概要
錦えもんら赤鞘九人男の主君である光月おでんの実父であり、現在、錦えもんたちが立てるモモの助やその妹・日和の祖父にあたる人物。
生まれてから現在に至るまで数々の問題行動を起こした息子・おでんを持て余し、そんな彼が18歳になった頃、首都「花の都」で起こした“山の神事件”を機に絶縁と、都への出入り禁止を言い渡した。しかしその2年後、当時自身も手つかずに放置していた「九里(くり)」を郷として復興させたおでんの功績を認め、弱冠20歳の息子をかの地の「大名」に任命すると共に絶縁を解いた。
30年前、自身が病に伏した際に見舞いに現れたおでんと久方ぶりの家族水入らずの談話を楽しんだが、同年に彼は漂着した白ひげ海賊団の船に無理やりついていき外界へと旅立ってしまい、これが最後の対面となってしまう。
数年後、息子が国に帰るまでの間、彼が「弟分」として紹介し将軍家に招き入れた黒炭オロチを“将軍代理”に指名し、間もなく病没したという。
人物
赤い鼻と下睫毛が印象的な中年男性で、髪は総髪の茶筅髷でスネ夫のような前髪を伸ばし、王冠型の顎髭と針のような2本の口髭を生やしている。息子のおでんにも似た屈強な体格の大男だが、その表情は気怠げで、息子のような血気盛んな様相はみられない。
ワノ国で代々将軍職に就いていた光月家の後継者として自身も国政に勤しんでいたようだが、実際のところ彼の時代のワノ国は、オロチ、傳ジロー、イゾウ、菊の丞、河松と、登場した人物だけでも少年期は孤児として極貧の生活を送ったキャラクターが数多く存在し、尚且つ、国内でも無法者の温床として危険視されていた九里の放置、さらには稀代の問題児で、ときには甚大な被害を生んでいた自身の息子も制御できず、ついには都追放令を理由に遠ざけているため、こうした問題への対処を疎かにしていた感は否めず、政治家としては今ひとつな印象を受ける。
しかし一方で、光月家に代々伝わる一子相伝の「古代文字の読み書き」や「“壊れない書物”を加工する石工技術」をおでんがしっかりと継承していることなどから、一族や国の文化の継承には貢献していたともとれる部分もある。こうした面から些か判断材料に欠けるが、良くも悪くも「数百年続くワノ国の文化や思想に忠実な人物」であったと推察される。
一人息子(嫡男)であるおでんとは、当初こそ父子の関係を絶って遠ざけはしたものの、これは親獅子の気持ちからくる「愛のムチ」によるものとも言え、彼が九里を復興させた後は直様関係を修復し、以降は再び父子として良好な関係を続けていた。病床の自身を見舞いに現れたおでんが立派な家臣団を連れて現れた際、このことをおでんから「自分は何もしておらず、彼らが勝手に立派になってくれた」「そのおかげで今の自分がある」と発言され「息子がマトモなこと言ってる!!」と驚愕と喜びを顕にしており、最後の対面となったその後の談話も、共に笑みをほころばせながら和やかな父子の会話を楽しんでいた。
関連タグ
光月おでん:息子。
以下、本編のネタバレ注意!!
かつてスキヤキの誕生前、その父の代である将軍家は男児が生まれず後継者問題に揺れ、臣下である各大名家の中から次期将軍を選出する案が挙げられていた。当時、大名の一人だったオロチの祖父は、自身の家を将軍家にのし上げようと策謀し、他家の候補者を次々に毒殺していった。しかし、このタイミングで将軍家にとうとう待望の男児・スキヤキが誕生してしまい国盗り計画は気泡と消え、さらにはこれまでの暗殺の所業が明るみとなり、黒炭家は大名の地位を追われ、主犯である祖父も処刑されることになる。その後に誕生したオロチとその家族は、祖父の処刑だけでは飽き足らず、その遺族である彼らも罰しようと私刑に走る民衆の脅威に晒され、眠ることにも怯える日々を送ることになった。
オロチは“罪人の子孫すら許さぬワノ国そのもの”への激しい憎悪から、自身と同じ姓を名乗る謎の老婆(後の後見人)・黒炭ひぐらしの掲げる国盗り計画に加担し、彼女の持つマネマネの実の能力を駆使し、おでんの姿に化けた彼女の紹介で「おでんの弟分」として将軍家に潜入。さらには、スキヤキに化けたひぐらしに大名たちの前で自身を「おでんが帰国するまでの将軍代理」に指定させた。
このことから、少なからずおでんがスキヤキと謁見した30年前より以降の期間から既にスキヤキとひぐらしは入れ替わっていたことになる。
ただ、スキヤキ自身の明確な最期は2020年2月時点まで描かれていないことから、もしかしたら立場を追われはしたが存命である可能性も捨てきれない(本作では、明確な死亡描写のないキャラクターが生きていたというケースが多い)。尤も、スキヤキや光月家に深い私怨を抱くオロチたちや、そのバックに付き、人身売買などにも手を広げるカイドウ一味の手前、仮に生きていたとしても決して平穏な余生は過ごせてはいないと思われる。