この記事には『暁月のフィナーレ』のネタバレがあるため注意!!
概要
「暁月のフィナーレ」終盤で訪れるエリア。
収集し続けた滅びの記憶によって「終焉を謳うもの」となったメーティオンが姉妹と共に構築した「絶望の巣」であり、ゾディアークの加護を失ったアーテリスに「終末の厄災」をもたらし続ける原因。
ハイデリンなりしヴェーネスによって遺された追跡魔法の座標をレポリット達が解析し、月よりもはるかに遠い宇宙の果てに存在している事が判明する。
既知領域の彼方、「最果ての地」を意味する言葉であり、シャーレアンの哲学者議会が命名した。
マザークリスタルを動力となした魔導船ラグナロクが辿り着いたその宙域は、空気も大地も存在せず、生命がある事自体を拒絶する空間であった。
一行が死に瀕する中、サンクレッドの必死の抵抗により、辛うじて生命活動が可能な環境が生まれる。
戸惑いながらもラグナロクから降り立った一行が見たのは、かつて滅び、壊れ、死んでいった星々の残骸と、そこに刻まれた「死者の記憶」から再生された者達が絶望に沈む世界だった。
エリア
ギリシャ語で「文字が刻まれた陶器片」を意味する「オストラコン」と呼ばれるエリアは、大きく分けて4つ存在する。
オストラコン・デカオクト
最初に降り立ったエリア。デカオクトは「18番目」を意味する。
ミドガルズオルムの故郷である「竜星」の成れの果てであり、変質したドラゴン族がエーテライト「リア・ターラ」によすがを求めて蹲っている。
かつては卵の孵化地もあったが、機械文明の侵略兵器の影響によってほとんどの卵は腐り、かろうじて生まれた子竜も汚染されて正気を失っていた。これに絶望し、狂気に落ちた個体も存在する。
オストラコン・トゥリア
エスティニアンによって新たに生まれた「風」に乗り、二番目にたどり着くエリア。トゥリアは「3番目」を意味する。
エーテル生命体・イーアが生息しており、肉体を放棄して限界を突破し、永遠の思索を繰り返した。その結果「宇宙の熱的死」を理解して「全ての存在は必ず滅び、回避方法は存在しない」という解に到達。あえて肉体を再生して消滅=死を選ぶという行動を選ぶに至った。
オストラコン・デカークシ
ヤ・シュトラとウリエンジェによって開かれた「門」をたどり、三番目にたどり着くエリア。デカークシは「16番目」を意味する。
オメガの故郷である惑星「アルファトロン」(人間に理解できる言葉に翻訳した単語)の成れの果て。際限のない侵略戦争を繰り返した結果、戦略を担当する頭脳「マスター」こと「スティグマ・ワン」が自己矛盾に陥り、戦闘行為の永久的凍結を決定。大半の機械兵器が待機状態に入ったまま滅びてしまった。
オストラコン・エーナ
グ・ラハ・ティアによって作られた水晶の「道」を通り、最後にたどり着くエリア。エーナは「1番目」を意味する。
「命なき街」と呼ばれる廃墟のみが残り、生命の類は一切存在しない。
「終わってしまった世界」に対して次の道を開く為に次々と暁の賢人が消滅し、遂にはアルフィノとアリゼーも消えてしまう。取り残され、「終焉を歩むもの(Endwalker)」となった光の戦士は、重い足取りでただ一人天の高みを目指す。
冷え固まり、黒く染まった太陽の死骸の下、他に何処にも行く事の叶わない「終焉の地」へと……
最終幻想レムナント
「暁月のフィナーレ」メインクエストの掉尾を飾るラストID。
「終焉の地」にて光の戦士が召喚したヒュトロダエウスとエメトセルクの創造魔法により、「エルピスの花」が無数に開花。これにより「絶望だけが存在する宙域」そのものが無効化される。
肉体を失いながら抵抗を続けていた暁の賢人達が再び実体化し、追い詰められたメーティオンはそれまで蓄積されてきた終焉の記憶を再現した世界へと逃げ込み、光の戦士達はこれを追う。
ここでも3つのエリアに分かれ、メーティオンの姉妹が見分した滅亡の「残骸(レムナント)」が明らかとなる。
6番目の終焉
「その星は、病に侵されていた……」
赤黒い腐肉と腐汁に覆われ、腐敗した世界の記憶。
かつては美しい海の惑星だったが、海洋に生きていた知的種族が新たな繁殖地を求めて陸へと上がり、火と鉄による文明を築いて繁栄を極める。しかし限りある資源を使い果たし、生じた病によって全ては腐り果てた。病に侵されながら生き残った者も互いに争い、苦しみながら、最終的に滅びてしまった。
8番目の終焉
「争いを抑止するための力でさえ、戦場で荒れ狂っていた」
人類が統一国家「世界連合」と、それに異を唱え自由を求める「自由連盟」に分かれて戦争していた世界の記憶。
それぞれの大義を抱えた泥沼の闘争の末に「世界連合」上層部が切り札である自律兵器「ピースキーパー」を起動、しかしピースキーパーが下した判断は「人類絶滅による恒久的平和の実現」であり、戦争は人類対兵器、そして最終兵器による破滅という最悪の結末へ至った。
17番目の終焉
「悲しみや苦しみを切り捨てた世界には、生きる歓びもなかったの……」
不死を獲得した知的種族が存在する、楽園の如き世界の記憶。
かつては命を産み、育み、次世代に繋ぐことに意味を見出していたが、不死を獲得した事で種の増殖が無意味化し、宇宙普遍の真理と正義の追及の果てに「生を続けることの意味は皆無」と判断。生命を消去する機構として「ラーラー」を創造し、黄金の輝きによる、眠りにつくかの如き安らかな消滅をもたらされる事を願い、その通りになった。
余談
ウルティマ・トゥーレはラテン語で「最果ての地」を意味し、アルティマ・スーリーとも呼ばれる。
地球から65億キロ以上離れた天体で、太陽系外縁の小天体が集まる領域、「エッジワース・カイパーベルト」にある「2014 MU69」の愛称として使われていたが、現在は正式名称「アロコス(Arrokoth)」となっている。
2014年にハッブル宇宙望遠鏡により発見され、2006年に打ち上げられた無人探査機「ニュー・ホライズンズ」の延長ミッションとして目標設定。2019年1月1日に最接近し、フライバイ探査を行った。