曖昧さ回避
"buccaneer" のカナ表記。
本稿では1と2について解説する。
『鋼の錬金術師』の「バッカニア」
cv 大友龍三郎
国軍大尉。オリヴィエ・ミラ・アームストロングの部下。身長218㎝ぐらい。
熊のような巨体と、右手の機械鎧という威圧感のある外見の持ち主。
なお、機械鎧は元々高性能な義肢として考案されたものだが、彼はそういった普通の機械鎧ではなく、チェーンソーが組み込まれた機械鎧『クロコダイル』や、爪先が硬質のダイヤモンド素材で出来た機械鎧『マッドベアG』などの、戦闘用に設計・開発された機械鎧を愛用している。
極寒の地であるブリッグズ勤務だが、モヒカンと三つ編み(辮髪)といった寒そうな髪型をしている。三つ編みの先には乙女チックな白いリボンを巻いている。
豪気な性格の持ち主であり、敵には容赦しない反面仲間と認めた相手には情が深く、また忠誠心も厚いため、上司であるオリヴィエや部下たちからの信頼も厚い、いい男なのだが彼女はいない様子。
ウィンリィに対して「誰だこのかわいい娘は」とエドに問いかけ、自分の整備士(男性)と比較してエドに八つ当たりするなど、自分に女っ気がないことは多少気にしているようである。(そもそもブリッグスで働いている女性が少ないのも要因のひとつかもしれないが)
アニメではセントラルで襲われている女性達を助け、礼を言われて頬を染めたり、機械鎧に興味を持つウィンリィに頬を染めるシーンもあり、かわいい系の女性が好みと思われる描写がある。ちなみにバッカニアに礼を言った女性の声は当時のエンディング曲を歌っていた中川翔子である。
物語終盤、大総統府にてキング・ブラッドレイことラースと戦闘になり、クロコダイルを破壊されてしまうが、腹部を刺されながらも、刺さった状態のまま、腹筋の力でブラッドレイの剣を奪い取り、その奪った剣で瀕死状態のフーごとブラッドレイの腹部を刺すという活躍を見せた。
このシーンに至るまで、エルリック兄弟を含めた作中の登場人物の誰一人としてブラッドレイに傷を負わせられなかった中で、初めてブラッドレイに攻撃が通った瞬間であり、ある意味でバッカニアが主人公並の功績を遺したシーンでもある。
しかしフーの捨て身の行動がなければ大総統に死角が出来ることはなく、この功績はバッカニアとフーの忠義と正義によるものである。
これをきっかけにリン(グリード)が「最強の目」を潰し、後のブラッドレイとスカーの戦いに大きな影響を与える。
その後、リン(グリード)に大総統府の正門を中央軍から死守するよう頼み、二人が了承を聞き入れ戦いに赴き、約束を守ってくれた事を聞くと、最期は部下のブリッグズ兵達に敬礼しながら笑顔で息を引き取った。
(この最期の台詞は演出の関係で原作とアニメで若干順番が変わっている)
アニメでは1度痛みと出血で気絶していた際、腹に刺さったブラッドレイの剣を引き抜けば死ぬと気づいていた為、死因は失血死と思われる。
ブラッドレイがスカーとの戦闘で倒された後、オリヴィエはブラッドレイの遺体に向かって「……どうだブラッドレイ。私の部下は強かったろう……?」と語りかけた。
余談であるが、アニメネタを元にした荒川先生が書き下ろした四コマ漫画では、上記の今際の際のシーンで死を受け入れようとした矢先、セントラルの女性軍人達に礼を言われた時を思い出し、「モテ期を逃した!」と嘆き名シーンをぶち壊しにした。
またバッカニアの声優と、バッカニアの義手の名前の共通点にある海賊作品の社長を思い浮かべたファンも少なくはない。
鋼の錬金術師展では主人公のエドの機械鎧と共に、原寸大のバッカニアの機械鎧・クロコダイルが展示された。
関連タグ
海賊の「バッカニア」
元々の「バッカニア」とは、17世紀にカリブ海のスペイン領を暴れまわった海賊である。
航海食として、西インド諸島において古くから作られていた保存食の「ブキャニング」と呼ばれる、干し肉を食べていた事から名づけられた。
構成員はスペインの入植民に住処を追われた原住民やヨーロッパからの逃亡者が中心となっている。
海賊としては珍しく『子供や老人には乱暴しない』等のルールを持ち、平等主義・民主主義者であったことから、襲われた側がすっかり感心してバッカニアに転向した者もいたと言われる。