特徴
本田技研工業株式会社(ホンダ)のサッカーチームである。正式名称は本田技研工業フットボールクラブ(旧名称は本田技研工業サッカー部)。英名だとHonda FOOTBALL CLUB、それを略したHonda FCを呼称としているが、正式名称よりも呼称のほうが国内外のサッカーファンに対しては浸透している。なお、メディアからはカタカナ表記の「ホンダFC」で表記されることがあり、「Honda FC」で表記するメディアはスカパー!など僅かしかない。
東京を拠点とするホンダ本社のサッカーチームという位置づけでもあるが、ホームタウンはトランスミッション製造部(旧・浜松製作所)がある静岡県浜松市である。これは、かつて存在したトランスミッション製造部側の同好会チームを母体としているためであり(※2012年まで存続していた)、チーム初年度のメンバー構成も前年までその同好会チームに在籍した選手も何人か居た。
チーム運営を担う事務局は浜松市中区のトランスミッション製造部内に設置されているが、任意団体なので法人化されていない。
ホームスタジアム
浜松市北区あるHonda都田サッカー場である("なんで中区に作らなかったの?"とか言ってはいけない)。練習場も兼ねているサッカー専用スタジアムであり、Jリーグ在籍チームも含めた数少ない日本国内の全国リーグ在籍チームの所有となっているサッカー専用スタジアムの1つである。
ゴール裏の席がないことでも有名で、収容人数はJFLが推奨する収容人数5000人に満たない2506人。バックスタンドが仮設だった頃は4000人であった。
マスコット
名前はパッサーロ。モチーフは燕。浜松市の前の市鳥として指定されていた。ディープなサッカーファンからは名古屋グランパスのグランパスくんと並んで『師匠』と呼ばれていることで有名。『師匠』と呼ばれるマスコットとしてはグランパスくんのほうが有名すぎるという話なだけなので、パッサーロが師匠と呼ばれることに「グランパスくんのパクリだ」とか安易に言ってはいけない、お兄さん・お姉さんとの約束だ。
また、日本サッカー界のマスコットで唯一担当声優が存在し(やってる人については非公表)、実際にスタジアムでパフォーマンスの扱いで試合前・ハーフタイム・試合後に喋ってる。
日本サッカー界での立ち位置
歴史的な背景から色々有って、もうプロ化&Jリーグ参入は目指していないので、現在はJFL&天皇杯本選の国内2冠を達成することが毎シーズンの目標となっている。
なお、周囲からは『門番』『日本アマチュアサッカー界最強チーム』と讃えられ、一目置かれている。前者については親記事の方を参照のこと。後者は「J1レベルはある」だの「少なくともJ2レベルはある」だのと言われているほどの高い実力を誇る為。2021年では天皇杯2回戦にてJ1で当時3位に付けていた横浜F・マリノスを相手にプロ契約選手無しの状態で競り勝って2年振りにJ1チームから勝利を獲る形になるなどして話題になった。しかし、同年天皇杯3回戦では一転して、かつてのライバルでもあるJ2のジュビロ磐田に大敗したため、調子の波の激しさが欠点とも言える。
下部組織
全国リーグ在籍の実業団チームで唯一自前で所有している。U-15やU-12は成績がよいが、U-18は比較的そうでもない。そういうこともあってか、大人の事情と重なってU-18がよく経費削減の標的にされており、2023年度を以って2度目の廃止を予定していることが関係者によって暴露されている(本当にそのまま廃止の方向に持っていくのかは不透明ではあるが)。
誤解されるといけないので、U-18からトップチームへの昇格者は過去に何人か居り、2021年現在もU-18からトップチームへ昇格して在籍している選手が2名居るので、一定の役割はちゃんと果たしていることは明記しておく。
ダービーマッチ
JFLにおける静岡ダービー、ジュビロ磐田との天皇杯本選における『天竜川決戦』が主である。
前者は特に藤枝MYFCやアスルクラロ沼津の対戦でよく目立った。この2チームとはその後、現在まで続く天皇杯静岡県予選で本選出場権をよく争う仲となっている。
後者は旧JSLこと日本サッカーリーグ時代でのダービーマッチが由来であり、本田技研工業サッカー部が旧JFL初年度で1部から2部に降格したことと、逆に残留したヤマハ発動機サッカー部が翌年度ジュビロ磐田としてプロ化しJリーグへ昇格したことにより、以降は天皇杯でしか実現しなくなった。天皇杯において対磐田戦は2戦2敗である。
この他、宮城県多賀城市をホームタウンとするソニー仙台FCとの対戦は、状況によるが、互いに旧JFLことジャパンフットボールリーグ在籍経験有りのチームであることを踏まえて『JFLクラシック』というダービーマッチに発展することがある。
別名・表記ゆれ
- ホンダFC
関連タグ
- 本田技研工業
- 親会社。ちなみにHonda FCを所有し続ける理由として「元々"社員が一緒に応援できるコンテンツを持ちたい"という理念に基づいている(要約)」と同社広報部が雑誌『サッカー批評』のインタビューにて回答している。
- ジュビロ磐田
- 歴史的な縁のあるチームその1。詳細は前項を参照。
- 鹿島アントラーズ
- 歴史的な縁のあるチームその2。住友金属工業蹴球団から鹿島アントラーズとしてプロ化した際、プロ化を断念した本田技研工業サッカー部から主力含む7名が移籍したことに因む。鹿島アントラーズ公式サイトに掲載されている『鹿島アントラーズ誕生物語』に明記されている話でもある。ちなみにHondaの対鹿島戦は4戦4敗である。
- サガン鳥栖
- 歴史的な縁のあるチームその3。前々身であるPJMフューチャーズ時代の黎明期は本田技研工業サッカー部のOBでチームを構成していた。ちなみにこの件はコッソリやっていたので、本田技研工業にバレた際は社内問題になった。