概要
プログレッシヴ・ロックに分類される事が多いが、デヴィッド・ギルモア以外はセッション・ミュージシャンの経験もなく、クラシックやジャズの素養を元手にテクニックを誇示する他のバンドとは毛色が異なる。
略歴
ケンブリッジで建築学校の学友が結成したブルース・コピー・バンド、シグマ6を源流に、フォーク、サイケデリック・ロックのバンドとして1967年にレコード・デビュー。
1968年のシド・バレット脱退後は現代音楽を取り入れた、気だるく幻想的な音作りで音響派の魁となり、後世のエレクトロニカにも影響を与えている。
1973年、ロジャー・ウォーターズがイニシアティブを執った『狂気』以降、一転して人間疎外や政治問題をテーマにしたメッセージ性の高い作品を発表するようになり、スペクタブルで大掛かりなライブが人気を呼んだ。商業的に大成功を収め、アルバム『狂気』(1973年)が5,000万枚、『炎〜あなたがここにいてほしい』(1975年)が2,300万枚、『ザ・ウォール』(1979年)が3,000万枚のセールスを記録した。
1985年のロジャー・ウォーターズ脱退後はデヴィッド・ギルモアがイニシアティブを執る。人気は相変わらず、大々的なツアーが組まれた。新作も大ヒットを続けたが、過去作品の焼き直しの感が強い。
その後ロジャー・ウォーターズとメンバーの和解が進んだが、2014年、アルバム『永遠/TOWA』の発表後、活動停止が宣言された。
メンバー
シド・バレット(1946~2006)
ギター、ヴォーカル。
左イラスト。ケンブリッジ出身。デビュー当時のピンク・フロイドは「シド・バレット・バンド」と言って良い扱いだった。
薬物中毒による精神病が悪化したため2ndアルバム制作中に解雇された。
ロジャー・ウォーターズ(1943~)
ベース、ヴォーカル。
右イラスト右端。ケンブリッジ出身。母のメアリーはシド・バレットが小学生時代の担任教師。
2ndアルバム以降バンドのイニシアティブを執り、次々とヒットを飛ばした。
大金を得たメンバーがやる気を無くし、デヴィッド・ギルモアしかレコーディングに参加しない現状に失望。1985年、解散を宣言するが他のメンバーは存続を求め、自分が脱退という形になる。
ニック・メイスン(1944年~)
ドラムス。
右イラスト右から2人目。バーミンガム出身。
唯一全アルバムの制作に参加しているオリジナル・メンバー。
デヴィッド・ギルモア(1946年~)
ギター、ヴォーカル。
右イラスト左から2人目。ケンブリッジ出身。シド・バレットとはケンブリッジ高校で学友。唯一セッション・ミュージシャンの実績がある。
R&Bのコピー・バンド、ジョーカーズ・ワイルドで活動していたが、シド・バレットに作曲に専念してもらうためピンク・フロイドに迎えられた。
ロジャー・ウォーターズ脱退後はバンドのイニシアティブを執った。
リチャード・ライト(1943~2008)
キーボード、ヴォーカル。
右イラスト左端。ロンドン出身。
バンドの初期は主導的立場にあったが、『炎~あなたがここにいてほしい』発表以降、ロジャー・ウォーターズと対立するようになり、1979年、『ザ・ウォール』制作時に解雇され、ツアーではサポート・メンバーとなる。
1987年にバンドに復帰。
余談
- ジョジョの奇妙な冒険第4部「ダイヤモンドは砕けない」では、クレイジー・ダイヤモンド、エコーズなど、ピンク・フロイドの曲名をネタにしたスタンドが登場。