ゴーハ・ユウオウ
ごーはゆうおう
CV/山下大輝
人物
ゴーハ兄弟の四男。(声優コメントでは五男となっていたが、公式から四男だと明言されている。)
「人形遣い」の異名を持ち、人形で悪趣味な遊びをしたり人形やショーに因んだ言い回しをする。
普段はおとなしく優雅な振る舞いをしているが、自分以外を見下す腹黒い一面も持つ。
スーパーラッシュロボをめぐる対決の中で自身の計画を裏で進めており、兄弟達のことも厳しい社長解任の条件や裏では呼び捨てにする、負けてくれた方が都合がいい様子を見せているなど、今作では珍しいタイプの悪役である。
兄弟達も彼の言動や悪巧みに対してはよく思ってはいない。
ただあまりにも突拍子もない出来事に対し、至極真っ当な指摘を入れることが多々あるため、良くも悪くも変人が多い本作において、悪役でありながら常識人という奇妙な立場になっている。
作中における悪辣な言動や態度は「自分こそがゴーハの全てを手に入れるべき存在」という自尊心からくるものであり、ゴーハの権威に刃向かうラッシュデュエルやそれらを支持する存在、同じ権威を持つ兄弟達を排除し、頂点に君臨ために今回の勝負を持ちかけたのである。
また自分の想定を超える出来事や人物に弱く、打ち負かしたはずの遊我が全く動じていなかったどころか、未知のシステムに興味を示していたことに酷く激昂していた。
ただ全く対応力がない訳ではなく、未知の力で自らを負かした実力者を敢えて自陣に引き込み戦力とするなど策略家としての技量にも長けており、非常に厄介な敵として遊我達に立ちはだかる。
社長ドローンを「ドール」と呼んでおり、彼の謀略を推し進める優秀な部下として行動をともにしている。
活躍
虐展劇〈フュージョン〉
遊我達の前に姿を現し、遊我にラッシュデュエルを申し込む。
ヴァストヴァルカンの攻撃を封じていた中、ラッシュデュエルロボの右腕が取れるというトラブルがあった。(右腕はマキシマムのデータが保管されている部位であり、破損はマキシマムの消滅を意味する。)
しかし、ラッシュデュエルロボが自らの意思で右腕をくっつけて、ヴァストヴァルカンが消えずにすんだ。ロボが意思を持って行動する姿に流石のユウオウも驚きを隠せなかったが…。
「ピンチに陥った後、鮮やかに逆転。筋書き通りによく踊ってくれたよ。王道遊我君。」
魔法カード『フュージョン』でフュージョン召喚でメタリオン・アシュラスターを出し、アシュラスターの効果でヴァストヴァルカンの攻撃力を加え、遊我は敗北した。
想定外の力を見せつけられ、困惑と絶望感を隠しきれない彼に対し、ユウオウはフュージョンの言葉を告げ続けた…
フュージョン召喚とそのカード自体は以前からあったもののようだが、元ゴーハ幹部の安立ミミや現幹部の1人である西園寺ネイルでさえその存在を把握できていなかったようである。
それもそのはずで、ユウオウ自身もゴーハ宇宙小学校に衝突したデブリに存在していたフュージョン関連のカードを入手・解析していたにすぎず、誰が作ったものなのかまでは把握していなかった。
逆転劇〈プライド〉
フュージョンで圧倒したデュエルの後、フュージョンの秘密を知りに自分の元に来たが、何も知る事が出来なかった遊我に対し「自分に負けて情報も得られなくて絶望している」と思い込み、これでもかと煽り立てた。
しかし遊我は眠れなくなるぐらい気になってたフュージョンのその未知性にワクワクしつつ、ユウオウから「わからない」事を知った事でスッキリしてどっと疲れが来たのか、ユウオウの目の前で爆睡してしまった。
それによって遊我が自分に負けた事を気にするどころか自分の事など意に介しておらず、そんな事も知らずに煽り立てていた自分が滑稽なピエロだと思い知らされた事で、ユウオウのプライドは完膚なきまでズタズタになった。
「お前みたいな身の程知らずのクズ虫はこの世界の秩序にとってまさに害ッ!毒ッ!汚物ゥーッ!」
「鉄の繭に閉じ込めて星屑の海へ葬り去らなきゃねェーッ!!!」
怒りのままに遊我一行を宇宙の果てに追放しようとするが、カイゾーが助っ人として呼んできた上城大華に(物理的に)阻まれてしまい、ユウロによって遊我達に逃げられてしまう。
その後、人形が散らかってる部屋の中で、フュージョンがある自分が依然として優位と自身に言い聞かせるのだった。
虐展劇〈独占〉
ハッキングしたユウランのドローンを通して兄弟達が自分の野望を阻止しようと動き出していることを把握し、遊我達を本格的に潰そうとしたが、突如として現れたザ☆ルークメンとのデュエルで敗北、ユウラン達に社長辞任を要求される。
しかし行方不明の6人目の社長バッジを有していたことで自分の権限はまだ残っている上、彼らの行動は社長に対する背反行為だと切り返し、逆にユウランから権限を剥奪するという暴挙に出る。
こうしてユウオウは社長の座を我が物にしたのだった。
更にラッシュデュエルで負けなしのルークを社長としてスカウト。
単純で調子に乗りやすいルークはあっさり承諾し、6人目の社長として入ることになる。
後の発言から6人目というのはデタラメであり、ルークメンの強さを手中に収めることが目的だと判明している。
現時点で無敗の最強の手駒を手にした事で、自らの優位はより盤石なものとした。
しかしフュージョンの存在から浮かび上がる何者かの影を拭いきれない上、貴重な戦力であるネイルが離脱してしまうなど万全とは言い切れない状況である。
逆転劇〈奈落の道化〉
ただでさえルークに振り回されていたユウオウにザ☆ルークメンを制御出来る筈も無く、その出自や意味不明な行動の数々、そしてそれに対する遊我達の行動にただただ驚き困惑するばかりであり、一連の首謀者であるはずが全くの蚊帳の外になっているという奇妙な立ち位置になってしまっている。
しかも本人達はいたって真剣な為、展開に付いて来れないユウオウは、舞台の外でヤジを飛ばすぐらいしか出来なくなっていた。
「おぉい!!何をやっているーーーゥッ!!」
デュエル時に追い込まれた遊我に同じく予想外の連続に付いて来れなくなって追い込まれて余裕がなくなり罵倒を繰り返すものの、これまた予想外の展開で打開し、ついにザ☆ルークメンを打ち負かしてしまう。
予測不能の怒涛の超展開に自身の処理能力が限界を来たし、精神的に疲れ果ててしまった。
「流れ星が降って来てデッキに入るだとぉ…?そんな確率…どんな確率だよぉ……」
悪あがきと言わんばかりにラッシュデュエルロボを直接破壊しようとするが、直後に帰ってきたカイゾーがロクロスに保管されていたプリマギターナカレーに衝突。
溢れ出るカレーに異常を来したロクロスが墜落して完全に追い詰められ、ラッシュデュエルロボのギプスを解除せざるを得なくなった。
しかも遊我の計らいで地位こそ失わずに済んだものの、6兄弟は復権となり、王道遊我という今にして思えば不安要素の塊みたいな存在がゴーハの一員となってしまった。
しかも流星群によってあちこちにフュージョンが落ちて来た事で自身のアドバンテージが崩れ去った。
こうして運よく強大な力を以て手に入れた王座に胡坐をかいていた哀れなピエロは、予想外の展開に精神が疲弊し、見下していた連中に追い込まれた上に情けをかけられ、独占の計画は完全にご破産となってしまった。
遊我が社員になることを提案したことで彼への評価を改めつつ新たな計画を進めているが、この後ユウオウに待ち受けるのは更なる混沌であり、その事を彼はまだ知らない。
使用デッキ
人形と劇場を掛けたカードを主体としたデッキを使う。
切り札は逆転の女神の進化体である大逆転の女神……ではない。
寧ろ自分の思い通りに事を運ぶのを好むユウオウからすれば、逆転とは不安要素でしかない。
真のエースはラッシュデュエルにおける融合召喚である『フュージョン召喚』で喚び出す新種族モンスターのサイボーグ族。
メタリオン・アシュラスターは伏せカードの破壊か相手フィールドの戦士族モンスターの攻撃力分パワーアップのどちらかを使う選択効果持つ。
他にも対ドラゴン族の切り札であるメタリオン・ヴリトラスターなど相手に応じてもっとも有効なフュージョンモンスターで文字通りメタを張り捩じ伏せる戦術をとっており、大逆転の女神は相手の戦術を引き出す前座扱いとなっている。
この戦法はフュージョンを持ってない相手とのデュエルを前提としており、自分以外のフュージョン使いとのデュエルを全く想定していない。
余談
人形デッキを使うシリーズはこれまでもあったが、劇団も合わせてモチーフにされており、更に融合をモチーフにした新たなカードを使うところや、両端にモンスターを出してからその間の空きに特殊召喚をする動作から、ユウオウの過去作オマージュはアニメ『遊戯王ARC-V』と思われる。
また、メタリオン・ヴリトラスターやメタリオン・アシュラスターという風にインド神話に関係する名前を含むモンスターを使うことから、『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』に登場する藍神もオマージュ元の一つかもしれない。