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大魔神カノンの編集履歴

2021-06-09 00:49:22 バージョン

大魔神カノン

だいまじんかのん

大魔神カノンとは、2010年に製作された特撮番組。『大魔神』のリメイクとなる。

概要

2010年4月から10月上旬にかけてテレビ東京系列局(ただしテレビ北海道除く)で放送された特撮テレビドラマ。全26話。

大映製作の往年の特撮時代劇『大魔神』のリメイクだが、内容はほとんど別物となっている。

仮面ライダー響鬼』を途中降板し、KADOKAWAに移籍した高寺重徳が久々にプロデューサーとして手懸けた作品でもあり、『クウガ』『響鬼』の文芸担当で『響鬼』前半の脚本家でもあった大石真司がメイン脚本家を務めた。


あらすじ

古くから伝えられていた、大切にされてきたものに命が宿った付喪神「オンバケ」

オンバケは長きにわたり、人間の邪な心の塊である妖怪「イパタダ」とひそかに戦い続けていた。


田舎から上京してきた少女・巫崎カノンは、都会の環境に馴染めず、仲間からの裏切りにより自分を見失っていたが、ひょんなことからオンバケの存在を知り、彼らとの交流で心を開いていく。


やがてカノンの体には、故郷の伝説に登場する、かつてイパタダを封印した「大魔神」が封印されていることが発覚。大魔神を目覚めさせるための鍵は、カノンの歌だったことわかり……


評価

当初こそは久しぶりの高寺P作品ということで、特に『響鬼』前半の作風を好むファンから期待されていたが、いざ放送されてみると多くのファンの期待を裏切る結果となった。

その評価たるや、ニコニコ動画での無料配信の再生回数が、最終的には1000に届かなくなるレベルである。(放送からかなり経過した現在ではそれなりの数字になっている)

また、『響鬼』のファンでもある漫画家の吉田戦車も、Twitterにて当初は期待を寄せるコメントをしていたが、いざ放送されると苦言を呈するコメントをしていた。


主な問題点には二つがあげられる。


全体的にスローで退屈な展開

『大魔神』としてはともかく主人公・カノンの成長物語としてみれば楽しめるという声もあるが、物語の進行がゆっくり過ぎて間延びした感じがして退屈なうえ、映像面での迫力や盛り上がりにも欠けている。そもそもの話として物語の大半はオンバケとイパタダの等身大の戦いに終始しており、肝心の大魔神は終盤まで出て来ないというややタイトル詐欺じみた内容になっている。

  • 一応、第9話からは展開・キャラクター共によく表現されているが、そこまでがだるく「最初からやれよ」と言わんばかりに多くの視聴者を逃してしまった。
  • また物語もカノンをはじめとした人間たちのパートとオンバケたちのパートの二つに分かれているが、その二つが致命的にかみ合っていない。キーマンであるカノンもオンバケとイパタダの戦いにはほぼノータッチで、両パートが平行線のまま話が進んでしまう。後半に入るとカノンのパートが大部分になり、特撮部分が(大魔神が本格登場するとはいえ)大幅に減ってしまう。
  • レギュラーやゲスト、悪役の扱いもややおざなり気味であり、唐突に退場してしまう事が多い。

特撮としてのエンターテインメント性の欠如

特撮」とは着ぐるみやミニチュアセット、映像合成やCGなどの特殊効果を使い、現実には撮影困難な映像を作り出す撮影技法の一つというのが通常の定義である。上述の映像面での迫力や盛り上がりにも欠けるという部分は『響鬼』前半にも見られたが、それでも響鬼は「着ぐるみやCGを使ったライダーと怪人の戦闘」「武器や変身ベルトなどの連動アイテムの販促」などの要素が製作上必要だったため、結果としてプロデューサー降板による展開の急な変わりようなどから賛否両論となりながらも(仮面ライダーというドル箱タイトルを掲げているという点を無視しても)それなりに評価された。

しかし今作の場合、バンダイではなくKADOKAWAが出資し深夜番組ということもあって玩具販促ノルマはなく、また制作予算も10億円と非常に潤沢にあったのだがこれが災いし、細部まで妥協せずに作り込むという高寺Pの悪癖が出て、労力・予算・時間を好きなように注ぎ込んで自分の趣味を追求したものの、前述の通り少なすぎる大魔神の出番も含めてその特撮部分が全体的に希薄気味な事から「特撮番組である必要が無い」とまで評されるほどになってしまった。


総評

今作は角川ガメラのように特撮文化を後世に残すといった文化的側面が強いのかもしれないが、いざ蓋を開けてみれば悪い意味で『響鬼』前半の再来(しかも問題点が悪化している)であり、プロデューサー交代の正しさを証明する皮肉な結果になってしまった。

さらには約10億円という巨額の制作費の影響で、2010年4~9月期の角川製作アニメ作品が激減してしまった。

今作の評価がたたったのか、これ以後高寺Pは特撮には関与していない。


関連項目

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