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小惑星の編集履歴

2022-01-29 00:27:14 バージョン

小惑星

しょうわくせい

太陽系の天体のうち、惑星・準惑星より小さく、主に岩石から構成され拡散成分がないもの。

概要

太陽系惑星より小さい太陽系小天体のうち、主に岩石から構成され拡散成分がないもの。拡散成分(コマや尾など)があるものは彗星と称される。


現在見つかっている小惑星のほとんどは、火星木星の間にある小惑星帯(メインベルト)にある。メインベルトの小惑星はまんべんなく分布しているわけではなく、木星の公転に同調しており、木星軌道のラグランジュ点と言われるポイント周辺に集中している(トロヤ群)。


地球の公転に同調している地球近傍小惑星(小惑星探査機「はやぶさ」が観測したイトカワはこのうちの一つ)もある。


近年は海王星の軌道より外側にも次々と発見され、冥王星も海王星近傍の小惑星の一つと判明した(冥王星は小惑星としてはとびきり巨大なので「準惑星」とされる)。


2011年現在、軌道が確定された小惑星は約25万個。大半のものは球形を成してないが、衛星を持つものは案外ちょくちょく存在している。


初めて発見された小惑星は、準惑星扱いとなったケレスの他、パラスベスタジュノーの4つであり、四大小惑星と呼ばれる(ケレスが準惑星とされた現在、この呼称は妥当かどうか不明だが…)。この四つはオリュンポス十二神に所属する女神に由来し、主要な惑星同様に惑星記号も存在する。(モチーフはそれぞれ収穫用の鎌、アイギス、聖火、花。)


これらは1801年~1807年の間に発見され、1845年にアストラエアが発見されるまで38年のブランクがある。

ケレス、パラス、ベスタについては現在も、メインベルト天体の中でトップ3の大きさを持つが、ジュノーは11番目くらいとなっており、4番目は1849年に発見されたヒギエアとなっている。

パラス、ベスタ、ヒギエアは準惑星候補とされている。

発見当時は惑星の一種という扱いをされ、惑星記号も存在しているが、大量に次々と見つかったため、1853年頃、小惑星という新たな枠組みに分類された。



小惑星帯の起源


結論から言えば諸説あります


初期の太陽系では太陽系の全域で微惑星と呼ばれる小天体が形成され、それが衝突合体を繰り返して惑星に成長したと考えられている。メインベルトの小惑星は端的に言えば「成長が停止した微惑星」だと考えられている。


ここで、ではなぜ、ほかの領域では惑星が形成される一方で小惑星帯でだけ成長が停止したのか?という疑問が生じることになる

それは基本的には木星が原因と考えられている。


より詳しい原因を考えるためにまず、一般的に、天体衝突は天体の融合に終わるということを理解しておかねばならない。衝突により天体が一旦粉砕されても結局は破片が重力で再集合してくるからだ。天体のサイズに差があれば単純に吸収合併されてしまう。ただしそのような衝突合体が起きるためには「衝突時の相対速度が一定の閾値より小さい」という条件を満たす必要がある。高速衝突が起きた場合、飛散する破片は重力により最集合することができず、衝突は天体の破砕という結果に終わる。木星の周辺の軌道では木星からの引力により、微惑星の軌道が乱された(つまり傾斜した軌道や楕円軌道になった。これを軌道力学的高温状態という)。


ただしこの説では、木星が「ただ単に現在の軌道に存在しているだけ」では微惑星の成長を停止させるほどに小惑星帯に相当する位置にある微惑星の軌道を乱すことは難しいと考えられている。これは、太陽系形成の最初期にのみ存在した原始惑星系円盤ガスとの相互作用により、木星の軌道半径が縮小および拡大し、小惑星帯の領域にあった微惑星の軌道を強く乱したという説が唱えられている。特に木星の軌道が一度縮小した後に拡大したというモデル(グランドタック・モデル)では、地球型惑星の質量が地球と金星の2つにほとんど集中していることや小惑星帯の内側と外側で小惑星の組成が異なることも同時に説明できることから、近年有力視されている仮説である。このほかの仮説として、原始惑星系円盤ガスが散逸する過程で、木星と円盤ガスの間である種の共鳴が生じて『特定の軌道』にある微惑星の軌道を乱すという現象が生じたという説もある。この説における『特定の軌道』は円盤ガスの濃度によって変化し、その濃度は散逸の過程で連続的に変化していくため、集まったゴミが箒で順次吐き掃き散らされていくように広い軌道領域の微惑星が影響を受けたと考えられる(Sweeping resonanceモデル)


その結果、木星の内外に隣接した領域は微惑星同士が高速で衝突する領域となり、微惑星の衝突合体が進まなくなり、ついに惑星サイズにまで成長する天体が現れないまま現在に至ったのだ。現在の小惑星帯でも小惑星の軌道は軌道力学的に高温な状態にあり、小惑星同士の衝突は天体の合体よりも崩壊に結び付く。偶然の低速衝突で合体が生じることもあるが確率的には破砕の方が優勢なため、長い時間の間に多数の小天体が衝突を繰り返すうちに小惑星帯の小惑星は粉砕されて平均サイズは小さくなり続ける。現在の小惑星帯は「成長が遅い状態」ではなく、「成長よりも破壊が優勢」な状態であり、今後何十億年待っても小惑星が合体して惑星になることはないと考えられる。

実際に小惑星のサイズ分布に基づく研究からは、小惑星帯っでは太陽系が形成された46億年前から現在まで比較的少数の大きな微惑星が衝突破壊を繰り返して次第に小さな多数の小惑星に変化していったことが示唆されている。

一つの母天体が破砕されてできたと考えられる軌道や組成の似た小惑星のグループ(小惑星族)も多数発見されている。


木星の引力の影響で原始太陽系の微惑星がそのまま残ったという説が有力だが、元々フェイトンという一つの惑星だったのではないかという説もあり、他に木星に捕獲された天体など、ルーツの違う天体が混在している可能性がある。いずれにしてもメインベルトの小惑星たちは木星に随伴する天体であり、木星の重力の大きさにより、その数が他の惑星より特に多いということであろう。


なお、メインベルトの全天体を合わせた質量は2.3 ×10^21程であると見積もられており、冥王星よりも軽い。


関連タグ

太陽系 ケレス/セレス イトカワ 隕石

1994XF04


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