概要
主にバラエティ番組でよく見られる、司会者席から直角・鈍角くらいの場所にいる大勢の芸人を一括して言う。主に2000年代から地上波で頻繁に見られるようになった。
この大量の芸人が座る席がひな祭りのひな壇のような複数段式になっている事からこういう名称が付いた。
主な役割は司会者に雑に扱われた時にツッコミをキレ芸で入れたり、芸人同士で弄り合って番組を盛り上げること。
しかし、この言葉は基本的に否定的なニュアンスで使われることが非常に多い。
お笑い芸人が大量に出てきた初期こそひな壇芸人は斬新だったが、10年以上経っても性懲りもなく続けばさすがに飽きられるに決まっている。
さらにひな壇芸人が番組を盛り上げるといっても視聴者が他の番組で何度も見た持ち芸を性懲りもなく見せる(それも場合によってはブームをとうに過ぎ飽きられたネタ)のはまだしも、特定な地方や時期などごく一部でしか通じないような内輪ネタで勝手に盛り上がり、司会やメインのゲストなど他の出演者や視聴者を置き去りにするどころか、奇声をただあげて騒いでいるだけの姿をつまらない・不快に思うとの声も多く、現在では山場CM・ワイプに並ぶテレビ離れ(というより地上波離れ)を引き起こしている最大な元凶との声も非常に強い。
その証拠に、内容は非常に過激で妥協が全くなかったが、視聴者を大いに笑わせ幸せにしてくれたお笑いのレジェンド・ドリフの視聴率は平均でも約30%以上、最高は50.5%を記録したのに対して、ゲストを含めても10人いれば多い方にも関わらず、ほとんど動かずやっていることと言えば、場をせいぜい適当な雑談で濁す程度な昨今のひな壇芸人は5%前後の超低空飛行というのが、もはや悲しい現状である。
視聴者からあれだけ批判されても地上波がひな壇芸人を後生大事に抱えているのには、芸人はギャラが安く適当に放っておくだけで、低コストな番組が簡単に作れてしまうこともあるが、吉本興業の株主は全民放局のため民放の要求には逆らえないというのがもっとも大きいようである。ひな壇芸人は他プロダクションの事務所も紛れていることも多いが、こちらは吉本のついでといったところだろう。
また大半な芸人(特に若手などのマイナー芸人)が人気や知名度を得るにはテレビ出演に頼らざるを得ず、営業公演が安定して出なくても不動な人気を得たどころか実質出る必要がないダンディ坂野やテツandトモのような例は奇跡的なレアケースと呼べるような業界としては、出演芸人をとにかく増やしたいのに対し、民放の方は無名な新人を下手に出して失敗したくないために安パイな中堅芸人ばかり出演させるせいで、チャンネルを変えても似たような顔触れしか出てこない(前述のドリフの冠番組の1つ、ドリフ大爆笑のOPの一節、「チャンネル合わせば顔馴染み」が皮肉にも悪い意味で定着している)のも問題点の1つと言えよう。
いずれにせよ、ひな壇芸人という存在そのものが地上波が視聴者のための番組ではなく、自分達が稼ぎたいだけの番組作りを最優先している証明になっていることは確かである。
さらに2020年に発生しているCOVID-19では
と3密を見事に満たしてしまっているため緊急事態宣言後真っ先に規制の対象となった。その結果多くの芸人がリストラされ、残った芸人もテレワークでの出演に切り替える体制を取っている。
そんな体制の変化が視聴者からもう20年近く疑問視されていた通り、ひな壇芸人がいなくても、テレビ番組は皮肉にも充分に成り立つ(逆に外出自粛も追い風になったこともあって、いないほうが視聴率も却って高くなった)と証明される事態となってしまった。
関連タグ
芸人殺し:下手なひな壇芸人より、笑い・ウケを圧倒的に取る人達。
国会中継:代表などが何かを主張する際に国会議員が野次を飛ばしたりガヤ騒ぎしたりする光景が地上波のバラエティー番組に似ているとよく言われている。このため国会議員=高給取りのひな壇芸人と皮肉られることもある。