解説
人類滅亡後(二十世紀初頭辺り)、5000万年経った地球に生息する動物達の生態を描く、架空動物の図鑑の体裁をとる。
5000万年経っている訳だから大陸も盛大に移動・変型しており、人類という強力な淘汰圧を生き延びた動物達が適応放散し、生態的地位に応じて進化する様は強烈な印象を残す。
メイン画像のイラストは同著に登場し、ダイヤモンド社版では表紙も飾った「ナイトストーカー」。出来たばかりの火山島に最初にたどり着いた陸生脊椎動物がもし鳥ではなく翼手目だったらという想像の下に生み出された、陸生捕食動物である。(※脚に見えるのは元は翼で、鉤爪が生えているのが後ろ足に当たる。腕で歩き、脚で獲物を捕まえるのだ!)
他にも
・絶滅したクジラに取って代わった巨大ペンギン「ヴォーテックス」、
・オオカミ並に巨大化して集団で獲物を襲うネズミの末裔「プレデターラット」
・熱帯雨林の減少で肉食性へと移行しライオンのような捕食者に君臨したゴリラの子孫「ホレーン」
など、よくこれだけ考えたといいたくなるような未来生物が多数。
みんなのうたでアニメーションと共に放映されたので、覚えているユーザーもいることだろう。
なお、著者は他にも滅ばずに進化した恐竜の図鑑"新恐竜"、「折角なので人類も進化させてみた」"マンアフターマン"、「5000万年? 今度は500万年後、1億年後、2億年後までやってやるぜ」"フューチャー・イズ・ワイルド"など、架空戦記ならぬ架空進化ジャンルで独走中である。
余談
実はみんなのうたにて本著を元に曲が作成されていた。歌っていたのはONEPIECEのナミ等で有名な岡村明美氏。
但し、著作権に当たるためか現在オリジナルの動画はYoutube等では削除されている。
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参考:類似した書籍
- 未来の奇妙な動物大図鑑(2015年 宝島社)
- 驚異の未来生物 人類が消えた1000万年後の世界(2017年 創元社)
- ‟もしも″絶滅した生物が進化し続けたなら ifの地球生命史(Graphic voyage)(2021年 技術評論社)