概要
CV:青森伸氏
『ドラゴンボールGT』に登場した敵キャラクター。ドラゴンボールの一つである七星球の化身であり、地球で誕生した邪悪龍の一体。
本人曰く「七星球そのものが本体」で、他の生物に寄生する事で肉体を得るとされているが、宿主がいない状態でも緊急用の身体を形成可能。寄生中は邪悪龍の中で最も大柄なのに対し、緊急用の身体はモグラに寄生していた際の姿をデフォルメしたようなもので、仲間の五星龍並に小柄。七星球は他の生物に寄生している際は額に、緊急用の身体の際は頭頂部に収められている。
欧米圏での名称は「Naturon Shenron(ナチュロン・シェンロン)」。日本国内では、稀に「七神龍」と間違えられる事がある。
一見すると無気力的でとぼけた性格をしているが、これは相手を油断させるための表向きのもの。本性は寄生した宿主を人質に取り相手を執拗に痛めつけるといった、残忍かつ嗜虐的な性格。その一方で、他の生物に寄生していなければ自分だけでは何も出来ない、小心かつ依存心が強い一面がある。このような性格のためか、温厚篤実な孫悟空でさえ「殺すのも惜しくない」と言わしめた。
長らく外部出演の機会が無かったが、近年では『ドラゴンボールヒーローズ』での邪悪龍ミッション5弾で参戦決定した。
能力や技など
核にして本体である七星球に触れた他の生物に寄生し、そのパワーと能力を使いこなす事が出来る。与えられたダメージは全て寄生された宿主が受ける事になるため、七星龍本体のみを倒す場合は宿主から引き剥がす必要がある。
作中で寄生した生物は、普通のモグラと七星球に触れてしまったパン。
前者は紫色の巨大なモグラの姿(メイン画像の左側)をしており、緊張感の無い寝ぼけ顔をしている。しかし、見かけによらず超サイヤ人4の悟空の打撃を受けても耐えきるだけの耐久力を持つ。この状態では地中を掘り進み地震を起こしたり、技として地面へ気を通し相手の足元から気功波を撃つ「大地からのエネルギー波」。この技と寄生能力は、後に七星球を取り込んだ一星龍に受け継がれた。
後者のパンに寄生した際は劇的なパワーアップを遂げ、超七星龍(スーパーチーシンロン)へと姿を変える(メイン画像の右側)。頭部にトサカが形成され体色も紺色に変化、尻尾が二本に増えた。角と手足の爪も鋭さを増し顔も非常に凶悪化するなど、よりドラゴンらしい姿となっている。宿主のパン本人は体内に収められ面影すら無いが、頭部の角に彼女のトレードマークであるバンダナが引っ掛かっている。この状態では「かめはめ波」などのパンが使う技を繰り出し、それ以上に実質的に大切な孫を人質に取られた悟空は大いに苦戦した。
生い立ち、作中での役どころなど
彼が誕生する原因となったマイナスエネルギーは、本人が語った通り「天下一武道会で魔人ベジータに殺された犠牲者たちを生き返らせる」願いによるもの。七星龍の自身が非力である故に他人を利用し、不要になれば別の者の力を借りる残忍かつ卑劣な性格は、この願いに関わったバビディに似ている。
作中では、広大な岩の平原にて地中を掘り進み地震を起こしていたところを、悟空たちと遭遇した。他の邪悪龍とは異なり当初は全く戦意を見せず、ただ地震による破壊行為を楽しみたいと悟空たちをそっちのけで地中に潜ってしまう。悟空の悪口やパンによる地上からの攻撃を加えられてもそれは変わらず、進路先にある街を破壊対象に選んだ。
しかし、街は超サイヤ人4化した悟空によって崩れた地盤を戻され、破壊行為を邪魔された怒りから自ら悟空たちへ戦いを挑んだ。
究極技である「大地からのエネルギー波」で攻撃を仕掛けるも、“相手をサーチする”という性質を逆手に取られ、七星龍の頭上に二人が移動した事で自分がエネルギー波を受けてしまい消滅。
しかし、これは負けを装うためにわざと受けたもので、それまで宿主であったモグラを捨て、不用意に七星球に触れたパンを新しい宿主に選び超七星龍へと進化。パンの技とパワーまでも取り込んだ超七星龍は、その技を以て街を破壊し体内のパンを精神的に追い詰めつつ、超サイヤ人4化後も非情に徹しきれない悟空を心身共に痛めつけた。
戦う意思を失った悟空へトドメを刺す前に、「死ぬ前に孫と対面させてやる」とパンを体外へ出したところ、彼女の救出のチャンスを待っていた悟空に引き剥がされ弱体化。宿主を失った七星龍は緊急用の身体を形成し新たな宿主を捜すも、街を無差別に破壊した事で住人も動物もいなくなっており、悟空に追い詰められた。
その際に運良く空を飛んでいたカラスを見つけ寄生を試みるが、それを悟空が見逃すはずがなく阻止され失敗。最期は七星龍の身勝手な理由で犠牲になったモグラと街の住人たち、パンの分を合わせた怒りの連続攻撃を受け消滅。浄化された七星球は、後に一星龍に取り込まれ彼の一部となった。