生産・販売は2009年まで行われた。
概要
5代目ミラのバリエーションラインナップ(追加グレード)カーであり、先代4代目ミラに設定されていたレトロバリエーションカー「ミラ・クラシック」の直流正統後継車。
ただし同時に4代目ミラにおける、女性向けファッションコンパクトカー「ミラ・モデルノシリーズ」の副流後継車としての側面も持っていた。
クラシックから引き継がれた往年の旧車が持っていた定番デザインへの原点回帰と、それに伴いつつモデルノから引き継がれたデザインのコンパクト化、その双方の観点を主軸・主眼として基礎コンセプトが構築された車種。現代においても両立は難しいと言われる「コテコテに古くありながら最高の最先端デザイン 」(=時代・世代を超えた普遍性のデザイン)という相反(矛盾)したデザインコンセプトの両立を目指したモデルである。デザインの思想上においては1960年代に生産された普通車であるダイハツ・コンパーノ前期型を源流に置いている。
その温故知新を目指したデザイニングは登場当初こそ(あるいは現在でも)ダイハツ・Miniないしはダイハツ・クーパーとまであだ名されるものの、それゆえに普遍的なデザイン性を保っており、その人気から2代10年の長きにわたり生産を続けられた、ロングセラー車。その長期間にわたって老若男女あらゆる世代・性別の人々に愛され続けた。生産終了の現代においては、その愛されぶりは紛れもなく「ダイハツの伝説」のひとつとも言える。
生産終了に至ってのち20年を超えた令和の世になってすら、なお人気が高く中古車市場においても長らく定番となっている売れ筋車種である。
そのため、製品のローテーションスパンが早い都市圏であるならいざ知らず、たとえば片田舎の街中などならば、現在でも現役のファミリーカー・セカンドカーとして元気に走っている姿を目撃されやすい車種である。
それもあり地方出身者の間では親族から譲り受けた中古という形で免許取得後のファーストカーとして初所有し、クルマを持つ苦労や喜びを当車種で学んだ思い出を持つ人も多いという。
上述のように2009年に生産終了。後継はミラジーノが先代「モデルノ」シリーズよりの流れを副流として受け継いでいる観点から「モデルノ」と同じく女性向けに特化しコンパクト居住性を向上させたミラココアとされた。しかし、ココアはムーヴラテから続くコンパクティブを強く継承させた車種であるため、ミラジーノが直流の先代となるミラ・クラシックから身上として継承し続けてきたクラシックスタイルに関しては断絶させられてしまった。
しかしミラ・クラシックからミラジーノへと継承されたクラシカルスタイル思想は、15年の間隙を経てキャストへとセルフオマージュとして再び継承される事となった。
おもなバリエーション
初代
ノーマルのジーノと、ターボ車仕様のジーノ・ターボが存在。トランスミッションは5MT、4AT、3AT。実はミニパトへの採用実績もある。
2004年、後述する2代目への代替わりによって生産終了。
ミニライトスペシャル
イギリス発祥ブランドの8スポークアルミホイール「ミニライト」を装備したバージョン。この使用は2代目ミラジーノ(後述)にも受け継がれた。
ジーノ・ハローキティ
おなじみハローキティとのコラボ車。2001年に登場。ミニライトスペシャルがベース。4代目ミラにおける「モデルノ・ハローキティ」の後継でもある。
ミラジーノ1000
ジーノデザインシャーシにストーリアのエンジンを積んで普通車にしてしまったバージョン。しかし、こうした用途・仕様はジーノ・ターボで事が足りるため、さすがに即座にポシャってしまった。そのためわずか1290台しか製造されていない。
2代目
2004年にフルモデルチェンジされて登場した新たなるノーマルジーノ。
ミラジーノを謳いミラシリーズとしてのラインナップに組み込まれながらも、フルモデルチェンジによってオリジナルボディを用意されデザイン的にはミラからの独立を果たした形になった。(シャーシは6代目ミラと共通)
ジーノのクラシカル外装デザインを継承しつつ、内装は女性ユーザーを意識したムーヴラテと相通じる最新デザインを採用し、クラシカルデザインと両立する居住性の向上を目指した。
上述の通り2009年に生産終了。総生産台数は約83000台であった。
プレミアムシリーズ
2代目に設定されたハイエンドバージョン。ウッドインパネにMOMOステアリングを装備しクラシカルスタイルをより強く追従したバージョン。
関連タグ
ミラ(ダイハツ):大元となる車
ミラトコット:ミラココアを経ての孫後継にあたる車。ただしユーザー後継ではあるがデザイン後継ではない。
キャスト(ダイハツ):デザイン上の直流正統後継車(セルフオマージュ車)