エロイムエッサイム
えろいむえっさいむ
エロイムエッサイム 我は求め訴えたり
Eloim, Essaim, frugativi et appellavi
概要
ヨーロッパにて流布した、グリモワールと総称される様々な魔術書のひとつ、『大奥義書』(Le Grand Grimoire、『赤竜』の名も知られる)に記された呪文。
呪文については様々な解釈があるが、エロイム(Eloim)は神、エッサイム(Essaim)は悪魔を指しているとも言われ、意味は「神よ、悪魔よ、我が呼び声に答えよ」といったものらしい。
ただし、日本では後述する様々なフィクションでの引用により「エロイムエッサイム 我は求め訴えたり」という日本語訳が最も知られている。
本来は悪魔召喚の儀式に用いる呪文である。儀式の方法としては、真夜中に誰にも見られることなく十字路の中心で糸杉の枝で魔法陣を描き、その中心に立って生贄となる「卵を産んだことのない黒い雌鶏」を2つに引き裂く。そして「Eloim, Essaim, frugativi et appellavi」の呪文を3回唱えると悪魔が現れ、正しく召喚できていれば術者の望みを叶えてくれるという。
フィクションでの使用例
悪魔くん
『ゲゲゲの鬼太郎』に次ぐ水木しげるの代表作であり、「エロイムエッサイム 我は求め訴えたり」の日本語訳を広めた作品。貸本・雑誌連載・実写ドラマ・アニメと、非常にバージョンの多い作品だが、いずれも主人公の悪魔くんが悪魔を召喚する呪文として用いられている。1989年から1990年にかけてテレビ朝日系列で放送されたアニメ主題歌の歌詞にも登場する。
なお、『ゲゲゲの鬼太郎』にも、実写映画『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪奇伝 魔笛エロイムエッサイム』(1987年)という作品がある。
四月は君の嘘
新川直司作の学園・音楽漫画。ヒロイン宮園かをりがヴァイオリンコンクールの演奏直前に、舞台上でこの呪文を唱え、この時の演奏が主人公有馬公生の心を動かす。かをりが病に倒れた後、学園祭にて公生が相座凪とのピアノの連弾を披露する直前にもこの呪文を呟いており、2人を繋ぐ重要な言葉として働いている。