- 桑田佳祐の楽曲。
- 桑田佳祐の3作目のアルバム。
楽曲
桑田佳祐の楽曲。2002年9月22日にCDで発売された自身の3作目のアルバム「ROCK AND ROLL HERO」の2曲目として収録され、アルバムのタイトル曲でもある。
作詞・作曲:桑田佳祐
英語補作詞:Tommy Snyder
編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY
管編曲:山本拓夫
当時世の中に流れていたニュースに刺激され作られた楽曲で、歌詞は日本とアメリカの関係をパロディー的に表現したもの。
タイトルは、かつてアメリカやイギリスなどの欧米のロックンロールに憧れていた桑田自身に対しての皮肉が込められたものである事が言及されている。本人は「自分自身、ロックンローラーでもヒーローでもなんでもないし、すべてが裏返しにあるんだという暗喩にもなってるところがいいかなと思ってます」「きっと僕みたいなフェイク・スター的キャラがつけるから、いいんじゃないかと思うんですよ」とも語っている。
イントロのギターのフレーズは桑田が斎藤誠に「中学生が試し弾きできるフレーズ」を求め、斎藤が簡単なフレーズを弾いたところ、「もうそれ!」と即座に決定したという。
最後に聞こえる鳥が羽ばたく音は、マニピュレーターの角谷仁宣が朝方の公園で録音したもの。
Suchmosのボーカルで桑田と同じ茅ヶ崎市出身のYONCEは、11歳の頃にこの曲を聴いて歌詞の社会性に感銘を受けたという。
エピソード
アメリカの功罪にも触れているこの曲の歌詞は聞きようによってはアメリカを全否定しているようにも聞こえなくはないが、桑田はアメリカの音楽の影響も受けており、存在・文化や日米同盟そのものを全否定しているわけではない。2006年のAct Against AIDSのチャリティーライブのテーマをアメリカン・ミュージックにしたり、東日本大震災を受けて在日米軍が行った「トモダチ作戦」に感動した事をレギュラー出演しているラジオ番組で述べる側面もある。また、自身が嗜んでいるボウリングも(10本のピンを倒す競技としては)アメリカによって盛んになったスポーツである。
メディアでの使用
自身出演のコカ・コーラ「No Reason」キャンペーンCMソング。
アルバム
桑田佳祐の3枚目のオリジナル・アルバム。2002年9月22日にCDで発売。
前年の「波乗りジョニー」「白い恋人達」といったヒット曲をあえて収録せず「中高生のころの自分に向けて曲を作ろう」というテーマで制作された楽曲を収録した。
サポートメンバーには「THE BALDING COMPANY(ザ・ボールディング・カンパニー)」というバンド名が付けられた。これはビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニーとバンマスの斎藤誠のスキンヘッドにかけたもの。
桑田はかつてこそ「洋楽をコピーすれば、いつかエリック・クラプトンやポール・マッカートニーみたいになれると思っていた」というが、このアルバムが制作された頃には「やっぱり、ロックは欧米人のものだと思うんですよね。僕ら日本人はどうしたって彼らみたいにはなれない」「今はロックンロールっていうものが自分の中にはあまりないんですよ」という境地に至っている。その為、自身に対する皮肉めいたタイトルとは裏腹に作風としては時代性をあまり意識せずロックに固執したわけではないとしている。
歌詞に関しても和洋折衷な表現が見受けられており、桑田本人も「日本語をロックに当て込んでいくと、言葉自体もエッジの効いたゴツゴツしたものになっていく。活字で語るような感じになっていって、なんていうのかな・・・・かすりの着物を1枚ずつ着ていくような、そんな和の世界になっていくんですよ。それが自分でも不思議だった」という。
前述のヒット曲などを収録し2ヶ月後に発売されたベストアルバム『TOP OF THE POPS』は桑田曰く連作で「ロックとポップスという、この二つの音楽の対比を示せたら」いった考えがあった事を語っている。
このアルバムに関しては後に著書で反省点を長文で綴っている。
収録曲
1.HOLD ON (It's Alright)
2.ROCK AND ROLL HERO
3.或る日路上で
4.影法師
5.BLUE MONDAY
6.地下室のメロディ
7.東京
8.JAIL ~奇妙な果実~
9.東京ジプシー・ローズ
10.どん底のブルース
11.夏の日の少年
12.質量とエネルギーの等価性
13.ありがとう
関連動画
ミュージック・ビデオ
レコーディング風景やリハーサル及び初めて出演したROCK IN JAPAN FES.02でのライブ映像に音源を組み合わせたダイジェスト的なものである。