初出:禁書SS2巻、本編では新約7巻
CV:河西健吾
概要
学園都市に7人しかいない超能力者(レベル5)の第7位で、それと同時に生まれながらにして異能の力を宿す「原石」に分類される者の一人。通称ナンバーセブン。白ランに旭日旗のTシャツという一昔前の番長のような服装の少年。
他人が困っていたり傷ついていたら、迷わず助ける熱い性格。口癖は「根性」。
彼の能力は学園都市の研究者すら取り扱えないほど複雑かつ繊細な力らしく、そもそも能力者であるかどうかも怪しい。
現在世界に約50人ほど存在することが確認されている「原石」だが、その中でも彼が世界最大とされている。
『SS2巻』アメリカによる「原石」採集に端を発する一件では、牽制目的で学園都市に侵入したオッレルスと交戦するも敗北する。圧倒的な力で完膚なきまでに打ちのめされたにもかかわらず、嬉しそうに「鍛え直しますか」と呟いていた。
『新約22巻リバース』までの登場回数が少なすぎるため人間関係は不明だが、彼の担当教師からはその正義漢ぶりを信頼する発言が出ており、理解者は得ている様子。また後述のスピンオフ小説ではかつて助けた少年や打ち倒した不良と腐れ縁になっている様子が伺える。
補足
SS2巻で初登場した削板とオッレルスの二人は、この手のバトル物では最強格・反則級として設定されたキャラクターである。
ただし現在の禁書シリーズだと、オッレルスは最強キャラの一角とは言い難く(※)、当然オッレルスに倒された削板の評価も微妙な位置に収まってしまっている。
※禁書初期の時点で存在した魔神や黄金夜明、エイワスなどの設定が掘り下げられた結果。あくまで相対的な評価だが…。
割と活躍が望まれているキャラなのだが、SS2あとがきで「原石の話は完結」という学園都市最大の原石の彼にとって不穏極まりない事が記載されており、『新約』でも結局7巻しか登場がなかった。新シリーズ『創約』での活躍に期待したい。
能力
能力名 | ???(解析不能) |
---|---|
解説 | 謎な能力であり、具体的な原理は不明。スーパーヒーローみたいなことが色々できる能力とでも言うべきか。彼曰く根性そのものであるらしいが……。 |
- 自分の背後にカラフルな煙が出る爆発を起こす
- 両手をあげて、自分の上にあるものを火山のように吹き飛ばす
- よくわからないオーラで自分を包み込む
- 心臓に銃弾を撃ち込まれても痛いで済む防御力
- 容赦の無いリンチに傷一つ受けずに耐える耐久力
- 周囲を囲む男たちを吹き飛ばす衝撃波
- 音速の2倍の速さで繰り出される拳
- 傭兵にしか見えない大男を一撃でのす必殺技「すごいパーンチ」
…など、もはや別作品のキャラクターに見える不条理なハチャメチャ具合である。また後述のスピンオフ小説では御坂美琴相手に更なる大技を見せている。
彼自身も能力を正確に把握しておらず、確信していた能力の理屈が間違っていた、なんてことも。足も速く、後述のスピンオフでは上条を投げ飛ばして反対側でキャッチする事に成功している。
自衛や反撃目的で放った攻撃の命中精度は割と高め。ただ、攻撃範囲はそれ程広くないからか、異能などによるゴリ押しで突破可能と推測している者もいる。
オッレルスによると、軍覇の能力はある意味で自分と性質が同じ「(人間の言語や認識では)説明のできない力」とのこと。その力を自覚して奮っているかどうかがオッレルスとの大きな違いとなり、彼等の力量差にはっきり表れているという。
また、後述での電気関連能力者との対峙の際、作画などのミスなのか削板の異能による怪奇現象なのか悩ましいことも起きている(メダルの状態など)辺り、護身向けの能力として大雑把に捉えるのも難しいようである。
もっとも、現在のところ索敵などに向いている特性は高速移動以外にみられないうえ、使い手の性格や風貌が捜索や隠密行動に全く向いていないという分かりやすい隙があるため、軍覇の行動範囲の外で他のキャラを襲撃することや、軍覇の目の届きそうになる前に一旦距離をとるといった行動に出ることは難しくないと思われる。
超電磁砲での削板
『とある科学の超電磁砲』の原作にも、「幻想御手」を使った生徒の回想シーンの中で(顔ははっきり出ないが)登場している。大覇星祭の開会式では食蜂操祈と共に選手宣誓を行っており、元々の文面にはないアツい言葉をお馴染みの謎爆発と共にかまして場の空気を持って行き、食蜂に敗北感を味わわせた。
木原幻生によって御坂が暴走した際は上条当麻と共闘している(さすがの彼も御坂の電撃を消滅させるのには驚いたようだ)。詳しくは予測不能コンビにて。
偽典・超電磁砲
第5巻の特装版『偽典・超電磁砲』収録のエピソードの中で、唯一の鎌池和馬監修作であるスピンオフ小説「とある自販機の存在証明」(成田良悟著)にも登場。同じレベル5の一人である御坂美琴と交戦している。
対美琴の描写としては、
- 砲声とともに口から謎の波動を放つ
- 電撃の槍を蜃気楼のような謎波動を纏った拳で防ぐ
- 赤青黄色のカラフルな爆発を背負いながら落雷攻撃を迎え撃つ(自称:超すごいガード)
- 超電磁砲を歯で受け止める(ただし本来の三割程度の威力)
…など不可思議な能力を行使し、自分からは一切攻撃せず互角に渡り合った。
先述通りこの小説は『儀典』唯一の鎌池監修作品であり、『新約』にも本作の登場キャラ・設定が反映されている(木原那由他とか木原の流れを読むアレとか)。
アストラル・バディの削板軍覇
現場調査に来てた帆風潤子と出くわし勘違いで交戦。
彼女の身体能力に対して真っ向から相手取る馬鹿さ加減に驚かれるも、『思い込み』の強さこそが能力の根源、『根性』という名の『思い込み』で『自分だけの現実』を強化しているという仮説を立て、拳の電撃を乗せて叩き付けた事でダメージを与える事に成功。
食蜂の心理掌握で拘束されるが瞬時に解除し、何故解けるのと問いただされるも『根性』の一言で返される。食蜂と黒子の説得により誤解が解けた事で事なきを得た。
- 空気を蹴って空中歩行「空気を蹴るくらい普通だろ?」
- 電気は妙に縁があると言い拳からプラズマを生成
- 食蜂操祈の洗脳をパキーンという効果音と共に解く。
上記の通り思い込みが根底であるようで、想定していない攻撃は一定の効果がある模様
Tシャツのデザイン
削板のシャツの絵柄が旭日旗という事もあり、アニメ版禁書(3期)が中々来ないのは削板と宗教関係が原因だとネタ混じりに言われていた時期があった。
しかしアニメ禁書3期は圧倒的な尺不足で限界以上に話を切り詰めた結果、SS2巻などは当然カットされ、アニメ版禁書での削板の登場は見送られている(超電磁砲3期分のエピソードで登場するため、問題が先送りにされただけとも言える)。
案の定、アニメ版超電磁砲(3期)ではシャツのデザインが変更され、絵柄のない無地になっている。