概要
アメリカ海兵隊(United States Marine Corps, USMC)とは、アメリカ軍(連邦軍)のひとつを成す軍事組織。本来、海兵隊は海軍配下の組織であるが、この組織に関しては法律によって陸海空軍とは別個に組織されており、独立した軍として意識されている。
現在ではMAGOF(Marine Air Ground Operation Force:海空陸任務部隊)として、陸海空軍すべての領域の装備を使用し、自前であらゆる任務を遂行できる能力を有している。
アメリカ4軍の中では唯一、「本土防衛」を任務に含まず、侵攻作戦や上陸作戦を専門とする、緊急展開部隊として位置づけられている。
そのために揚陸艦や戦車、支援用の戦闘機や戦闘ヘリ等を擁する大所帯となっている。
事務方からコック、将軍に至るまで全ての海兵がライフルマンとなっている。
ただし衛生兵など一部は海軍任せである。
主に最前線で戦う部隊であり、最初に敵と交戦する部隊である。
アメリカ合衆国が独立して最初の宣戦布告を交わした正式な対外戦争では、7人の海兵隊員が現地で500人の志願者を集めて4,000人の敵を相手に戦って勝利をおさめたというこの御方もビックリの記録がある。
この一件は、アメリカ海兵隊初の海外派遣での勝利ということもあって、海兵隊讃歌の歌詞に反映され、現在に伝えられている。
また、「硫黄島での戦い」では、敵前強行上陸で生じた戦死者を501名出し、1日の戦闘によって生じた戦死者数としては、海兵隊創設以来、2011年までのあいだにおいて最大である。
硫黄島擂鉢山に星条旗が掲げられた日は、後日「アメリカ海兵隊記念日」に制定されている。
沿岸警備隊を含めたアメリカ軍を構成する5軍では2番目に小さく、最高位の軍人を統合参謀本部の構成員として送り込む4軍の中ではもっとも小さい組織でもある。
また、アメリカ海兵隊はほかの三軍と異なり大統領直属の部隊であり、議会の承認なしで動くことが可能であり、大統領の搭乗するヘリコプターの運航をしている。その際のコールサインは「マリーンワン」である。
儀仗も海兵隊の任務となっており、大統領の行くところには常に海兵隊員の姿もある。
新兵訓練キャンプはパリス・アイランド(サウスカロライナ州パリス・アイランド)とキャンプ・ペンデルトン(カルフォルニア州サンディエゴ)の東西の二箇所にあり、ミシシッピー河を境に東側の出身者はパリス・アイランドに、西側の出身者はサンディエゴに送られる。
(なお、女性兵士はパリス・アイランドへと送られる)
サンディエゴには悪魔の丘と呼ばれる急な坂道がある事からパリス・アイランド出身者を「坂を免除されたもの達」と、田舎のパリス・アイランドに対してサンディエゴの近くにハリウッドがある事からキャンプ・ペンデルトン出身者を「めかし屋ども」と互いにからかっている。
沿革
1775年11月10日 - 大陸会議が大陸海兵隊の設置を承認
1783年4月 - 大陸海兵隊が解散
1798年7月11日 - 連邦議会が合衆国海兵隊の設置を承認
現在に至る。
関連イラスト
関連タグ
ジェームズ・マティス V-22(オスプレイ) AV-8B F35 M1エイブラムス
別名・表記ゆれ
- USMC
- マリンコ:Marine Corpsを英語読みをすると海兵の死体となってしまうのでフランス語風発音から。
- ジャーヘッド:所謂GIカットやブルードレスの襟ががポットの蓋に見えることから。
- レザーネック:支給されていた黒い皮製のカラーから。日焼けによって革のように硬くなった皮膚という説もある。
- デビルドッグ:1918年にフランスを支援したアメリカ海兵隊第5海兵連隊第2大隊51中隊の勇敢さを例えた言葉から。
- イエローレッグ:陸軍では廃止されたアンクルブーツのレギンスから。
- グラント:不満を意味するスラングで、転じて文句が出るほど重い荷物を持つ歩兵。