概要
CV:山寺宏一
鋼の錬金術師FAに登場する反体制ゲリラの指揮官で、元国家錬金術師。
蒸発・凝結などの相転移や水の弾丸の射出など、水属性の錬金術を得意としており、与えられた二つ名は『氷結』。右手に錬成陣を彫った専用のガントレットを装着しており、他にも非常時用に左手の平にも直接錬成陣を彫っている(監督の意向で多種の錬成技術を描かれている)。
単純に相手を氷結したり、凍傷を負わせる事が可能なのは勿論、逆に水を膨張させて蒸気爆発を起こして周囲を吹き飛ばしたり、人体を破壊したりする事も可能である。その火力は凄まじく、「焔の錬金術師」であるロイ・マスタングとも真正面から撃ち合える程(そもそも水なのでマスタングとは相性が良い)。錬成に用いる水も水筒の水から水道管や雨水はおろか、自分自身の体内の血液でも可能など液体ならなんでも良いようである。その為に、彼を完全に丸腰にして無力化するのは非常に困難である。
さらに純粋な身体能力や格闘術もエルリック兄弟をあしらい、「剛腕の錬金術師」であるアレックス・ルイ・アームストロングと真っ向から渡り合える程であり、己の血から作った剣や槍を用いて戦う事もできる。
後述する体内の賢者の石の力も用いて、街中に錬成陣を描く事で、セントラル中の水を凍結させて操る事も可能であるなど、凄まじい錬成力も持っており、総じて単体での戦闘力は作中に登場した武闘派錬金術師達の中でもトップレベルである。ホムンクルス達からは人柱候補として目されていた。
人物
過去イシュヴァール殲滅戦に参加するも、国の行った行為から良心の呵責に耐え切れず、戦後国軍を脱退。国家錬金術師の資格も返上して反政府運動に身を投じる。
実は原作漫画でも名前のみ登場しており、彼の所属する隊がイシュヴァール殲滅戦において行方不明になった事が明かされている。つまり実際はアニオリキャラではなく、おそらく原作でも失踪後に反政府側に転身し、アニメと同じような事件を起こして同じ末路を辿ったのだと思われる。
国の行おうとしていた企てをどこまで正しく把握していたかは不明だが、ある程度は把握していたようであり、その道具として使われた事からキング・ブラッドレイを初めとした軍上層部を強く憎んでおり、彼らの抹殺を目的としている。また、詳しい経緯は不明だが、軍によって賢者の石の実験台にされていたらしく、ホムンクルスからは人柱候補の一人という事もあって密かに監視されていた。ただし、本人はその事は知らず、自身の体内に賢者の石がある事も知らなかった。
作中では単身セントラルに乗り込んで、各地に錬成陣を描いて力を増幅し、中央司令部を氷漬けにしようと目論んだが、エルリック兄弟やマスタングらの妨害に遭い失敗して逃走する。
しかし最期は、口封じの為に姿を現したブラッドレイ本人と遭遇して即座に襲いかかるも、一瞬にして斬り伏せられて息絶えた(上記の通りアイザックは軍上層部が行っている事もある程度知っており、体内の賢者の石の件などブラッドレイ側にとっては、エドやマスタング達の手に落ちると都合が悪かった)。
結局ブラッドレイに口封じされた事もあって、この時点ではエド達からは、あくまで国を荒らすただのテロリストくらいにしか認識されていなかった(彼の「この国が何をしようとしているか知っているのか」という問いにも聞く耳を持たなかった)が、後に国の実態に気づいた際には先のアイザックの言葉を想起している。
このように、動き出すのがもう少し遅くて運命が違っていたならば、本来ならエド達の味方になっていた可能性が高かったキャラクターである。エドのような子供までが国家錬金術師をしている事を嘆いて純粋に善意から忠告をしようとするなど、本来は高潔な軍人である事が言動の端々からも伺え、彼がテロという手段に走ってしまったのも、体内の賢者の石に精神を汚染されていたからである可能性が高い。
また、マース・ヒューズよりも先に軍の正体や目論見にある程度勘付いていたなど、頭も非常に切れる。
このようなキャラクター設定と、原作ではありそうでなかった氷の能力の錬金術師である事や、その高い戦闘力と見栄えの良い能力の数々から、殆どアニメ1話でしかメインでは登場していないにも関わらず、ファンからの人気や評価は非常に高いキャラクターである。アニメ1話で退場させたのが勿体ないという声も多い。
関連項目
ゾルフ・J・キンブリー:元同僚。中央刑務所で脱獄と引き換えに仲間に誘おうとするも蹴られる。
マース・ヒューズ:同じく序盤の時点でホムンクルス達や国が裏でやろうとしている事を勘付いてしまい、ホムンクルス達に口封じされてしまった人物。