概要
ビーム兵器実装後、コズミック・イラのモビルスーツは掌のプラグから荷電粒子と電力を供給する本体ドライブ式が主流だった。これはサーベルやライフルにコネクターしないままパワーオンすると粒子と電子が放出してしまう事になり(光雷球と呼ばれる。長時間起こるとマニピュレーターが損壊するため、使用は非推奨)これをより推し進めて武器としてデバイスにしたのがパルマ・フィオキーナである。
掌部に武器を格納するアイデアはザフトではゾノのフォノンメーザー砲が存在したため、実装には困らなかった。
用法は広く、名前の通りビーム砲であるため敵機を打ち抜いたり(多くの場合、零距離で密着しながら行われる)、短距離型ビームソードを展開して突貫なんて事もできたりする(デストロイガンダムに使用した際はTP装甲をマトモに抉り、巨躯の反対側にビームが貫通しても動作保証するデバイスのタフさを見せた)。
そのビームの威力はなんと戦艦を轟沈できるほど。
デスティニー独自の実験的な兵装であり、故に戦術バリエーションも未知数である。パイロットの発想次第では様々な応用が可能であるとされている。
パルマフィオキーナ(palma fiocina)とはイタリア語で「掌の銛」の意。
活躍
劇中では青白い独特のビームを放つ。初陣ではグフイグナイテッドの放ったスレイヤーウィップを高周波振動で赤熱化しているにも関わらず迎撃。ヘブンズベースのデストロイ相手には頭部を一撃で破壊し、ダイダロス基地のこれまたデストロイにはコクピットを破壊してみせた。オーブ沖戦では画面外からこのビームによってムラサメを撃墜している(リマスター版では通常ビームライフル破壊に訂正)。
最終決戦のインフィニットジャスティスガンダムとの戦いではほとんどの武器を失ったデスティニーがこの装備で突貫するも、その矢先に戦いを静止しようと割って入ったルナマリアとインフィニットジャスティスのビームシールドに塞がれる。直後に両腕で攻撃を再開するも、連結ビームサーベル(リマスター版では+高出力ビームソード(シャイニングエッジ)の同時攻撃)を一定時間受け止めた後、ビーム砲発生器ごと腕部を破壊された。
制作秘話
デスティニーガンダムがSEEDシリーズ定番の「全部載せ」なデザインであったことから、演出の差別化のために生まれた。発案者はキャラクターデザインの平井久司。
元々はかめはめ波なビーム砲にする予定だったのだが、演出上行う機会がなかったのでできなかった。そのためバルナ・フィオキーナの長距離ビームは初期のゲーム媒体やガンプラのパッケージでしか見れない幻のギミックとなっている。
余談
上述の通り可変式のビーム砲に過ぎないのでシャイニングフィンガーやゴッドフィンガーとは似て非なる別物である。そもそもあっちは流体金属を使ってマニピュレーターを赤熱化する代物だしね
ゲームにおいて
作品によって使われ方が違うことがあり、ガンダムVSシリーズやGジェネレーションシリーズでは
「相手を掴んで(掌の発射口を密着させて)連続でビームを叩き込む」だったり、
スーパーロボット大戦では
「広げた掌を相手に向かって突き出す(掌底を打ち込む)と同時にビームの一撃を放つ」
だったりと扱われ方で差異がある。
また、劇中ではビームサーベルを受け止めていたが、本機は通常のシールドを装備しているためか、
ゲームなどではもっぱら接近戦用の武器として使われる。
ガンダムブレイカーシリーズではデスティニーのアームパーツを装備することによって、フラッシュエッジ2と共に使用可能なオプション装備となる。
左手を突き出した状態で突進し、ヒットするとそのまま一定距離を運搬、掌からのビーム(というか爆発)でトドメ。強化機体や巨大ボスなど、運搬不可能な相手に対しては相手の目の前でビームを爆発させる。