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キング・ブラッドレイ

きんぐぶらっどれい

キング・ブラッドレイとは『鋼の錬金術師』の登場人物。
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「私の城に入るのに
 裏口から入らねばならぬ理由があるのかね?」

概要

CV:柴田秀勝木内秀信(青年期)
アメストリス軍の最高位「大総統」であり、軍事国家アメストリス国家元首独裁者
戦場での数々の功績から44歳の若さで大総統となり、現在の国家体制を築き上げた人物。

黒髪のオールバックと口髭、左目のアイパッチ(眼帯)が特徴の男性。
年齢は60歳だが、日頃の厳しい鍛錬のおかげで若々しい肉体美を維持し、戦いではサーベルを愛用する。
軍人として厳格な態度を示しつつ、ジョークを交えるお茶目なナイスダンディ。

家族にと養子のセリムがいる。
軍属である国家錬金術師、主人公のエルリック兄弟にとっては、上司(?)ということになる。

鋼の錬金術師の軍部の登場人物は、兵器の名前から付けられているが、彼の場合、M2/M3ブラッドレー歩兵戦車

解説

人物背景

アメストリスの最高指導者で軍事独裁政権の元首、独裁者。
現在の軍部中心の国家体制への移行、国家錬金術師制度の導入などを薦めた。

国家錬金術師は、「人間兵器」、「軍の狗(いぬ)」とあだ名され、平時には国家予算を受領する引き換えに様々な研究に協力し、戦時においては錬金術の知識を応用して戦場に投入される。物語の冒頭以前に起こったイシュヴァール殲滅戦と呼ばれる内乱では、大きな戦果を挙げ、内外にその存在を知られることとなる。

イシュヴァール殲滅戦は、軍と少数民族イシュヴァール人の衝突から始まり、大総統自らが陣頭に立った。
戦いは、宗教的な対立に始まり、隣国からのイシュヴァール人への武器提供で戦闘は拡大した。また軍部のイシュヴァール人は軍籍を奪われ、処刑されるなど、敵味方、老若男女問わず、一民族を根絶やしにするまで内乱は苛烈を極めた。
また内乱の半ば、イシュヴァール人の宗教的な最高指導者が和睦を求めて投降したが、大総統の命令で処刑された。

その後もイシュヴァール人への殺戮は続き、周辺国もイシュヴァール人の亡命を拒絶したため、物語開始時点ではアメストリス国内で生き残りが隠れて暮らしている。
このため、イシュヴァール殲滅戦に参加した一部の軍人、取り分けマスタングは、”イシュヴァールの英雄”とされながらも国家体制に疑問を抱いている。

彼が独裁者となって以来、アメストリスは周辺国と散発的な戦争状態にあり、内乱も続き、軍人だけでなく民間人でも腕や足を無くした人々が大勢おり、人工の手足、機械鎧(オートメイル)という技術をはじめ、医療技術なども飛躍的に進歩している。

いわば、漫画『鋼の錬金術師』の重々しい世界観は、この独裁者によって生み出された。

登場

軍事国家の独裁者という前触れにも関わらず、公務をサボってエドのお見舞いに現れる。
エルリック兄弟に対して好意的で国家錬金術師の査定をあっさり通過させたり、兄弟の生き急いだ危険な行動に警告したりする。
エドの後をこっそり尾行した際は、アロハシャツにソフト帽というラフな姿で変装するなどお茶目な一面も…。

しかしエドが国家錬金術師試験に挑んだ時、素早い抜刀を見せるなど、ただならぬ気配を見せつけた。

ホムンクルス

「君に最強の盾があるように
 私には最強の眼があるのだよ」

不撓不屈六十年史


その正体は、7番目に造られた“憤怒”のホムンクルスラース」である。

ただしラストら他のホムンクルスとは作成方法が異なり、普通の人間の体に賢者の石を注入されて適合したことによりホムンクルスとなった。左目のウロボロスの紋章は、賢者の石を流し込まれたときに現れた。
この紋章は、普段は眼帯で隠し、怪我で失ったように偽装していた。

また老いることのない他のホムンクルスと違い、加齢によって老化するという特徴がある。
これは、彼に与えられた役割のため、どうしても不可欠な要素であったが、大総統自身は、身体が思う様に動かなくなっていることを不便がっている。

お父様」の計画により、幼少期からアメストリスの独裁者という役を演じさせるため、あらゆる教育を施された大総統候補生の一人で、十二番目の被験体。

計画の段階でアメストリスは、ホムンクルスたちの支配下にあり、あくまで大総統は、表向きに過ぎない。
「キング・ブラッドレイ」という名も、生き残った時に医師からその場で与えられたもので、本当の名前は不明。それ以降、計画に従い友人や部下、功績を与えられ、命じられるまま役をこなしていた。

約束の日

当初は前述の通り、好々爺としてのイメージが強く描かれ、兄弟やマスタングに対し、何かしらの助力こそするものの物語に大きく関与することはなかった。

しかしアルフォンスがホムンクルスのグリードにさらわれ、デビルズネストに突入した際、その正体が明らかとなる。
大総統自らが陣頭で戦うという異常さも自分たちから離反したホムンクルスがいることを予め知っていた上での行動であり、これまでの振る舞いが偽りだったことが明かされる。

また容赦なく敵を殺戮し、大総統の冷酷な振る舞いに意気を挫かれた部下のアームストロング少佐に対し、容赦なく突き放す言葉を投げかけるなど、これまでと異なる素顔を見せた。
取り分け、エドに見せた剣術、素早い身のこなしで存分に戦い、これまで登場したキャラクターと比べ物にならない圧倒的な強さを見せ、読者を驚かせた。

この段階で読者には正体を明かしたものの、エドやマスタングたちは、大総統の正体を知らずにいる。
しかし以降は、冷酷な独裁者としての面が際立つようになった。何より軍の上層部の多くは既に彼がホムンクルスであることを認知した上で、彼らの提唱する永遠の命を渇望し、ブラッドレイを支持していることも明らかになる。

特にヒューズの葬式において手を震わせていたのは、部下を無くした悲しみからでなく「泣き声が不愉快だったから」などと一蹴している。

基本的に他のホムンクルス同様に、ホムンクルスであることに矜持と優越感を持っているが、単純に人間を軽蔑しているわけではない。
「自らを打ち倒しにくるものは神ではなく人間」という発言、リンオリヴィエ目的への執念を気に入る様子を見せる等、度々語られる人生観と信条には他のホムンクルスとは違った面もある。
また人生の全てを用意され、盤石だが不自由な計画通りの人生に多少の不満を抱いており、唯一自らの選択で得たには特別な感情を持ち、エドやマスタングの反逆といった計画の障害に対して面白みを感じる、といった一面もある。
さらに同じホムンクルスの中でも特に長く接して来たプライドに対しては、本音を話し、好々爺や冷徹な軍人ではなく、本当の素顔で接している様子を見せた。
しかしこういった大総統の振る舞いをプライドは、「君は人間に接し過ぎた」という言葉で異論を表している。

物語中盤、遂にエドやマスタングらに正体を現す。
これまで人体実験やホムンクルス、ヒュースの死は、大総統と関わりないことと信じていたエドとマスタングにとって驚きのカミングアウトとなった。

そもそもイシュヴァール殲滅戦の時点で既にマスタングに注意していたが、ホムンクルスのラストがマスタングに倒されてから、お父様に「自分をマスタングの担当にする」ように進言し、マスタングへの圧力を強めていく。
特にグラトニーが捕まってからは、マスタング直属の部下達を各地方へバラバラに左遷し、彼の補佐役だったホークアイ中尉を自身の直属にするなど、その圧力をいっそう強めていった。

お父様の計画の最終段階、「約束の日」の手前、東方司令部で行われる北方司令部との合同演習に怪しいものを感じ取り、急遽視察に訪れるもグラマン中将が仕掛けた二重の罠にはまり、列車に乗って中央へ急いで戻る最中に列車もろとも橋を爆破され、行方不明となる。

最期

しかし――

「ただいま諸君」

クーデター軍による大総統府の陥落とほぼ同時に大総統府に帰参
なんと列車ごと橋が落とされる瞬間に、崩落する瓦礫を跳び移って脱出していた。

その後、中央(セントラル)の大総統府に舞い戻り、占拠したバッカニア率いる戦車を含むブリッグズ兵をたった一人で、尚且つ軽装(サーベル一本と手榴弾のみ)で圧倒
合流したグリードとフーらの猛攻をも物ともしない一騎当千の実力を発揮したが、死を覚悟したバッカニアとフーの捨て身の奇襲で腹部を、それに続いたグリードの一撃で左目を負傷、さらにブリッグズ兵の銃弾を肩に受け水堀に転落した。

致命的な重傷を追いながらも、そのまま水路を通り地下へ潜入し、先に地下に潜入していたエド一行と対峙。
マスタングを拘束し、合流したプライドによってマスタングが扉を開けさせられたことを確認した後、「お父様」の部屋へと向かおうとする傷の男と「名無し」同士で死闘を演じる。

既に満身創痍の状態でありながらも終始相手を圧倒したが、刀身に反射した陽光により一瞬目が眩み、その隙を突かれ惜敗した(しかし両腕を失ってもなお最後の力を振り絞って、折られたサーベルの刃を口に加えて相手に刺し重傷を負わせるという執念深さも見せている)。

最期は祖父の仇を討とうと現れたランファンに看取られる形で自分の人生に満足を抱いて息を引き取った。ベースが人間であるためか他のホムンクルスのように霧散せず、白色化した遺体が残った。

死後

独裁者ではあったものの国民からは慕われていた為、彼がホムンクルスであった事や国民に危険を及ぼしていた事は国民に伏せられ、彼の死は留守を狙ったセントラル軍の一部上層部、国土錬成陣の実験をしようとした勢力との戦いで殉職した事にされ公には「名誉の戦死」という形で処理された。
(同時に、セリムも列車の爆破の際に亡くなった事にされている)

戦闘スタイル

大総統候補として培った教育により、あらゆる戦闘術に精通している。
作中では特にサーベル(剣術)を使用。60歳の現在も実力は、健在でエドの国家錬金術師試験において目にも留まらぬ速さで剣を抜き、彼の突き出した槍をエドに覚らせずに切断している。

また状況に応じて二刀流やナイフを使用することもある。
グリード一味によるアル誘拐事件の際は、手に一本、腰に四本のサーベルを装備した姿で登場しているが、どのようにして闘うかは不明(単に刃毀れした際のための予備なのかもしれない)。
ただ、それを受けてか、コミックスの表紙裏では「ブラッドレイ式五刀流」と称して両手・耳の穴・尻の穴にそれぞれサーベルを装備した姿が描かれている。

ホムンクルスとしての能力は「最強の眼(め)」。
銃の弾道すら見切る常人離れした動体視力を持ち、ホムンクルスの身体能力と合わせ、素早い動作による高速戦闘で相手を圧倒する。

ただし元が人間であり、体内に入れられた賢者の石の魂との競争の末に生き残った魂であるため、魂のストックが最初から一つしかなく再生能力はない。特に人間同様に老化するため、本人も寄る年波による自身の能力に衰えを感じている発言をしている。

上記のように体質自体は普通の人間と大差がないが、その戦闘能力はプライドと並んでホムンクルス内でも上位クラス。その踏み込みの速さは同じホムンクルスで「最強の盾」を持つグリードでも皮膚の硬化が間に合わないほど。満身創痍の状態でも、マスタングの焔よりも早いスピードで彼に詰め寄り、作中でも上位クラスの実力を持つ傷の男(スカー)ですら満身創痍のブラッドレイを相手にしてほぼ相討ち寸前まで追いつめられていた。

ちなみに、彼の強さは40年近く戦場を駆け巡って来た経験と厳しい鍛錬によるものであり、賢者の石とは直接の関係はない。リンがベースとなった二代目グリードからも分かるように、ホムンクルスのベースとなる人間はその能力を存分に使える強靭な肉体と精神が必要となる。実際、最強の眼を使わなくても恐ろしいほど強い。

総じて、恐ろしいくらいの戦闘能力の高さからファンからはしばしば「ラスボスみたいな中ボス」と称されることも。更にアニメ版「FA」での彼の戦闘シーンは作画の良さも相まってどれも気合の入った作りになっているため必見である。

余談

大総統一家の休日


前述の通り戦闘面における強豪キャラだが、そんな彼にも弱点はある。
である

妻とは普通の恋愛結婚だったらしく、出会いは彼が25歳のときだったそうだが、初デートの際にビンタを喰らっている。そして2回目のデートでもお尻を誉めたせいでまたもビンタを喰らっている。だがこのビンタがプロポーズの決め手となったらしい。
(なお、妻をデートに誘う際、ラストから女性の扱いのノウハウを脂汗を掻きながら必死で教わっていたそうな。)

この通りかなり尻に敷かれている事が容易に想像できるが、「お父様」のレールに敷かれた彼の人生に置いて、唯一自分の力と意志で手に入れたものであり、深い愛情を抱いている。ランファンから妻に対してすら遺言をしないことを批難された際には「なめるなよ、あれは私が選んだ女だ。私とあれの間に余計な遺言など要らぬ」と王の妻として絶対的な信頼を寄せていたことを伺わせる言葉を返した。

ちなみに彼女のビンタは「最強の眼」を持ってしても見切れなかったらしく、一部ファンの間では
最強の眼<最強のビンタ」とも呼ばれている。

コミック表紙裏のオマケ漫画によると女性を見るポイントはお尻
ちなみにマスタングは太ももで、激しい論争を繰り広げた。

03年版アニメでの設定

原作同様ホムンクルスだが、「ラース」ではなく「プライド(傲慢)」として登場。
本作におけるホムンクルスは「人体錬成により生み出された産物」という設定が存在するが、彼の誕生の経緯や錬成のベースとなった人物は不明。

能力は原作と同じく「最強の眼」による動体視力。取り分け「空気の流れが見える」と発言しており、おそらくこれも能力の一つと考えられる。
また原作のような「賢者の石の力を流し込まれた人間」ではなく、純正のホムンクルスであるため、肉体の再生が可能で、歳もとらない。
このため、03年版アニメでは少しずつ老化したように変身することで、歳をとったように見せかけていた。

ホムンクルスたちの中でも最もダンテに忠実な部下であり、彼女自身“傑作”と称する。
アメストリスの事実上の元首に据えられることで、国家権力を以てダンテの目的を代行・遂行する傀儡道具とされていた。原作のような人間らしさ(人間臭さ?)はなく、冷酷非道な支配者として描かれている。
こうした人間性の希薄さのためか原作に比べると登場が少なく、一部のゲームタイトル(『ドリームカーニバル』『神を継ぐ少女』)以外では好々爺な面は大分少ない。

最終決戦

最終戦にてマスタングと一対一で対決する。
ブラッドレイをヒュースを殺した連中の仲間だったと見抜けなかったことが許せないと語るマスタングに対し、ブラッドレイは、「全身を焼かれても再生できるか興味があった」などと余裕を見せる。
前述の「空気の流れが見える」と能力でマスタングの焔を物ともせず、優位に立っていたが何も知らない息子のセリムが父が“大事な物”として話していた「ブラッドレイのベースとなった人間の頭蓋骨(ホムンクルスの弱点)」を父に渡すために現れる。

隠していた弱点を持ち出され、激怒したブラッドレイはセリムを絞殺したが、マスタングに頭蓋骨を奪われ、動けなくなった所を賢者の石の生命エネルギーが尽きるまで焼き殺された。
その後、公には行方不明扱いとなっている。

シャンバラを征く者

劇場版『シャンバラを征く者』では、実在のドイツの映画監督フリッツ・ラングが、もう一つの世界のブラッドレイとして登場した。
ただしラングの当時の年齢は32歳であり、60歳のブラッドレイより若いのだが、現実で男性だったエッカルトが若い女性になっているなど、劇場版の世界が現実ともやや異なる世界であることを表現している。

03年版アニメの終盤は、「右腕を機械化して人造人間を生み出した」というエドワードの行動からか、随所にラングの作品「メトロポリス」のオマージュが盛り込まれている。
映画の舞台である戦間期のドイツという時代も、同作の制作直後であり、恐らくラングの登場も、そうしたオマージュ要素の1つであると考えられる。

ゲーム作品におけるブラッドレイ

『ドリームカーニバル(PS2)』
03年設定の多人数対戦ゲーム。
気まぐれで「相手を殺さなければなんでもあり」の武術大会の開催を宣言。本作では各ストーリーモードのラスボスとしてプレイヤーに立ちはだかり、優勝者チームにそれぞれの望むものを景品として与える。一定の条件を満たすとPCとして使用可能(ただしストーリーモードは存在しない)。

本作ではホムンクルス設定について言及されておらず、最強の眼を使用する描写はない。
通常攻撃は遅いが、必殺技では原作さながらの素早い連続斬りを発動する。また、ステージギミックを破壊すると武器がサーベルから日本刀に変化する。

モンスターストライク
コラボ用キャラとして超究極降臨クエスト『大総統の帰還』にて登場し、ドロップする。特殊条件があり、コラボクエストの難易度・極以上をホスト及びソロでクリアした場合、ランダムで降臨するという仕様となっている。その上、降臨した時から24時間限定の制限付きでもある。
クエスト内容は、強力な爆発の全体攻撃に、ランダムでこちらのキャラに剣を投げつけて確率麻痺を行うなどの攻撃をしてくる。その上、回復のためのハートが湧かず、敵を倒すことで唯一の回復手段であるヒーリングウォールも一回貼られるだけではすずめの涙ほどの回復しかしないなど、原作再現とばかりに相当な難易度を誇っている。
また当初は全体爆発がこちらのHPの"8割強のダメージを与える"という壊れ具合であった。しかし、これは設定の手違いだったようで、修正されて"3割程度のダメージ"に下げられた。それにより多少難易度が下がられたが、それでもクエストに対応できる適正キャラが少ないでのお手上げ状態のプレイヤーも少なくはない。

関連イラスト

K i n g  B r a d l e y
憤怒


ハガレン
キング・ブラッドレイ



関連タグ

鋼の錬金術師
アメストリス軍 大総統
ホムンクルス ラース
ブラッドレイ夫人 セリム・ブラッドレイ
勝てる気がしない(本編でも実際にダリウスが「勝てる気がしねぇ」と言う場面がある)

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