「君たちなら知ってるかなァ……賢者の石。」
「力が欲しイ…手に入れるためニ…守るためニ…維持するためニ…絶対的な力が必要ダ…!」
「人間舐めるなよ、ホムンクルス!!」
「手ぶらで帰ったら腕ぶった斬ってまで尽くしてくれた臣下に合わせる顔が無いだろがッッ!!!!!」
CV:宮野真守
演:渡邊圭祐(実写映画版)
概要
アメストリスの東、砂漠を越えた先にある大国・シン国の第十二皇子にあたる少年。護衛としてランファンとフーを連れている。
シンの皇帝となってヤオ族を興隆させるべく、賢者の石を求めてアメストリスを来訪した。年齢は15歳。身長170㎝ぐらい。
エドとは腐れ縁の関係にあり、行き倒れていたところをアルに拾われたことで兄弟と知り合う。大食らいにもかかわらずよくエドに飯代をたかるため、その点では嫌われているものの、戦いを共に潜り抜けるうち一定の信頼関係を築いていった。最終的には仲間として共にお父様との決戦に挑む。周囲が兄弟に庇護的な大人ばかりの作中において、ウィンリィ、メイ・チャンと並ぶ貴重な同年代の味方キャラでもある。
人物
常に笑顔で飄々としてはいるが、幼い頃から後継者争いの渦中に身を置いていたため、非常に強かで頭の回転も早い。
目つきが悪いことと老け顔であることを少々気にしている。
シン出身者の例に漏れず大食漢。そして皇族の共通点なのか、よく行き倒れ、なにより勝手にふらふらと出歩くためよく迷子になっている。ただし、方向音痴ではなく、むしろシン出身者固有の『気』の感知能力などを駆使できることから地理勘はいい方で、単に見知らぬ土地をほっつき歩くせいと考えられる。
ホムンクルスになった時も賢者の石と力を得るためにグリードを受け入れ、二重人格の様に自我も残っているなど精神的にもかなり強い。
能力
身体能力と武術の腕が非常に高い。
剣術に優れ、その実力は手負いのランファンを担いだ状態でキング・ブラッドレイと切り結んで見せるほどである。
身体能力については言わずもがな。体術を心得ているだけでなく、目を離した少しの間に(登るための梯子なども無い)建物の屋上に登って佇んだり、結構高い位置の窓から侵入するなどを平然とやってのける。
グラトニーを爆弾で吹き飛ばして再生途中にワイヤーで縛り再生する自らの肉で締め付けられる事で逃げられなくするなど機転が利き、幼少期から命を狙われて育った影響でセコい手口も心得ている。
シン出身者固有の『気』の感知能力によって多数の魂を持つホムンクルスと人間を識別できる。変身能力を持つエンヴィーには特に有効だった。
異母兄妹のメイ・チャンと違い錬丹術は使えない。
行動の来歴
ラッシュバレーで機械鎧を修理しに来たエルリック兄弟によって行き倒れていたところを救われ、以後は紆余曲折を経て賢者の石を手に入れるべく兄弟たちと行動を共にする。
しかし、すぐにセントラルで行き倒れ、不法入国者として軍警察によって御用となる。
ところがマリア・ロス少尉の一件でナンバー66が留置所に襲撃をかけた際に脱出し、今度は裏で行動していたマスタング大佐に協力。
そして兄弟・大佐・自身らによる傷の男(スカー)・ホムンクルス誘導作戦を決行。途中、予期せぬ介入もあったものの概ねの成功をみせる。
だが、今度は捕縛したグラトニーが暴走し、エドワード・エンヴィーとともにグラトニーに呑まれる。
今後は上記の三人で、グラトニーの腹の中からの脱出を決行。成功するが、行き着いた先で「お父様」に遭遇し、一度肉体が死を迎えたグリードの新たな素体として選ばれ、グリードの意識を宿した賢者の石を体に注入されてしまう……
が、辛くも己の意識を保った状態で内面世界でグリードと対峙・対話し、その上でグリードを受け入れ、納得ずくでグリードの意識に肉体の主導権を明け渡す。(ただしそれでもリン自身の魂と自意識はグリードに溶け込まないまま残って、隙あらばいつでも表層に出て肉体の主導権を奪い返そうとしており、そのしぶとさとブラッドレイ大総統とは違う「強欲なる王の道」を語る根性については、ブラッドレイや彼にそれを語るグリード本人ともども、呆れと苦笑交じりに賞賛されていた)
以後は物語終盤まで「グリリン」とも呼ぶべき奇妙な共生状態のまま活動を続ける。