アビゲイル・ウィリアムズ(水着)
みずぎのあびげいるうぃりあむず
ねえ……お集まりの皆々様?”現実”と”夢”、その区別はどこにあるのかしら?
概要
イベント「サーヴァント・サマーキャンプ! ~カルデア・スリラーナイト~」にて実装されたアビゲイルの夏バージョン。
劇中では第4節の終盤から登場し、それ以前でも選択肢次第で別の再臨姿を見せる。
クトゥルフ神話と繋がっている彼女と、ホラーを内包した同イベントの組み合わせは当然危険なものであり、非常に不穏な流れを醸し出している。
サバフェスのBBと同じくオリジナル版からのクラス変更はなく、クラスはフォーリナーのまま。第一霊基では鍵穴の目が完全同期しているなど、むしろその要素が成熟され、より強まっている様にも見受けられる。
ちなみにゲーム中において、通常BBと水着BBはそれぞれ「BB(SR・ムーンキャンサー)」「BB(SSR・ムーンキャンサー)」という呼称で区別されているが、クラスだけでなくレアリティも同じ水着アビゲイルは「アビゲイル・ウィリアムズ〔夏〕」という名称で通常版と区別されている。
真名が同じ、かつ同クラス・同レアリティの別バージョン鯖としては超人オリオンに続いて二騎目となる。(アビゲイル自体、単体では幻霊に近い存在なので、降臨者のクラス以外に適正が無いというのもある。)
人物
肉体的な素描は今までのアビゲイルとほぼ変わらず、白人らしい長身と病的なまでに色白でやせ細った肉体を持つ。
霊基再臨させていくと、フォーリナーとしての要素が強くなっていった通常版とは真逆な変化を経ていき、自身も猫たちも地球の基準に寄った姿・人格に変わってゆく。
本質的にはあくまで同一の霊基・人物でなのだが、再臨の段階に応じて、性格や好みは複雑多彩に異なるという多様性、不安定性を有しており、まるで多重人格のよう。マテリアルではその人格関係を「姉妹」と表現されている。
ただ、マスターに対する依存心や独占欲は共通しており、それは水着に変化する前よりも強くなっている。そのためか、独占欲が一周回って過保護になってしまっている部分もあり、マスターに負担をかける他のサーヴァントを心奥底ではよく思っていないことも有り、自身だけがマスターのサーヴァントで有りたいという願望も見え隠れしている。
また経時的な変化か、はたまた霊基変化による影響か、人格も「狂気に憑かれたばかりの清廉で無垢な村少女」から、「怪異を経験し、それを御するようになった異邦の巫女」として成長したかのような部分も見受けられる。彼女自身はそれによって無垢な部分が損なわれていると感じており、それが自身の弱体につながっているのではと危惧している。
霊基変化の影響か、ドリームランドとの縁が強くなった影響か、"夢"を尊びながらも同時に強い忌避感を抱いており、存在自体が"うたかたの夢"ともいえる(自身も含めた)サーヴァントに対して敵愾心を向けるなどやや攻撃的。
「ノーシュ」と「ルタール」という二匹の猫を使役もする。ずんぐりした方がルタールでスリムなほうがノーシュ。それぞれの霊基によって姿かたちが変わる。目に当たる部分からビームを撃ったり触手を生やすなど、猫っぽい名状しがたい存在。
猫っぽく気ままな存在のようだが、アビゲイルには逆らえない様子。普段は仲良く殺し合っているらしい。
以下は霊基ごとの人格の差異について。
- 【第一再臨】
三姉妹でいえば長女。従来の第三再臨に該当する姿。
宝具時のみ顕れていた鍵穴から除く目も常にぱっちり開いており、動きも他の目とシンクロする等、完全に彼女と一体化してしまった様でもある。
手には墓標か黒い笏のような鍵を持ち、従えた蛸型の蝕腕も同型のものを携える。
宝具使用時に現われる扉にも、似たような形のものが横向きについている。
顔の両側におさげで球形の籠をつくっており、その中には小さなリボンの塊が収められている。
紫と黒のまだらの帽子をかぶっているが、この姿のみ被り物を宝具使用時に外す。
また「ノーシュ」と「ルタール」も頭部が花弁に1つ目と、異形の姿を取る。
三つの霊基の中でも恐ろしげな姿をし、自虐的で狂気的で退廃的な雰囲気を醸し出している。
一方でその姿に反し、人格は一番クールで大人びており、理知的。少女性を残しながらも、大概のことに動揺しない余裕を持っている。また3つの霊基の中でマスターに対して一番献身的な人格でもある。
- 【第二再臨】
三姉妹でいえば次女。従来の第二再臨と一致する姿。引き続き、額に鍵穴があるが、そこに目はみられなくなっている。
本人曰く「神様の教えを施す司教、アデプトの礼服」。高位の聖職者の法冠のようなものを被り、ドーナツ式に穴の開いた、植物の根のような模様のある六角形の台座を抱えている。ヨグ=ソトースについて言及される『銀の鍵の門を越えて』にも六角形の台座が登場している。本人曰く、やはり見た目通り重いらしい。
ちなみにこの霊基から英霊旅装の時のコートと色調とデザインが共通した上着を引っ掛けている。
旅装のコートとの違いは、袖に入ったオレンジのラインと、生地についてエンブレムが別のものとなり種類が多くなっている点。
「ノーシュ」と「ルタール」はより猫っぽい見た目となるが、無機物的な単眼は残っている。
三つの霊基の中でも真面目で好奇心旺盛、勉強熱心、几帳面でしっかりした、水着になる前の清教徒の少女アビゲイルに最も近い人格。姿の割に早熟な礼節的なところと、少女としての無垢な部分が混在している。ただ、水着ではない霊基よりは自制が緩い。
- 【第三再臨】
三姉妹でいえば三女。従来の第一再臨に該当する姿。この姿のみ額に鍵穴がない。
フリルスカートとリボンを備えた純白の水着姿。水着と色をそろえたボンネット帽を被る。右手にはスイカを持ち、背後にはビーチボール、またどうやって保持しているかは不明だが2つのクマの浮き輪と色とりどりのハートバルーンが入ったハート型の浮き輪も所持している。
ちなみにこちらでも前述の上着を引っ掛けている。
3つの霊基の中で最もバカンスしている。
「ノーシュ」と「ルタール」は完全に猫な見た目になった。
普段の大人びた部分はほとんど鳴りを潜め、どのアビゲイルよりも幼く天真爛漫で、最も純粋で無垢なる姿。その純粋さ故に、どこか狂気とも隣り合わせな雰囲気もまとっている。
これまでのアビゲイルは見せなかった新たな一面。
能力
以前のように鍵はあまり使わず、ノーモーションでの扉の開閉や浮き輪(または石輪)を使った攻撃、または門の向こう側から怪物の一部を召喚して攻撃させる。
また「ノーシュ」と「ルタール」を使役して攻撃もする。
ステータス
筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|
C | B | B | A | B | A |
スキル
領域外の生命(EX) | フォーリナーのクラススキル。外なる宇宙、虚空からの降臨者。邪神に魅入られ、権能の先触れを身に宿して揮うもの。 |
---|---|
狂気(B+) | 不安と恐怖。調和と摂理からの逸脱。 周囲精神の世界観にまで影響を及ぼす異質な思考。 |
神性(B+) | 外宇宙に潜む高次生命の“門”となり、強い神性を帯びる。 世界像をも書き換える計り知れぬ驚異。その代償は、拭えぬ狂気。 |
薔薇の眠り(B) | |
正気喪失(B+) | |
導くもの(A) |
宝具
遥遠なりし幻夢郷(ドリームランズ)
- ランク:A
- 種別:対人宝具
- レンジ:1〜6
- 最大捕捉:6人
対象を夢の世界に誘う宝具。誘われる先は夢の世界であるが、対象は現実と夢の境界を意識することはなく、取り巻く世界の変容と移行はなめらかに進行する。
夢の世界において、対象はこの世界の真の姿を見る。その様は圧倒的な解像度と質量を帯びた上で認識される。
その結果戦意は失われ、対象は自我を保つことすら難しくなる。
宝具演出では、開かれた扉の向こうに進んだアビゲイルが、名状し難い光景の中ガラスのように透き通った光の階段を降りていき、その先の暗い空間に飛ばされた敵陣の前に降り立ち、背後の扉を開いてあふれ出る光で包み込む、というものになっている。
加えて、その光の中で顔がアップになる顔面宝具である。
ゲーム上での性能
最大HP | 14,250 |
---|---|
最大ATK | 11,781 |
コマンドカード | Arts:1/Quick:2/Buster:2 |
宝具カード | Buster |
スキル1 | 薔薇の眠り(B) / 敵単体に〔睡眠〕状態<攻撃を受けると解除されるスタン状態>を付与(2T)&敵単体の強化状態を解除&〔睡眠〕状態の敵に防御力が大ダウンする状態を付与(1回)[Lv.1〜] |
スキル2 | 正気喪失(B+) / 敵全体に恐怖状態を付与&敵全体の防御力をダウン |
スキル3 | 導くもの(A) / 自身のNPを増やす(30~50%) &自身の弱体成功率をアップ&敵単体のBuster攻撃耐性をダウン |
宝具 | 敵全体の防御強化状態を解除&敵全体に強力な攻撃&敵全体の防御力をダウン(3ターン)<オーバーチャージで効果UP> |
オリジナル版より耐久性に寄った、HP重視のステータス。
カード配分は《Quick:2/Arts:1/Buster:2》とランサー型に変化、Arts性能が極めて高い一方、Quick性能は並程度と振るわず、如何にAクリティカルでNPを稼ぐかが宝具解放の近道となる。
特徴的なのは新型の状態異常「睡眠」で、精神状態異常に属する。
スキル「薔薇の眠り(B)」で付与できる新種のスタン状態で、弱体解除以外にこちらがダメージを与えても解除されるのだが、併存する防御デバフは睡眠状態の相手のみに全スキル中でも最大の防御低下が発生するという特殊な使用となっている。
防御デバフ自体は睡眠の付与に失敗しても発生するが、効果は睡眠状態でしか発揮されないため、「導くもの(A)」による弱体成功率アップも重要になってくる。
スキルは、敵単体に「睡眠」状態付与(2T)&強化解除&睡眠状態の相手の防御力ダウン(2T)の「薔薇の眠り(B)」、オリジナルから継承した敵全体に恐怖(時間差で確率スタン状態を与える)状態(3T)&防御力ダウン(3T)の「正気喪失(B+)」、NP獲得&弱体成功率アップ(3T)&敵単体にBuster攻撃耐性ダウン(3T)の「導くもの(A)」、の3つ。
「薔薇の眠り」については上述通り。「正気喪失」はオリジナル版より若干ランクが上がっており、スタンの成功率が上がっている。何気に「導くもの」がかなりの高性能で、NP獲得量は最大50%と高く、弱体成功率アップに至っては対魔力EXの相手さえ弱体状態を付与させることが可能になる。
宝具は「遥遠なりし幻夢郷」で、効果は【敵全体の防御強化状態を解除&強力な攻撃+防御力ダウン(3T)】。
元の宝具を全体化させたうえで、効果を絞った形に変化。強化解除は防御強化のみになったが、無敵回避も問答無用で剥がせるため、サポーター性能は向上している。
「薔薇の眠り」と「導くもの」を併用することで敵単体へピンポイントにダメージを増やすことも出来、取り巻きを蹴散らしつつ、ボス本体により強いダメージを通すといった芸当をこなす。
兎角、デバフ特化の妨害型サポーターとしての色を前面に出したサブアタッカー。
敵を睡眠と防御デバフで蕩けさせ、固めた防衛線さえ無に還す強力な破壊工作を得意とする。
しかし同時に、バーサーカー以外には等倍ダメージであるというフォーリナーの特性が厄介な足枷となっており、ステータスがHPに寄った対価にATKが下がった結果、メインアタッカーとしては力不足というハンデを背負ってしまった。
元々NP効率の高い方ではなかったもの、自前でArtsチェインが組めたオリジナル版より継続的なNP効率は一枚落ちになり、瞬間火力に関してもデバフを特盛りにしてやっとピンポイントに刺さるという状態のため、決して単騎で成立するサーヴァントとは言い難い。
最大の弱点である強化無効スキルには、自身がデバフ特化となったことでさらに相性が悪くなり、高難易度の永続パッシプスキルでの弱体無効が掛かっていると、途端に勢いが落ちてしまう。
よって、運用としては無差別に突っ込んで暴れさせるより、敵のタイプを見て適時編成する方が向いている玄人志向のサーヴァント。
即戦力としての素養は薄いものの、破壊工作に秀でた性能で敵陣の勢力を削いでこちらのペースに巻き込むことで、敵陣を混沌の渦へと引きずり込んでいく。
いわば天草のデバフ特化型といえる。
戦力として不足を感じるマスターも多いが、今後の強化クエスト実装も考慮しつつ、活躍できる戦場を見極めて編成してあげたい。
関連人物
年上のためか彼女からはちゃん付でなく「先輩」と呼んでほしい模様。とはいえ気分の問題であり、特にこだわりはない。
寝てみる「夢」を操るアビゲイルに対し、起きてみる夢「幻」を操る彼女とは水と油の関係。
マイルームなどでの言及はないが、対抗意識のようなものを持っている様子。
通常霊基の方の自身。再臨段階によって態度が違い、第1霊基では無垢で無知な自身を嫌悪し、第2霊基ではその無垢さを羨み、第3霊基では意気投合する。
妙に親切にしてくれる人。たまに彼のマイルームに遊びに行き、神秘について語り合ったり、一緒に本を読みふけっている様子。ただ、興奮すると熱弁して止まらなくなるのが玉に瑕らしい。
夜食仲間。深夜に小腹がすいた時、よく夜の厨房で鉢合わせするらしい。一緒にヌードルをすすりながらからかい、じゃれ合っている。
以前はその意外に軽薄な姿にショックを受けていたが、今回は心機一転、徹底的に糾弾する構えの様子。
相変わらずその芸術家としての才能に感激している。こちらの彼女は「北斎さん」呼び。
彼女は、彼女に宿る外なる神が住む恒星「フォーマルハウト」のドリームランドとも繋がっているらしく、たまに能力が干渉するらしい。アビゲイル自身はそのことを気にしておらず、逆に彼女のドリームランドに興味津々の様子。
彼女からは「ユゥユゥ」と呼ぶように言われてるらしいが、気が抜けると「楊貴妃さん」と呼んでしまう。
精神年齢が近いこともあって、こちらとは割りかし対等な友人関係を築いている。こちらの彼女は「お栄さん」呼び。
アビゲイルの第2霊基の姿が仙女っぽくて興奮しているらしい。
無垢なアビゲイルに「ジパングのトラディショナルフード」としてゴハンの上にパンケーキを載せた「パンケーキボウル、またの名をパンケーキドン」を伝授してしまった主犯。
その後、ジャガーマンはエミヤとアルトリアにしょっぴかれてしまった様子。
余談
CMに出演する際、可愛らしい浮き輪に浮かびながら微笑むシーンは一見幻想的にも見えるが、よく見ると違和感を感じるものが散りばめられており、挙げるだけでも
- 頭上側に見える水底らしきもの
- (水中に光源が無ければあり得ない)水面から立つ光
- 周囲を取り巻く気泡らしき燐光
が発見でき、実は水中では?と考察をするユーザーもいる。不穏さが漂う中、そのことをネタにしたイラストが初期に投稿されている。
ちなみにCM発表時は額にカギ穴があったが、公式サイトのCMでは無かったことになっている(ゲーム中において、水着姿の第三再臨では鍵穴がないためだと思われる)。
本タグの付く初期の投稿作品はこのCMを元に描かれているため、水色の水着姿であることが非常に多い。
また、猫を引き連れており、CMにおいても彼女の眷属と思われる黒猫がマシュの後ろにいるのが確認できる。
そしてもう一つ。
イベントのストーリーを進行していくと、イベントミッションの確認画面を殺生院リリィと分業するようになる。
この時、劇中では見せない第三再臨の姿で登場するのだが、登場するや否や「黒猫パンケーキの歌」なる謎の童謡を口ずさみ始める。元ネタは多分これ。なんとあちらの公式アカウントも反応した。
その天真爛漫な愛くるしさに、あるものは発狂し、あるものは語彙力を喪失し、あるものは禿げ上がり、あるものは心停止を起こすなど、恐るべきあざとさフォースで並み居るマスターたちのSAN値を溶かし尽くしていった。ついでにお財布の中身も直葬していった。