ピクシブ百科事典は2023年6月13日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

奇書の編集履歴

2021-08-18 09:21:54 バージョン

奇書

きしょ

卓越した書物のこと、転じて奇怪な内容の書籍のこと。

概要

 奇書というワードは、少なくとも日本国内においては以下の意味に大別される。


1.世に稀なほど卓越した書物のこと。ことに名作小説を指す。

2.1が転じて、よほどの読書家でなければ読解が不可能なほど内容が難解かつ理解不能な書籍。


 大本は、清朝前期の書店が販促用につけたキャッチフレーズであったものが、日本にこの概念が持ち込まれた後に字面が奇怪奇妙奇抜にも通じてしまうことから国内においてはこちらの意味に取って代わって用いられるようになった。


 現在においてもこの概念の適用範囲は拡大し続けていて、中にはヴォイニッチ手稿などのようにそもそも全文暗号で綴られていて解読不可能な、ともすれば小説ですらない一品でも奇書として紹介されることもある。


中国四大奇書

 1の元ネタ。四代名著とも。成立は1600年代以降か。



日本探偵小説三大奇書

 2の概念が広まったすべての元凶。

 煽り文のテンプレは「普通のミステリーに飽きてしまった人にお勧め



 3作に共通しているのは、どれも推理小説の体裁をとりながらも、文章世界観も奇怪&精神医学や神秘思想などのあきらかにミステリー関係ない要素が目白押し…といった具合で並の読書家でも読破には根気と知識が必要なレベル。『ドグラ・マグラ』に至っては「読んだら発狂する」と称されるほど。

 こうしたことからアンチミステリーの先駆けともいわれる。


 作家竹本健治らの証言によると、竹本自身の作品である『匣の中の失楽』が小説雑誌「幻影城」において、当時の編集長島崎博が同作が1977年~1978年まで連載された際に上記3作と『石の血脈』(半村良)に匹敵する大作であると予告宣伝し、終了後に単行本化された際の「幻影城」1978年10月号にて評論家の二上洋一がこの三作をまとめて「三大奇書」と称し、『匣の中の失楽』を「第四の奇書」と言ったことに由来する、という説が有力とされている。(ソース なお諸説あり)


 こうしたことから、「三大奇書」という概念は『匣の中の失楽』という奇作への評価を前提としたものである趣旨が強いものの、同作を加えたうえで日本四大奇書と評されることも珍しくはない。

(少なくとも台湾では島崎の働きかけでこの名称・括りで紹介されている)

 これら4作が後世に与えた影響は大きく、舞城王太郎の『ディスコ探偵水曜日』や古野まほろの『天帝のはしたなき果実』などのように第五の奇書を標榜する書籍が多数みられる。

 …妙にメフィスト賞系率が高いのは気のせいであろう。


その他の奇書

 前述のように「奇書」とは日本と中国独自のワードだが、近年ではYouTube等の動画サイトなどでは有志によって特に2の解釈での海外の異端文学謎本怪文書が紹介されている。


奇書とされる文書ほか



他多数


 中でも

の3つを指して「生物学三大奇書」と呼ばれることがある。


関連タグ

書籍 小説

読む人を選ぶ

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました