概要
古谷三敏が週刊少年サンデー1970年43号から1982年30号にかけて連載していたギャグ漫画。
何をやらせてもダメな中年男・雨野ダメ助、通称『ダメおやじ』が妻のオニババこと冬子、息子のタコ坊、そして娘の雪子に虐待されまくると言う、父権の低下する時代をある意味で先取りした過激なギャグ漫画であった。
連載10年目を迎える頃には現実社会で家庭内暴力が問題化するようになり、ダメおやじが山小屋の管理人になるが挫折、大会社の社長に抜擢されて成功、「ユートピアの実現」を任され『ユートピアとは何か?』を考えて放浪の末、山村でスナックを営むという展開の末大団円を迎えるなど、後年の古谷が得意とする薀蓄漫画の原型ともいうべき作風に変化した(『BARレモン・ハート』のマスターやメガネさんも登場)。
赤塚不二夫は『徹子の部屋』などで、連載が始まった当初、古谷はフジオ・プロダクションのメインのネタ出しスタッフで、古谷をアイデア会議に出席させるため赤塚が代筆していたが、人気が出たのは古谷が本格的に描くようになって以降と語っている。
連載4年目で古谷が独立し、赤塚がネタ出しに関与しなくなったことも、後の薀蓄漫画への転換のきっかけになったと考えられる。
なお、古谷自身は、「奥さんと子供が父親をいじめる作品、受け入れられるのかなあ」と不安になっていたそうだが、それに対し赤塚は「どうせやるんなら徹底的にやっちまえ!!」とけしかけた、とのこと。
テレビアニメ
1974年4月2日から10月9日まで東京12チャンネル(現・テレビ東京)でアニメが放送された。また、ほぼ同時期に中京テレビ(日本テレビ系列局だが、テレビ愛知が開局するまでは東京12チャンネルと結構仲が良かった)と朝日放送(放送当時TBS系列局)でも放送されている。また、東京12チャンネルと時期は異なるが北海道放送(TBS系列局)や福島中央テレビや静岡第一テレビ(いずれも日本テレビ系列局)や石川テレビ(フジテレビ系列局)でも、東京12チャンネルとの時期の差違は不明だが山陰放送(TBS系列局)でも放送されたことがある。
なお、東京12チャンネル史上、初めて放送された日本製テレビアニメ作品でもある。
実写映画
1973年11月に松竹系の映画館で上映された。出演は(初代)三波伸介、倍賞美津子ほか。
主人公の名前は雨野大助に変更されている。