概要
夢小説の種類の一つ。
別のキャラクターが主軸となって展開される物語を、夢主が傍観している形式の作品である。
当初は、原作キャラクターたちの物語を着かず離れずの距離を保ちながら見守り、時に巻き込まれていく夢主が多かったが、最近の傾向は主人公である『夢主A』とは別の『夢主B』を傍観する作品が主流である。
狭義の意味では、主人公(原作キャラ・オリジナルキャラ問わず)の姿が見えない夢が自己投影夢で、主人公(〃)の姿が見える夢が傍観夢と呼ばれる。だが、すべての主人公(〃)の姿が見える夢に、下記のような制裁・断罪に及ぶ夢主が登場するとは限らない。傍観の要素がありつつ、傍観がメインではない作品もある(主人公の顔が見えたり隠れたりするなど)。
傍観夢の追加要素
本来の傍観夢は上記のとおりだが、傍観夢と別の夢小説ジャンルを混合した発展系が多い。
男女傍観夢、逆ハーレム傍観夢、少年漫画傍観夢はその典型例である。
代表例として、
- 公式カップリング(原作キャラ×原作キャラ)を夢主(オリジナルキャラ)が眺めるもの(「片方しか好きじゃない」「両方好きだが憑依がしづらい」「夢主ではなく赤の他人が幸せなのが許せない」という理由で制裁・断罪に発展しやすい)
- 男性キャラ(作者の最推しキャラなど)×夢主A(作者に似た女性キャラなど)のカップリングを夢主B(第三者、ネームレス、独身、ダークヒロインなど)が傍観するもの(創作男女に似ているが、男女関係がステレオタイプから外れているケースが多く、原作がなくても特殊嗜好扱いされやすい)
- 夢主Aが、逆ハーレムを築いた(あるいは逆ハーレムを狙っている)夢主Bと取り巻きとなった原作キャラクターたちを、ハーレムに加わらなかった原作キャラクターと共に傍観するもの
- モブ複数や姿のないカメラマンになってキャラクターたち(男子のみの集団など)を傍観するもの
- カップリング+友人数人や複数カップリングをモブ視点で傍観するもの(カップリングを組み替えたり人間関係をかき乱したり別の夢主を突き付けたりする趣味の人物に狙われやすい)
などが挙げられる。
また、原作キャラクターや夢主本人の嫌われ要素が付随してくることもある。
嫌われや逆ハーレムでは、夢主の味方・関係者と分類される原作キャラクター以外の扱いが軽くなりがちであり、キャラ改悪や改悪されたキャラクターに対する見下しが行われることも多く、ひいては制裁・断罪に発展しやすい。
版権キャラへのこういった扱いに苦手意識を覚える方は、似た内容の一次創作(原作が存在しないため、私物化や原作との違いを指摘される可能性がないもの)、二次オリ(原作で女主人公だけではなく、男性キャラの設定も少ないもの)、全年齢向け、男女どっちかのみが登場する日常系に移動したほうがいい場合もある。
棲み分けについて
警告文、もしくはそれに類するタグ(棲み分けタグ)の使用が推奨されるジャンルである。
「傍観夢」は夢小説においても特殊なジャンルなので、以下の棲み分けが必要である。
1. 「原作タグ」をタグ付けしない。
2. 「夢小説」タグもしくはそれに類するタグを付けてマイナス検索を可能にする。
3. タイトルやキャプションで、傍観夢であることを明記する。
4. 「嫌われ」「逆ハーレム」といった読む人を選ぶ要素がある場合は、必ず注意書きや警告が必要とされる。
補足1 嫌われの場合は嫌われる対象を明記する。敵に回るキャラクターについて注意書きを記載することが望ましい。
補足2 特に敵に回るキャラクターの場合、キャラ改悪が行われている場合は必ず警告・注意すること。
※傍観夢小説がどういった内容のものなのか知らない人の為に、注意書きにて傍観夢について大まかに説明しておくとなお良いだろう。
最後に
夢小説とは、BL(腐向け)と同様、人によって好悪が分かれるジャンルである。
また、夢小説作者・読者の間でも、定義や分類の認識に差があることが多い。まずは、夢小説を知らない、あるいは夢小説自体は読んだことがあっても、「傍観夢」を知らない人がいることを認識するべきである。
さらに「傍観夢」とは、発展系が断罪制裁に行きがちなことも含めて、特殊かつ読み手を選ぶジャンルであることを意識しよう。
特に傍観夢に混ぜて描かれることの多い、キャラ改悪・嫌われ・逆ハーレムは苦手とする人が多い特殊嗜好である。そのことを踏まえたうえで執筆・公開・コメントするよう意識されたい。
トラブルを避ける為にも、ジャンルに対する諸知識や相応の自覚を持ち、十分に創作上のマナーや棲み分けを学び、自分の作品の内容を理解し、適切な注意書き及びタグを付けることを推奨する。