事故で運用を離れた701系の代走を目的に2編成4両が秋田支社管内で運用についている。


一方で標準軌対応の5000番代はまだまだ現役で、奥羽本線の福島〜米沢の運用は全てこの車両である。


番台区分

0番台

0番台は、全盛期には東北本線黒磯-利府・一ノ関間、仙山線仙台-山形間、磐越西線郡山-会津若松・喜多方間と広範囲で運用されていた。台車をはじめとする部品は451系・453系485系などの廃車発生品を一部流用している。これが理由か、内装にところどころテーブルのネジ穴を無理やり埋めたような跡が残っているのが特徴。また、磐越西線用の編成は帯色が赤と黒の2色であり、マスコットキャラのあかべぇが描かれているほか、パンタグラフ・排障器(スカート)が異なる(パンタグラフ・スカートが異なり帯色が従来のもの、という編成も存在)。2017年になって磐越西線用の4両が秋田支社に転属、帯色が前面黒、側面ピンクに変更された。

5000番台

5000番台は山形新幹線開業に際して、標準軌に改軌される奥羽本線 福島-山形間(現在は 福島-新庄間 通称「山形線」)用にJRグループ初の標準軌車両として新製された。走行機器などが標準軌・耐雪仕様になっており昇降用ステップがないなど、内装・設備が微妙に異なる。台車はDT50系列をベースに標準軌仕様で新造されたため、基本番台のような重量的ミスマッチはあまり問題になっていない。帯の色も赤の部分がオレンジ(山形の県花であるベニバナをイメージしたもの)になっている。一部編成はワンマン運転用に改造され、運転台後部の座席が撤去され少ない。

700番台「フルーティア」

2015年4月から行われる「福島デスティネーションキャンペーン」に合わせて0番台1本が700番台のジョイフルトレインに改造され「フルーティアふくしま」として磐越西線郡山-会津若松間を週末中心に運転(定期列車に併結)。うち1両はカフェカウンター車両として、「クシ」の記号が付く。但し、この列車は全ての座席をスイーツセット付きの旅行商品として発売する。


余談

  • 本系列は全て2両1編成であるが、基本番台は比較的利用客が多い仙台地区で運用されているためワンマン運転対応はなされていない。そのため1994年の701系電車投入以後は全て4-8両編成での運転であり、2007年3月の磐越西線への導入以前は定期ダイヤでの2両編成での運転は存在しなかった。磐越西線でもほとんどが4両編成以上での運転であり、基本番台を2両で1編成とすることへの意義が失われていた。このことがE721系の増備車が4両固定編成で投入される要因となる。
  • この形式のデビュー前年まで、これもラッシュ時への対応を目的に455系の一部が717系電車に改造されており、前述の部品流用から、見ようによっては「717系の追加投入」と見ることもできる。113系211系415系の0番台と1500番台のような関係、と考えればわかりやすいだろう。顔も似ていることだし。
  • 717系が廃車となってから10年後の2017年、運用を外れた719系はその大半が廃車まで留置されることとなったが、その主な留置先が、奇しくもかつての717系と同じ陸前山王駅であり、「大量の車両が駅構内に留置される」という10年前と同じ光景が見られた。投入の目的から廃車の手順、置き換えで投入された車両(いずれもE721系)まで、ほぼ一致してしまったことになる。
  • 標準軌用の5000番台の検査は当初仙台の新幹線車両センターに送って行われる予定だったため、クモヤ143を改造して交流・標準軌化し、新幹線区間も走行可能なクモヤ743が用意されたが、実際には701系共々山形で検査を済ませてしまうことになったため、余り活用されず終っている。なお、701系5500番台は逆にあまりにも軽量に過ぎ、勾配区間での空転がひどいため通常は板谷峠区間で運用は行われない。(在来線の仙山線でも同様の事が起こっている)

関連タグ

東北本線 常磐線 仙山線 磐越西線 奥羽本線 板谷峠

455系 211系 701系 E721系

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