一星龍「俺を『許さねぇ』だと? その俺を誕生させたのは誰だ? お前だ、孫悟空!お前等がドラゴンボールを乱用したために生まれたのだ。地球がおかしくなったのも、みんなお前等のせいだ! 散々ドラゴンボールに助けてもらったくせに……勝手な事を言うな!!」(ドラゴンボールGT・第57話)
概要
“自然の摂理を捻じ曲げる”力を持つドラゴンボールで願いを叶えると、代償としてボール内にマイナスエネルギー(所謂、邪悪な負の力)が発生・蓄積される性質があり、それが許容量を超える事で誕生するのがこの邪悪龍である。
ミスター・ポポによると、作中の地球以外では遥か昔に別の銀河でも邪悪龍が誕生している。発生源の惑星を破壊した後に周囲の惑星をも手に掛け、更にその際に生じたマイナスエネルギーは伝染病のように広範囲の銀河を侵食し腐敗させたという。この時に誕生した邪悪龍がどのような能力・容姿なのか、誰がどのような手段で滅したのかは不明。ただ、宇宙の外側にある界王神界にも影響が及ぶとの事なので、そうであれば当時の界王神らが何らかの形で関与していたと思われる。
なお、一度願いを叶えて発生したマイナスエネルギーを消滅させるには自然浄化が必要であり、完全に浄化するのに100年前後という膨大な時間を要する(孫悟空の体内で浄化された四星球は前例が無い例外)。邪悪龍が誕生してしまった場合、当然ながらこれを倒す以外に方法は無い。
地球ではドラゴンボールを全て揃えられる者は稀であり、そもそも半ば伝説化されている事もあり用途や存在さえ知らない者も少なくはなかったため、使用されたとしても邪悪龍が誕生する程のマイナスエネルギーが蓄積される事は無かった。
ところが、ブルマによってドラゴンレーダーが開発され、悟空らの協力もあり発見が容易になってしまった事、さらにデンデが叶えられる願いを三つに増やした結果、僅か40年程で限界を超えたマイナスエネルギーが蓄積(原作でもドラゴンボールを使い過ぎるリスクは仄めかされていた)。
限界を超えたマイナスエネルギーは世界の理にも影響を与え、ベビー撃破後にナメック星のポルンガによって地球が再び復活した頃から既に兆候は現れており、あの世とこの世が繋がる遠因にもなった。
超17号撃破後に呼び出された時には、既に神龍は凶暴化し“黒煙の龍”と化していた(この時、ドラゴンボールにはマイナスエネルギーの過剰蓄積でヒビが入っていた)。呼び出された直後に悟空達の願いを無視した上で地球全土をマイナスエネルギーで覆い尽くし外界から遮断、“黒煙の龍”は六つの分身を作り出し、自らを含めそれぞれが地球の各地へと降り立った。こうして具現化したのが下記の七体の邪悪龍たちであり、この七体は過去に叶えた願いにより生じたマイナスエネルギーによって誕生している。
ちなみに黒煙の龍の外見は、神龍に比べて腕部が大きくなり、外皮は青くなり、葉巻を吸っている(多分だが、葉巻を除いた外見はブルードラゴンに流用されている)。
なお、ナメック星のドラゴンボールについては作中では触れられていないが、実はあちらの方が願いを叶えた回数は多い。
…尤も、地球のドラゴンボールは(先に登場した赤いドラゴンボールも含めて)「自分はナメック星人である」自覚すら無かった神様が、半ばうろ覚えで作り出したような代物なので、何かしらの欠陥が存在していてもおかしくはないが…。
ちなみにスーパードラゴンボールヒーローズワールドミッションのサブシナリオでは、ナメック星のドラゴンボールから生まれた邪悪龍が登場する。外見も性格も地球の方と同じ。ドラゴンボールを求めて来たフリーザたちと激突する。
余談であるが、過去の各種ゲームでは後述の一星龍や四星龍といった一部の邪悪龍のみの参戦であったが、近年におけるドラゴンボールヒーローズにて、“黒煙の龍”を含め全ての邪悪龍が揃っての参戦という快挙を成し遂げた。
地球で誕生した邪悪龍達
姿・性格・技、そして誕生のきっかけとなったマイナスエネルギー(過去に叶えた願い)などはバラバラであるが、「全てを破壊する」という行動理念、身体に核であるヒビ割れた群青色のドラゴンボールを保有している、「自然の摂理の具現」という存在から主に自然に干渉した能力を使うという共通点がある。識別名はそれぞれのドラゴンボールの星の数に準じており、数字の後ろに「星龍(シンロン)」と付く。それに対し欧米圏での名称は、数字の代わりにそれぞれの能力やイメージに合わせた単語が用いられ、こちらは単語の後ろに「Shenron(シェンロン)」が付く。
GTスタッフは邪悪龍のことを悪いドラゴンボール(の化身)と解釈し、欧米スタッフは悪い神龍と解釈しているとも考えられるような違いである。
間違えて一神龍などと誤記してしまう人は、悪いドラゴンボール(の化身)として覚えると間違えにくいであろう。
なお、一星龍によると、性格形成において保有するマイナスエネルギーの量や質がある程度は影響しているらしい。その他、ユーザーからは「願いの性質や関わった人物、または過去に所持していた人物や環境なども影響しているのでは」と推察されている。
ここまで観ていた人ならわかるとおもうが「無印」~「GT」までの中で悟空達がDBを使用した回数は七回ではないがその時の願い(「ピッコロ大魔王に殺された者を復活させる願い」、「セルに殺された者を復活させる願い」「17号と18号の体内の爆弾を取り除く願い」)のマイナスエネルギーが邪悪龍たちの力の底上げになっているかは不明。
邪悪龍の登場順は概ね、悟空とブルマ編でドラゴンボールを集めた順番に準拠している。
- 一星龍/超一星龍(イーシンロン/スーパーイーシンロン)
“黒煙の龍”そのものが変化したと思われる一星球の化身であり、「フリーザ一味に殺された者達を生き返らせる」願いから生まれた、最強の邪悪龍にして代表格。
- 二星龍(リャンシンロン、一部文献等ではアルシンロン)
CV:茶風林氏
二星球の化身であり、「桃白白に殺されたウパの父親(ボラ)を生き返らせる」願いから誕生した、悟空とパンが最初に出会った毒属性の邪悪龍。
- 三星龍(サンシンロン)
三星球の化身であり、「関係者以外の地球人から魔人ブウに関する記憶を消去する」願いから誕生した、後述の四星龍の兄に当たる氷属性の邪悪龍。
- 四星龍(スーシンロン)
悟空にとっては育ての親の形見である四星球の化身であり、「ピッコロ大魔王が自身を若返らせる」願いから誕生した、前述の三星龍の弟である火属性の邪悪龍。
- 五星龍(ウーシンロン)
五星球の化身であり、「ラディッツとの戦いで死んだ悟空を生き返らせる」願いから誕生した雷属性の邪悪龍。
- 六星龍(リュウシンロン)
六星球の化身であり、「ウーロンがギャルのパンティーを出してもらう」願いから誕生した、異なる二つの姿と風属性を持つ邪悪龍にして紅一点。
- 七星龍/超七星龍(チーシンロン/スーパーチーシンロン)
CV:青森伸氏
七星球の化身であり、「天下一武道会で魔人ベジータに殺された犠牲者達を生き返らせる」願いから誕生した土属性の邪悪龍。
余談
英語版の名前(Syn、Haze、Eis、Nouva、Rage、Oceanus、Naturon)の頭文字を順に並べると「SHENRON」となる。
ゲームオリジナル設定だが、スーパードラゴンボールヒーローズワールドミッションでは、ナメック星のドラゴンボールからも上記の邪悪龍たちが生まれている。
実は100年間待たずに、ドラゴンボールのマイナスエネルギーを浄化できる方法が作中で示唆されている。それはプラスエネルギーでマイナスエネルギーを搔き消すこと。これを実行したのが悟空とゴジータである。視聴者からすれば「そんなことができるならはじめからやれよ」とか、「なんで老界王神はそれを悟空たちに教えなかったんだ?」と思ったことだろう。これに関しては実行したのはトップクラスの実力者であることから、「少なくとも悟空クラスの実力がないと実行できない方法だったから」、「悟空が邪悪龍との戦いで本質を理解して初めて思いついた策だから」というのが理由だったと思われる。
関連イラスト
関連タグ
龍神(クロノクロス):鳥山明がスタッフとして参加したゲームの続編の登場人物。全7体存在する龍であり、冒険の行く先々に登場する。
邪悪竜:轟轟戦隊ボウケンジャーに登場する敵キャラクターの一種。龍の字が違うので注意。