CV:内田雄馬
概要
主人公。福井県大野市出身、C級1組。指導対局で闘った清滝鋼介九段に憧れて6歳で内弟子となり、史上5人目の中学生(15歳)でプロ入り。16歳で竜王位を獲得した若き天才棋士。竜王挑戦で七段昇段、竜王位獲得で八段に昇段、そして翌年の竜王位防衛で九段昇段(いずれも史上最年少。規定で四段から飛び昇段しているため、五・六段は経験していない)。一巻時点で16歳だが高校には通わず(勉学ができなかったうえ、中学時の無理解に苦しめられたことが要因とのこと。これがなければプロ入りは半年早かっただろうと言っている)、マンションの一室を借りて一人暮らしをしている。本気の時はメガネをかける。
しかし物語最序盤では竜王というプレッシャーから自分らしい将棋が指せずにスランプに陥っており、世間からは「クズ竜王」という蔑称で呼ばれていた。そんな折に竜王獲得のその日に出会ったあいが押しかけてきて再会し、紆余曲折を経て彼女を弟子に迎えることになる。
棋士としては居飛車党であり、特に先手相がかりや後手一手損角換わりといった、泥臭い力戦調の将棋が得意。しかし、竜王位獲得後に「だらだら指しつづけることは竜王として見苦しい」との錯覚に囚われたことから勝負に淡白になっており、持ち味の粘り強さを忘れたことが不調の原因であった。後にA級棋士・生石充九段に師事して振り飛車も学び、オールラウンダーへの棋風改造を図っている。
その才能は、生石をして「将棋界で五本の指に入る」と言わしめ、師匠の清滝鋼介からは「将棋を終わらせる(つまり「こう打てば絶対に勝てる」という最善手を見つけ出してしまう)のではないか」と期待されるほど。実際作中では限定間駒(持ち駒に何種類かの駒がある状態で、特定の駒以外の合駒だと詰んでしまうという場合)を三連続で成功させるという離れ業をやってのけている。将棋に詳しくない人のために解説しておくと、限定間駒は飛んでくる銃弾を日本刀で両断するぐらいのスゴ技であり、それを三連続でとなるとプロでも滅多に成功しない絶技と言える。
竜王になって腐りかけていたが弟子を取ったことにより再び目が出て名人を打ち破ってからは異常ともいえる才能が開花していくことになる。
しかしライトノベルの主人公としての宿命か、私生活では非常に女心に疎い朴念仁であり、あいや銀子の好意についてはいまいち自覚がない。またなにかと女子小学生と縁があり、
・弟子二人が女子小学生(ただし通常、有望な場合は男女問わず小学校高学年から弟子入りすることが多い)
・ニコ動での将棋解説中に知り合いの女子小学生が乱入
などが理由で、銀子をはじめ世間からはロリコン竜王、略して「ロリ王」などと呼ばれる始末。本人は師匠の娘・桂香にアプロ―チを続けており、ロリコン疑惑は否定しているものの、弟子入りを志願してきたJSに「師匠にはなれないけどお嫁さんにしてあげる」と言い放つあたり実はガチかもしれない……。
また弟子がふたりとも早々に女流プロ入りを果たしたことから「トップブリーダー」と呼ばれるようにもなった。
棋士としても天才ゆえの異端といえる思想を持っており、あいの教育方針があまりにもほかの棋士にとって恐ろしいものだったので周囲からはひかれた。
また最近の躍進ぶりから西の魔王などと呼ばれるようになった。
両親と兄と弟がいる。また将棋は死んだ祖父に教えてもらった。
好きな漫画はToLOVEるで内弟子時代からこっそり読んでいたらしい。
「八一」という名前は、ただ単に「8月1日生まれ」という理由だけでつけられた。
余談
関連タグでも紹介されているが、プロ棋士デビュー後約1年強で将棋タイトル戦序列1位である竜王位を奪取することは理論的には可能であり、現実の将棋界でも獲得こそならなかったが、デビュー直後の行方尚史四段(当時)が、最下級の6組優勝から勝ち進んで挑戦者決定戦三番勝負まで駒を進めている(結果は羽生善治にストレート負けし、羽生はそのまま7番勝負を制して竜王位を再奪取している)。ただし当時はまだトーナメントが甘めで、19期以降の下位組に不利なトーナメントになってからは3組優勝の糸谷哲郎が挑戦・獲得したのが最高である。
関連タグ
師匠 清滝鋼介
弟子 雛鶴あい 夜叉神天衣 シャルロット・イゾアール(正式に認められたのは10巻にて)
藤井聡太:リアルで彼に近づくのでは……と言われている程に、飛躍を続けている。流石に成らなかったものの、もし第31期竜王戦で羽生善治竜王に挑戦し、第5局(あいの実家「ひな鶴」のモデル加賀屋で実施)で羽生を下して竜王獲得となっていたならば、本当に九頭竜八一の棋歴とほぼ完全一致となるところであった。
アニメ第1話で九頭竜八一は竜王位を奪取しているが、そのビジュアルは2016,2017年に竜王位を保持していた当時の渡辺明竜王に似ており、もし八一のタイトル奪取がこの竜王位が初めてならば。2020年に棋聖戦で渡辺明三冠から棋聖を奪取し初タイトルとなった藤井聡太七段と対戦相手が合致する。