概要
『鋼の錬金術師』の舞台となっているアメストリスは、中央(首都)を中心に東西南北に分かれているが、その南部のダブリス(イズミ・カーティスの肉屋がある街)に存在する酒場が「デビルズネスト(悪魔のねぐら)」である。
デビルズネストは表向きはホステスなどもいる普通のバーであるが、その総元締め(オーナー?)はお父様の元から脱走した人造人間のグリードであたる。
店にはグリードを慕う者達が多く集まっているが、グリードの側近達の中には戦場での傷病を理由に身柄を抑えられ軍籍を剥奪された上で、軍部上層部が主導していた錬金術で動物と合成する人体実験に無理矢理参加させられて、奇跡的に成功したアメストリス軍の元兵士達もいる(中にはイシュヴァール殲滅戦経験者もいる)。他の配下達も表では生きていけない訳ありばかりである。
グリードが「真の不老不死」を求め、アルフォンス・エルリックをここに拘束してエドワード・エルリックとの交渉を試みるが、同時にグリードの居場所を察知したキング・ブラッドレイ(ホムンクルス・ラース)とその配下の兵士達によって、キメラ人間を初めとしたグリードの配下の者達は全員殺害され、グリードもブラッドレイによって秘かに捕縛されてデビルズネストは壊滅した。
ちなみに、この際に原作・アニメFAではブラッドレイの命で、03年アニメではフランク・アーチャーの命によって、実はグリードの部下どころかたまたまその場に居合わせた客やホステスまでもが口封じとして全員粛清されている。原作・旧アニメ共に彼等無関係の民間人が虐殺された直接的な描写は流石に無いものの、原作の単行本のカバー裏背表紙でのその巻で死んだ人物の中で描かれており、「デビルズネストのみなさんとか」、「逝きすぎ」と書かれている。
旧アニメ版の独自設定
2003年版アニメではグリードは第五研究所崩壊に乗じて脱走した設定であり、キメラ人間たちも全員第五研究所でグリードにより解放された設定。また、これに伴いゾルフ・J・キンブリー及び変わり果てた姿となったショウ・タッカーもグリード一派に同行しダブリスに逃げ延びた。
本来タッカーは軍の命令でキメラたちを作った存在、つまりキメラ人間たちにとっては憎むべき敵なのだが、キメラを治せる医者がいないという理由で無理やり同行させられたようで、そもそも怪物じみた姿になってしまった以上人間社会にも戻れず(そもそも表向きは重罪人として死刑にされている)やむなく付いてきたというのが正しい。
そしてキンブリーも先述したアーチャー中尉の唆しによりあっさり裏切り、タッカーもアーチャー傘下に下る。
キメラにされたドルチェット・ロア・マーテルの三名が元軍人であることは原作と同じであるが、彼らはイシュヴァール殲滅戦に関与している(後に原作でもロアの従軍が描かれている)。原作とは異なり旧アニメ版では「イシュヴァール人児童への発砲」自体が行われておらず、ドルチェットらの所属する小隊が一方的にイシュヴァール集落への襲撃を敢行したことが原因となっている。関与した兵士らは皆捕らえられ、口封じのために殺されるか合成獣人間に改造されている。