霞一甲
かすみいっこう
演:白川裕二郎
来歴・人物
迅雷流きっての手練であり、また跳ね返り者として知られた霞兄弟の兄。弟の一鍬からは「兄者」と呼ばれる。
物語開始当初は「アレ」を手に入れる為なら、一般人を巻き込む事も辞さない非情な面があったが、弟への情は捨てられず島忍者ギリギリガイ師の殺し合いの島に連れて来られた際も一鍬を倒すことを躊躇っており、アレ入手の為に渋々彼を手に掛けようとした程。それでも兄弟の絆は断ち切れず、ギリギリガイ師の術に巻き込まれた姉弟に自分達を重ねたのか、毒ガスから彼女達を庇って凶暴化してしまう。チュウズーボの策略で更に毒ガスを吸わされてより凶暴化するが、兄妹の呼び掛けで幼少期に一鍬と川辺で遊んでいた思い出が蘇り、凶暴化の呪いも解けてハリケンジャーとも和解した。しかし、しばらくはハリケンジャーたちを棚牡丹で選ばれた者たちと評するなど手厳しい所は残っているが、改めて鷹介の覚悟を聞いた事で彼が「牡丹餅を得るに足る忍者」であった事を実感し、雷撃斬のデータを転送している。
本来の彼は無骨な面がありながらも子供や仲間に優しい義理堅い人物である。
普段は兄弟揃って工事現場でアルバイトをしており、派遣に来た椎名鷹介と偶々会ったこともある。角忍を名乗るだけあり、怪力の持ち主で砂袋を何束も纏めて持ち運ぶほど。また、剣道の達人でもある。
硬いボディを持つカブトムシの戦士なだけに少々堅物であり、サタラクラのナゾナゾには答えられなかった。(巻之二十一)しかし、全く頭が切れない訳ではなく、災厄忍者カンガルーレットの攻撃属性をゴウライジャーが浴びても平気な雷属性の出目に固定して撤退に追い込んでいる。
暗黒七本槍の中でも特にマンマルバとの因縁は深く、体内に宇宙サソリの卵を植えつけられ、シリーズ中盤では彼との対立が縦糸となる。
物語序盤でアレ入手に拘っていたのは父親である霞一鬼の教育によるもので、巻之十八で一鬼の呪縛を断ち切ったように思われていたが、人生に多大な影響を残した人物なだけあり、本当の意味で彼と向き合うのは物語終了から13年後の話である。