ミニ(BMC)
びーえむしーみに
英国のBMC(ブリティッシュモーターコーポレーション)社が開発。
1959年から2000年まで販売された。
「ミニ」の名は、文字通り車体が小さいことに由来する。
全長約3m、全幅約1.4m、全高約1.3m、車重約638kgのサイズは日本の360cc時代の軽自動車とほぼ同じであったが、大人4人が乗れるスペースを確保していた。
技術上の特徴として横置きの直列4気筒エンジンとまだ国際的に普及していなかったFF方式を組み合わせた点にあり、エンジンの下に変速機を置く「イシゴニス・レイアウト」によって、ボディのコンパクト化とパワーの強化を図ったものであった。
ミニは、後にエンジンと変速機を一直線に配置するフィアットの「ジアコーサ式」が主流となるまでこれを採用した。
当初はBMC傘下のオースチンとモーリスの各ブランドから発売。
1968年には国営企業のブリティッシュ・レイランド社、1975年には半国営企業のBLMC社(1986年からローバー・グループに改称)のブランドとなったが、1994年にブランドはドイツのBMW社に買収される。
モデル末期まで基本的なデザインがほとんど変わらなかったがマイナーチェンジ自体は多く重ねており、多くのカスタムモデルも登場した。またボディバリエーションも豊富で2BOXの2ドアセダンをはじめ、それをベースにリアトランクスペースを拡張した3BOXの高級仕様(ライレー・エルフ&ウーズレー・ホーネット)や、ホイールベースを伸ばしてカーゴスペースを確保、観音開きのバックドアを装備したステーションワゴン(モーリス・ミニ・トラベラー&オースチン・ミニ・カントリーマン)、商用モデルであるライトバンとピックアップトラック、フロントグリルのデザインを大幅に変えたクラブマンシリーズが登場している。
そのレトロな雰囲気が日本で人気となり、1980年代末以降日本への輸出も多い。
日本では2000年以降のBMW社モデルと区別するため、「クラシックミニ」や「オールドミニ」と呼ばれたり「Mini」と表記される事が多い。