CV:山根舞
概要
横浜・伊勢佐木異人町近郊にある「私立誠稜高校」の教師で、イジメを受けている香田真美がいる2年2組の担任。30歳。担当は英語。
本編から4年前、いじめにより自殺した誠稜の生徒・江原敏郎と生前相談に乗っており、自殺後に開かれた裁判で、敏郎をいじめていた御子柴弘のことを証言しようとしたが、当時の学年主任に圧力をかけられたことで断念したため、今でもそのことに後悔の念を抱いている。
その後、誠稜の理事長に依頼され、いじめの調査として学校に来ていた主人公・八神隆之に対し、当初はいじめ問題を部外者に任せるべきではないと良く思っていなかったが、八神たちの奇策(教室の天井に小型カメラ、机にスピーカーを取り付け、いじめの現場にいる見て見ぬふりをする他の生徒の後押しをする)により一時的にいじめが解決したことや、かつて敏郎をいじめていた御子柴が腐乱死体で発見されるなどの出来事が重なったことで、次第に敏郎の件や、かつて黒川学園という高校に在籍していた頃、「楠本充」という同級生がいじめにより投身自殺を図り、一命を取り留めたものの今も意識が戻っていないという自身の凄惨な過去を打ち明けるようになる。
関連タグ
LOST JUDGMENT 教師 御子柴弘 八神隆之 楠本充
※以下ネタバレ注意
高校時代、クラスでは充に対して川井信也を筆頭としたクラスメイト達による集団いじめが行なわれており、当時の澤は唯一充を気にかけながらもいじめに正面から立ち向かう勇気が無く、いじめを見過ごしていた当時の担任・喜多方悠(のちの桑名仁)に対して「本当に気付いていないの?」と遠回しに窮状を知らせていた。なお、友人だった間宮由衣もいじめの共犯者だった。
それから程なくして、充が自殺未遂に走った事でいじめが世間で騒がれるようになり、主犯の川井と彼を止められなかった喜多方が全ての責任を押し付けられる形で学校を追われ、間宮を含めた共犯者全員は責任を逃れ、何のお咎めも無く高校生活を過ごしていた。
高校卒業後はしばらく充の見舞いに訪れていたが、その一方で、いじめの共犯者だった間宮とは疎遠になった模様。
教師になることは元々の夢ではあったが、この件以来、使命感のようなものへと変わっていったようである。だが、今度は自分のクラスで江原敏郎がいじめを苦にして自殺する。
その裁判で己の無力さを痛感して途方に暮れていたところを、かつての担任だった桑名と偶然再会して苦悩を打ち明けていたが、それがのちに御子柴が被害者遺族に殺害される要因となり、最終的に自らの破滅を招いてしまう。
本編冒頭で御子柴の死体が発見された後に桑名が事件に関わっている事に薄々気づき始め、それに心を痛めた桑名は澤を遠ざけようと試みていた。
しかし、その時点で相馬和樹率いるRKが桑名を狙っており、澤自身も桑名をおびき寄せるための人質にされた末に口封じとして相馬に殺害された。
抗争に巻き込まれる形で命を落とした澤の死は、八神と桑名の双方に深い傷を残し、また二人がぶつかる大きな軸にもなっていく。
上述にある通り、良心的な教師ではあったものの、4年前に不本意な形でいじめ加害者を手助けしてしまい、その後に至っては香田がいじめを受けている事に気づけず見過ごしかける等、教育者としては少なからず難があった。
とはいえ八神達からはその人柄を評価されており、教師としての正義感はあれど、全てが上手くいくかとは限らない等身大の人間として描かれており、そのような意味では、間宮とは対照的な役回りとも言える。
人物像 | 澤陽子 | 間宮由衣 |
---|---|---|
高校時代 | いじめに対して心を痛めていた | いじめに荷担していた |
卒業後 | いじめ加害者の手助けをさせられて教師の仕事に行き詰まる | 順風満帆な人生を送った矢先に桑名に脅されていじめ加害者狩りに荷担させれる |
八神達との関わり | 人柄を評価される | 終始軽蔑される |
結末 | 何の落ち度も無く命を奪われる | 逮捕されたことは想像に難くないが、決定的な報いを受けないままフェードアウト |