藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』のエピソードの一つ。TC7巻収録。
主人公・ドラえもんはネズミが大の苦手であることは周知の事実であるが、このエピソードはドラえもんのネズミ嫌いが特に強調されており、彼の暴走により地球が滅亡しかける事態にまで陥っている。
また、ファンの間で度々話題に挙がる「地球破壊爆弾」が登場したエピソードでもある。
ストーリー
部屋で遊んでいたドラえもんとのび太のところに、血相を変えたのび太のママが飛び込んで来た。
2人はママに何があったのかを尋ねるも、彼女は慌てていて上手く説明が出来ず、呆れた2人は階下へと向かう。
ママが慌てていた原因はネズミで、廊下に現れたネズミを見たドラえもんは飛び上がって逃げ出してしまう。
のび太とママは「ドラえもんに未来のネズミ駆除道具を出してもらおう」と言いながら部屋に戻るが、ドラえもんはネズミが来たと勘違いし、のび太達をマシンガンで銃撃した。
のび太達から「危ないじゃないか!」と怒られたドラえもんは謝罪するも「僕はネズミのねの字をきいただけでゾッとするんだ!」と言い、のび太に一発で戦車を吹き飛ばす「ジャンボ・ガン」、ママに鉄筋ビルを煙に変える「熱線銃」(下記の「ネズミが去るまであと4時間」では「ウルトラ・クラッシャー」)を渡す。
どう見てもネズミ駆除の道具ではないと思ったのび太はドラえもんを説得しようとしたが、その際うっかり「ね、ね、ね」と言ってしまった為、ドラえもんがまたしてものび太を銃撃してしまう。
ママは「気が立っているから刺激しない方が良い」と言い、のび太は仕方なくドラえもんの様子を伺うことにする。
その後もネズミを探し回るドラえもんだったが一向に見つからない。ネズミに対する恐怖で徐々に神経をすり減らし、ついには発狂してしまう。
「こうなったら……地球はかいばくだんを!」
「フヒーッ、ヒ、ヒ、ヒ、ヒ」
暴走したドラえもんは地球諸共ネズミを吹き飛ばすという狂気の沙汰ではない行動に出てしまった。大慌てしたのび太とママは、ドラえもんに「ネズミはドラえもんの勢いに驚いて逃げていった」と嘘を言い、それを聞いた彼は心底安心そうな表情で「良かった……」と言いながらその場にへたり込んだ。
ドラえもんが安心している隙にネズミを駆除しようとしたのび太とママだったが、そこにのび太のパパが帰宅し、彼の前をネズミが横切った為、彼は思わず「ねずみが……」と言ってしまう。
それを聞いたのび太とママは激怒し、パパを責め立てる。何も知らないパパは「そんな怒るようなこと言ったかい?」と言いながら困惑し、その様子を見たドラえもんが「何の話」と言いながら驚くというオチで終わっている。
余談
このエピソードは大山のぶ代版アニメはもちろん、水田わさび版アニメでも映像化されている。後者はネズミ年が終わる2008年の大晦日に放送されたこともあり、サブタイトルが「ネズミが去るまであと4時間」とされ、ドラえもんが地球破壊爆弾を取り出した際も「ネズミ年の地球なんか粉々にしてやるんだ!」という、より直球かつ過激な台詞に変更されている。また、パパが既に家にいるためにパパもドラえもんの暴走に振り回され、オチも「妻子に責められるパパ」ではなく、「安心して眠るドラえもんの隣にネズミが立つ」に変更された。
この他にも、水田版アニメではドラえもんのネズミ嫌いを題材にしたエピソードが存在する。同アニメオリジナルエピソード「その日、すべてがネズミに!」では、ドラえもん自身の失態とひみつ道具の故障で全人類がネズミに変わり果ててしまうという、ドラえもんにとって地獄絵図とも言える状況に陥ってしまった。