邦枝葵
くにえだあおい
概要
本作のもう一人のヒロイン。石矢魔高校の2年生。
「東邦神姫」の紅一点にして、関東最強レディース「烈怒帝瑠(レッドテイル)」の3代目総番。黒髪ロングで和風の雰囲気を持つ美人。ただしヒルダとは対照的に胸元は寂しい。
総長だった頃は胸にサラシを巻き、その上から特攻服を着用していたため、へそが出ていた。
石矢魔では“女王(クイーン)”と呼ばれ恐れられているものの、実は神社の娘で歳の離れた弟の面倒を見るなど面倒見が良い一面を持つ人物。また、古市貴之と並ぶ常識人でもある。
学校で女生徒をまとめ上げている姿とのギャップを周囲に知られないよう、子守のときは眼鏡をかけて髪を結び変装している。
他の「東邦神姫」とは異なり、校内の秩序を守り無益な戦いは避けることで人望が厚く(しかし実際は自身も校内の器物(主に窓ガラス)を破損するなど、その場の気分で好き勝手やっている)、僅か1年で石矢魔高校の女子を纏め上げたカリスマでもある。
心月流という武術の流派の心得があり、戦闘時には主に木刀を用いて戦う。定規で竹光を叩き斬り、割と初期の段階でも剣速は時速270㎞をマークしていたほどの使い手。
神崎一、姫川竜也を撃破した男鹿辰巳を石矢魔の敵と見なして成敗を試みるが、攻撃をすべてかわされた上に、葵の強さを目の当たりにした男鹿が彼女にベル坊を押し付けようとした時の言葉が非常にプロポーズと紛らわしかったため、男鹿に好意を寄せるようになる。その後は男鹿から葵の話を聞いたヒルダに「親の資質があるかどうか見極める」と対決を強いられ、「男鹿には及ばない」と判断された。その後美破の陰謀に嵌められ男鹿を攻撃するが、駆けつけた寧々から真実を知り自ら敗北を認める。
ヒルダの素性を問われた男鹿が「悪魔」と答えたことから、寧々共々ヒルダを「男鹿に子供を押しつけて世話させる悪魔のような女」と思い込んでいる。「文句があるなら腕をみがいて出直してくるんだな」というヒルダの挑戦を受け、一から修行し直すことを決意し、ヒルダには強い対抗意識を抱いている。自らの誤解で騒動を招いたけじめとして「レッドテイル」総長の座を寧々に託した(以降は普通に制服を着用するようになる)。しかし一度築いた人望は厚いようで、たびたび彼女らを率いて男鹿に助太刀している。
男鹿に好意を寄せるようになってからはさりげなく(?)一緒に登下校をしようと機会を窺ったり、男鹿と2人で不良たちの鎮圧役を任されたときは密かにガッツポーズを取ったりと年頃の女子高生らしい乙女な一面も見せるようになった。
その態度はいわゆるツンデレなのだが、好意自体は周囲から見れば分かり易い。実際に千秋と寧々にはすぐに看破され、美破にはそれを陰謀のタネにされ(「愛する人と戦う苦しみ」を味わわせるというもの)、職員室への同行を求めて「ちょっと付き合って」と言っただけでクラス中から囃したてられたりしている。六騎聖とのバレーボールの時はヒルダのジャンプサーブを返しリベロでキャプテンに任命される。
前々からベル坊の正体について疑問を持っており、帝毛の乱入、焔王の出現をきっかけに悪魔の存在を知ることになった。
男鹿と初めて出会ったのは子守のための変装姿のときだったが、男鹿自身はその姿が邦枝本人である事に気がついていない。高ヶ嶺の魔二津で偶然出会った際、子育て仲間として親しげに接してくる男鹿の態度に驚き、正体を明かすことを躊躇。咄嗟に「青井くにえ」と名乗ってその場をしのいだ。
小説版1巻では沙悟浄役で登場し、「河童なんだから頭に皿があるのか?」と問う三蔵法師(男鹿)に対し沙悟浄は河童ではない(これは本当)と息巻くなど、知識人的な一面を見せていた。また、原作をなまじ読んでいたため、銀角(神崎)から「てめーは原作で人間を食い殺しまくってたくせに俺達に説教する権利はあんのか」と言われ落胆するなどのシーンもあった。