概要
CV:豊口めぐみ
作中時間である2021年10月に、現役警察官・江原明弘による痴漢被害に遭ったOL。30歳。既婚者で旧姓は「鈴木」。夫と息子の3人家族で東池袋のマンションで暮らしている。
池袋から新宿に向かう電車内で、江原にスカートに手を入れられ下着の上からお尻を触られ、新宿駅到着直後に江原の腕を掴むが、江原がホームに降りて逃走したため、彼を追いかけながら大声で痴漢だと名指しし、取り押さえるよう周囲に訴えた。
真相
以下、ネタバレ注意
実は痴漢事件は江原と共謀して行った狂言犯罪であり、その実態は江原による御子柴弘の殺害に関与した共犯者。
※具体的な狂言犯罪の手口に関しては江原明弘の記事を参照。
「本当にそう? 似たようなことをあなたは絶対にやってない? 自分より弱い子に意地悪したことは? みんなと示し合わせて人を無視したことは?……誰だってやってる!」
「私たちはその相手にたまたま飛び降りられて、たまたま隠し撮りされてた! よりによってなんで私がこんな目に……」
全ての発端となったのは本編から13年前のこと。
当時は17歳で黒川学園の生徒。同じく生徒だった澤陽子とは友人関係。
主犯格の川井信也や他の同級生達と共に楠本充のいじめに加担していたが、その結果、楠本はいじめを苦に教室の窓から飛び降り自殺を図る事態となる(その後彼は一命を取り留めるも13年間植物状態に陥る)。
「楠本充の自殺未遂事件」は学校全体を巻き込む騒動となり、事の大きさを痛感。自身の所業を後悔するが、大学進学を控えていた時期だったことで、受験に支障が出ることを恐れた。
しかし、この時主犯格の『川井』と担任教師『喜多方』の2人だけがクラスメイトから責め立てられている状況だったことで、それに便乗し、他の加害者達と共に川井1人(と担任教師)に責任転嫁して事なきを得た。
それから8年後(本編から5年前)。当時25歳。
工業デザイナーを勤める男性・間宮と結婚し、息子を出産。夫と共働きで生計を立てながらも幸せな家庭を築いていた。
そんなある日、突如現れた元教師・喜多方悠こと桑名仁に上記の自分たちが行った楠本充への仕打ちの数々が映っている証拠映像を見せられ、脅迫される。その時点で桑名を強要罪で訴える事もできたのだが、桑名の脅迫が明るみに出れば当然過去のいじめも芋づる式で明るみに出て家族や世間に知れ渡るのは火を見るより明らかである。
脅しに屈した彼女は、桑名がこれから行う「ある計画」に手を貸す羽目になった(同じく責任から逃れた他の加害者たちも全員桑名に脅迫されている)。
その計画はかつて主犯格だった「川井信也」への復讐殺人。
川井の誘拐を指示され、彼女は元同級生たち(他の加害者)と共に、神室町にて川井を無理矢理車に押し込んで拉致。その後川井は彼を憎む人物によって殺害された。
計画は無事成功し、これで自分たちは解放される…と思いきや、今度は桑名の隠し撮りによる「自分たちが川井を拉致している」証拠映像を見せられ、再度脅迫されてしまう。この時自分たちはこの先桑名の「復讐殺人計画」に利用され続けることを思い知らされる。
その後も、桑名が指名した人物を次々と拉致し、計5人もの人間を川井と同様に死に追いやった(5人はいずれも被害者の身内に恨まれているいじめ加害者)。
また、殺害された川井含む6人の遺体は腐敗防止のため、桑名が冷凍室で凍結保存した。
そして5年の歳月が流れ、現在。
復讐殺人に協力する度に、桑名から前金や報酬を受け取っていたため、そこそこ裕福な生活を送っていた(八神達が自宅のマンションを訪れた際、部屋のインテリアは高価な家具で綺麗に彩られている)。
通算7回目の復讐計画(復讐対象は御子柴弘)にも協力し、
前述の御子柴を殺害した江原のアリバイ工作に加担。痴漢の被害者役を引き受ける。江原に変装した桑名と共に痴漢の狂言犯罪を起こし、江原が痴漢の犯人として逮捕されることで、彼にアリバイを成立されることに成功する。
しかし、探偵「八神隆之」が御子柴の事件を調査し始めたことを境に、事態は徐々に泥沼化していく…
未成年だった頃に行なったいじめを一度は有耶無耶し、成人後に社会人として真っ当に生きてきた矢先に過去の罪と秘密に縛られ、かつて自分達が陥れた教師に脅されて犯罪行為に加担させられた人生は、間宮の視点から見れば憐れではある。
結果論であるが、楠本が自殺未遂を起こした時点で間宮を含めた加害者全員が罪を認めていれば、川井以外は多少のお咎めがあっても軽い処分で済んで平穏な日々を手に入れる事は十分に可能であるはずだった。
そもそも、脅され続ける人生に嫌悪感を抱きながらもそれと引き換えに報酬がもらえる立場に安寧し、桑名と再会した時点で裏の世界を避けられるチャンスがあったにも拘わらず逃れようとせず、「将来的なリスク」よりも「目先の保身」を優先しながら自転車操業のごとく罪を隠すために罪を重ねた以上、平穏な日々を失った事は因果応報と言える。
その挙げ句に自分達のいじめで楠本親子を苦しめた事に対しては反省どころか上記の台詞で都合の良い自己弁護に走る体たらくであり、それらの本性を目の当たりにした八神達は窮状を理解こそすれど終始間宮を軽蔑していた。