語義
タイムリープとは英語では「Time Leap」と書き、日本語に直訳すると「時間跳躍」となる。
この言葉が登場した作品の草分けは『時をかける少女』と言われる。当時は、似た言葉の「タイムスリップ」は今ほど一般的になっていなかった。
多くの創作物ではタイムトラベルやタイムスリップの一種として使われる。さらに、
などの解釈が加わることがある。
要素は作品ごとに異なるが、ループもの作品の中にはこの意味でのタイムリープを採用している作品も多い。
もっともタイムリープ自体は上記の通り「時間跳躍」という意味しかないため厳密な定義が決まっているわけではなく、タイムトラベルとほぼ同じ意味の作品も存在している。
関連作品
小説『時をかける少女』
1967年刊。作者は筒井康隆。映像化もされた。(⇒時をかける少女)
同じ日をもういちど過ごす体験をした主人公の女子高生・芳山和子は、「テレポーテーション(身体移動)とタイム・リープ(時間跳躍)」の超能力がめばえたのではないかと言われる。
コツをつかめば任意で発動できる能力とされるが、何も知らない主人公にしてみれば時間が勝手に戻ったとしか思えなかった。
テレポートはタイムリープに合わせて発動していて、跳躍前と違う場所にいたことの説明になる。跳躍の瞬間は目の前が暗くなったり体が浮くような感覚が生じる。
なお、同じ時間に自分が二人いるという事態は起きない(なので、自分がいる時代なら意識だけが移動するという解釈もできなくはない)。
主人公は数日ほどの時間を逆戻りしたが、自分の生きる時代よりずっと遠い過去や未来へ行ける可能性も示されていた。
アニメ版の設定もだいたい共通する。
時間移動を助ける小道具こそあるが、大がかりなタイムマシンは登場しない。
言葉の上では時間移動や時間遡行(そこう)とも言われる。実写ドラマ版の題名は「タイムトラベラー」だが、しかしタイムマシンに乗るような古典的なタイムトラベルとは区別されている。この作品のタイムリープとは、体ひとつで時を超える超能力としての名前である。
小説『タイム・リープ あしたはきのう』
1995年刊。作者は高畑京一郎。映画化もされた。
ある限られた数日間の中でタイムリープするようになってしまった主人公の女子高生・鹿島翔香が、同級生の男子の助言を得ながら事態に立ち向かう。
この作品のタイムリープは勝手に発動して、過去や未来へ移動する。ただしループものとは違い、一度過ごした日はもう繰り返すことがない。
また、同じ時間に自分が二人いる事態は起きない。タイムリープは主人公の「頭の中」で起こっており、他人の目の前から消えるテレポーテーションのような現象は生じないという説明がある。(生まれる前の時代などには飛べないかもしれない)
タイムリープ=意識だけの移動という語釈は、おそらくこの作品の影響が大きい。
ゲーム『ガーディアンエンジェル』
2003年にデータム・ポリスター社が発売したゲーム。ジャンルが「タイムリープアドベンチャー」だった。
生霊のような存在になってしまった主人公は天使に助けられ、世界のはざまを通って任意の時間移動ができるようになる。ある限られた期間の中を、過去へ未来へパラレルワールド(分岐ルート)へと行き来しながら、自分が住んでいた街の事件を探っていく。
ゲーム『タイムリープ』
主人公の同居人に長瀬歩(CV:鳥羽すの)という少女がいるが、そこに少し幼い歩(CV:榊原ゆい)がタイムリープしてくる。この作品では、現在の「歩」と過去の「あゆむ」の二人が同じ時間に存在する。
ゲーム『STEINS;GATE (シュタインズゲート)』
2009年発売のゲーム。制作は5pb.とニトロプラス。アニメ化もされた。(⇒STEINS;GATE)
ゲームのchapter1のサブタイトルが「時間跳躍のパラノイア (Time Travel Paranoia)」なので、時間跳躍(タイムリープ)とタイムトラベルは類義語と考えられる。
一方、記憶を過去へ転送する「タイムリープマシン」という機械が登場する。この方法では、同じ時間に自分が二人いる状況は起きない(これとは別に、体ごと乗るタイプのタイムマシンを使って未来から来たと称する人物が登場する。タイムリープマシンとは異なり、そちらの移動手段ならば過去の自分に会うことが可能とされる。ただし、世界線理論の都合上深刻なタイムパラドックスが発生する可能性もある)。
作中では「記憶だけを飛ばすからタイムリープ」とする場面もあるため、作中人物は「意識だけが時間を移動する」現象をタイムリープとしている様子。