概要
ひなたみず氏によって2016年のお正月より行われている恒例行事。
タグ名のまんまで内容は艦隊これくしょんの鈴谷が提督からお年玉を貰ったり、逆に鈴谷から年少者へとお年玉をあげたりなどの鈴谷とお年玉が関わる話となっている。
……のだが、うん。決して微笑ましい内容で終わらないのが何とも言えない魅力となっている。
なお、お年玉という季節限定の行事であるが故にその更新頻度は当然ながら一年に一回あるかどうかである。
各年の行事
2016年。すべてはここから始まった。
鈴谷が提督におねだりをして、提督が鈴谷にお年玉(3万円)を渡す。
ただそれだけのことなのにお年玉を入れるお年玉袋が無いというだけでここまでイメージが変わるというのも何とも言えない。(※1)
2017年。
熊野が提督からお年玉を貰ったと嬉しそうに鈴谷へ報告に来る。お年玉袋の中身は3000円であり、それに大喜びする熊野と自分が受け取ったお年玉の金額(本年分は不明だが、去年は上述通り3万円)との差異に疑問を抱いたのか表情を曇らせている。
2018年。
鎮守府内の艦娘の人数が多くなりすぎたからなのか今年はお年玉が振り込みになったことが他の姉妹達によって語られる。鈴谷も自身に振り込まれた提督からのお年玉の金額を確認するが、その金額に思うところがあるのか税金がかかるのかどうかを熊野に尋ねる。(※2)
2019年。
鈴谷が第六駆逐隊の面々にお年玉を渡している様子が描かれているが、お姉さんではなくお母さんでもなく「セレブ妻」と言われるほどに「提督からいっぱいお金を貰っている」という認識が鎮守府内では子供枠であろう第六駆逐隊にすらあるという事実を思い知ることに。
2020年。
見た目としても、元となった艦歴からしても鈴谷よりも年少者である択捉から鈴谷がお年玉を貰う様子が描かれている。
鈴谷自身も択捉からお年玉を貰うのはおかしいと言いつつも断り切れなかったのか自室でそのお年玉袋の中身を確認すると、その中身は3万円。
本タグシリーズの最初の話と同じ金額であることに色々と思うところがあるのか、暗い表情で「おかしい」と一言つぶやいていた。
2021年。
増えすぎた艦娘達を相手に、去年度の戦歴や戦闘以外での活躍、また鎮守府での在籍期間などを考慮すると公正かつ公平にお年玉の金額を決めきれなかった提督の苦肉の策なのか、ガチャ形式のお年玉を導入した鎮守府。
どこぞのテレビ番組のお便りコーナーで送られてきた手紙を入れた透明な箱よろしくな入れ方で持ってこられたお年玉にどきどきわくわくを隠しきれない艦娘達と共に「最高レア引くぞぉー!」と意気揚々としていた鈴谷ではあったが、直後に鈴谷「のみ」のガチャとして小さい「封筒」と大きい「書類入れ(厚い)」の二択が用意されていたことを大淀より知らされる。
何も知らないのか羨む言葉を向けてくる利根、素直に応援する熊野とは対照的に、いろいろと察してしまったのであろう鈴谷の笑顔は真顔へと変わっていった。
本編とは関係が無い余談だとは思われるが、現実世界には「小切手」(※3)と「権利書」(※4)というものが存在する。
2022年。
突然現れたアイオワに背後からもたれかかられつつ、いきなり懐にドル札(※5)3枚を差し込まれながら、なにか度々提督以外の男と面会している件についてを問い質されている。なお税理士となにかの営業に来た人らしいが後者は詳細不明。一緒に現れたガンビア・ベイは驚いたような不安そうな顔で聞き返している。なお前年にどちらかを選ばされた「小さい封筒」と「書類入れ」は今年はどちらも手に持っている(※6)。ちなみにアイオワは進水日基準だと択捉と1つしか違わない(※7)。
注釈
※1:お年玉袋に入れないで現金を、見た目JKな鈴谷に渡すというだけでどこか犯罪臭を感じさせるものであるが、しかも金額が金額故に余計にそれを連想させる。
なお、お年玉袋は「ポチ袋」とも呼ばれることがあり、この「ポチ」は関西の方言で「祝儀」等を意味するので祝儀袋という意味の他、「これっぽち」という意味を込めて「少なくて申し訳ありませんが」という謙虚の気持ちを込めた意味合いも持つ呼び方である。
※2:日本において、お年玉はその金額次第によっては贈与税がかかる。具体的には110万円以上のお年玉で贈与税がかかる。計算方法としては
贈与税={(貰った金額)-(基礎控除額の110万円)}x10%であり、例えば120万円のお年玉では1万円の税金が発生する。
※3:「小切手」は非常に薄い紙一枚で、現金を持ち歩くことなく大金の受け渡しを行うことができるというメリットがあるが、その反面受け取り側も銀行に行く手間などがかかるデメリットがあるものの日本内外を問わず利用されている便利なシステムである。
※4:「権利書」は、正式には「登記済権利証」と呼ばれるそれはその書類に明記されている土地や家等、不動産に関するそれらを売買や相続などにより新規で取得し、登記を済ませた人に対して、法務局から交付される書類である。すなわち「権利書を持っている人=その不動産を所有している人物」という認識で問題なく、悪用されないために所有する本人相手ですら紛失時に再発行が認められないという極めて重要な書類である。
ちなみに日本において、「権利書」は2004年以降システムが大きく変わっている。以前のような書類の束ではなく、現在は12桁のパスワードのような「登記識別情報」というものを発行、交付されており、これにて不動産の権利関係が管理されている。
※5:柄と色合いからすると現行紙幣では1ドル札・2ドル札・20ドル札っぽいのだが、現在の¥/$レートからしてその程度で鈴谷がゲロるはずないので自動的に100ドル札と思われる。表面の肖像は大統領経験者ではないが優秀な科学者であり政治家でもあったベンジャミン・フランクリン、裏面の絵柄はアメリカ合衆国独立記念館(フランクリンの出身地でもあるペンシルバニア州フィラデルフィアにある)。
※6:旧軍時代とは価値観が違いすぎるため厳密なすり合わせができないが、海上自衛隊では他国に「Admiral」で通じる海将(陸/空は「General」)になった時点で基本給だけで年収1000万円を軽く超える。海自だと航海に出ていればそれだけで1日数千円の航海手当がつくので実際の手取りはかなり高い(逆に陸・空は損をしがちで、基本給は海と同じなのだが有事でもない限り特別な手当てはつかないし、空自だと飛行すれば手当が出るのだが空将という立場になるともう自ら操縦桿を握る立場ではない)。
※7:択捉は終戦時残存艦、しかもほぼ無傷。