概要
江戸時代末期(弘化3年・1846年)に肥後の国(現・熊本県)にて現れたとされる妖怪。
毎晩のように海中に光るところがあり、役人が赴いたところ出没した。その姿は人魚に似ていたが、嘴がついており、首から下は鱗で足は3本あったという。「この先6年間は豊作が続くが、もし疫病が流行することがあれば、私の姿を描いた絵を人々に早々に見せよ」と伝えて海中へ消えた。この話やアマビエの絵は当時の瓦版で人々に伝わった。
似たような妖怪として流行り病を予言する白沢に似るクタベ、災厄を予言する件が知られている。
目撃記録が一つしかなく、「アマビエ」という名前の意味も不明など謎の多い妖怪。ただし、同時代の瓦版や史料で「アマビコ(尼彦、あま彦、天彦、天日子、海彦)」と書かれたものが複数発見されているため、書き写されるうちに「コ」が「エ」と誤読・誤記され、これが一般化したと推測されている。
情報の乏しさゆえに長らくマイナーな存在だったが、水木しげるが瓦版の絵を元に一枚絵を描き、さらにその一枚絵を参考に可愛らしくリファインされたキャラクターとなってアニメゲゲゲの鬼太郎に登場。愛嬌あふれる活躍ぶりで人気者となり、21世紀に至って一気に知名度を高めた。
現代のアマビエ信仰
2020年初頭に新型コロナウイルス(COVID-19)が流行した際は、各自が描いたアマビエの絵をSNSにアップするネットミームが起きた。
創作での登場
アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」での活躍
5期鬼太郎のキャラクターとして
CV:池澤春菜
5期26話から初登場し、以後準レギュラーとなる。マスコットキャラのような親しみやすく可愛らしいデザインが特徴。
アニメでも「あたいの顔を描くと健康になるよ!」という元々の伝説を踏まえた発言がある。
第5シリーズに出てくる「アマビエ」は鳥の嘴と魚の尻尾を持った人魚っぽい少女の妖怪。目玉おやじによると、神に近いらしい。
我がままで相手を振り回す事も多く、気も強い。初めはその性格のおかげで妖怪横丁の住人と中々打ち解けられなかった。
伝承どおり予言が出来るキャラで、近い内に起こる出来事を予言できる。「はうっ閃いた!」が口癖。しかしその予言の内容は本人にも選別できない自動的に閃くものが大半らしく、ほとんどは対応出来ないほど近い悪い事や、どうでもいいような内容の予言である。他の特技として、かわうその水鉄砲と似た形で塩水を口から出す事が出来る。
かわうそと一緒にいることが多く、ワガママな妹とそれに振り回される兄の様な関係。砂かけお婆は母のように慕っている。
基本的に自由奔放な性格だが、62話では自分の憧れるアイドルの為に奔走し、彼女の心の支えとして活躍した。
82話では妖怪四十七士に選ばれ、戦いの場においても”この場は任せて鬼太郎は妖怪城の方へ行ってくれ”と言えるほど、勇ましく且つ的確な発言をするようになっている。
その他
2020年、アマビエチャレンジの流行に合わせ、6期の鬼太郎とねこ娘もアマビエについて解説した。