定義
厳密な規格や定義があるわけではないが、日本では乗用車のうち全長がおよそ4.2m程度まででハッチバック型(いわゆるトールワゴンを含む)のものを指す。
欧州のセグメント分類では概ねBセグメント(全長4.2m以下)とAセグメント(全長3.8m以下)を含む。日本ではコンパクトカーとは別ジャンルとされる軽自動車は、欧州ではAセグメントに含まれる。
北米でいう「コンパクトカー」は2000cc級で全長が4.4mを超えるような乗用車(日本では中型クラス)を指すことが多く、セダンやクーペも含むなど日本の感覚とは一致しない。日本や欧州のコンパクトカーは北米の分類では「サブコンパクトカー」に当たる。
特徴
車内空間を確保する都合上、現行車の大半が前輪駆動(FF)またはFFベースの4WDであり、5人乗り(一部4人乗りのモデルもある)である。
上級クラスと比べると新車価格が比較的安価であり、また軽自動車と比べると中古車価格が割安になる傾向がある。
コンパクトカーの肥大化
日本では基本的に、車幅1.7m、全長4.7m以内の「小型自動車」枠(乗用は5ナンバー)に入る乗用車が「狭い道で取り回しやすく、駐車場で乗り降りしやすい」として好まれるが、1990年代以降、乗用車の大型化(特に横幅)が進んでいることから、ユーザーが上位車種からコンパクトカーへ、さらには軽自動車に流れる「ダウンサイジング」の流れが進んだ。
現行の国産コンパクトカーはソリオ(1645mm)やマーチ(1665mm)など一部を除き、5ナンバー枠一杯(1680〜1695mm)の車幅である。これはワンクラス上のCセグメントハッチバックや中型ミニバンと同等の数値であり、バブル期前のミディアムセダン並みである。アクアの「クロスオーバー」、4代目フィットの「クロスター」など、車幅が小型車枠を超えてしまった「コンパクトカー」もある。
輸入車に至ってはさらに肥大化が顕著であり、3代目MINIをはじめ、VWポロ、プジョー208、アウディA1などその多くが車幅1.7mを超えてしまっている有様で、車幅1.7m以内の現行車種はルノートゥインゴ/スマートフォーフォーなど数少なくなった。