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タテヅノカブトの編集履歴

2022-01-29 03:42:40 バージョン

タテヅノカブト

たてづのかぶと

主に南米に分布するカブトムシのグループ。

概要

中南米に生息するカブトムシの属。その名のとおり中型〜大型の種は縦方向にピンと伸びる1本の胸角を持つ。また、体色が明るい種が多い。


ラテン語表記Golofaからゴロファ属とも呼ばれる。子供向け図鑑等では角の形状がゴルフクラブに似ていることがこの属名の由来と書かれることが多いが、本属基準種であるノコギリタテヅノカブトの現地での呼び名から取られているという説が有力であるとされる。


同種間の地域個体変異が激しいことやタイプ標本(その種の基準となる個体の標本)が世界中に散らばってしまい同定が困難な種がいること、採集に行きづらい標高の高い場所に生息する種が多いことなどにより未だに分類が定まっていない種が数多く存在する。


大半の種はヘラクレスオオカブトコーカサスオオカブトといった他のカブトムシと同じ方法で容易に飼育(ブリード)できる。

ただし前述のカブトムシと比較して性欲が強くないうえに寿命も短いため、交尾には少々コツが必要。

また、角が上方向に伸びるため、蛹化の際に角が曲がってしまいやすい。

その変わった外見や体色から一定の人気のある属であり、特にノコギリタテヅノカブトやヒシガタタテヅノカブトは人気種と言っても過言ではない。


主な種

当記事の情報は、雑誌『ビー・クワ82号(以下ビークワ)』に掲載されている2022年1月現在最新の情報に準拠するものとする。

詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。


ノコギリタテヅノカブト(G porteri)

ベネズエラに生息。本属の基準種にして最大種。

詳細は当該記事参照。


ヒシガタタテヅノカブト(G clavigera)

学名からクラビゲールタテヅノカブトとも呼ばれる。

コロンビアボリビアに生息する。

オスは名前の通り巨大な菱形の胸角を持ち前胸が若い個体だとピスタチオのような鮮やかな緑色をしているという派手な外見をしている。しかしメスは表は黒色、裏はクリーム色という地味な外見であり、そのことも相まって長らく♀は珍品とされていた。

地域変異が幅広く、エクアドル産の個体群は最大80mmと大型になるとされる。

日本で流通しているのはペルー産。かつては前述のエクアドル産も流通していたが血筋は既に絶えてしまったものと思われる。

寿命はカブトムシの中でも断トツに短く、突然ポックリと死んでしまうことも珍しくない。

『ビークワ』ではベネズエラやフレンチギアナの個体群は亜種プンクティコリス(ssp.puncticollis)に分類されている。


ピサロタテヅノカブト(G pizarro)

メキシコホンジュラス等に生息する。

先端が短い菱形をした胸角を持つ。体長は60mmに満たない程度。

名前の由来はインカ帝国を侵略した十字軍の隊長だったピサロから。

サレイ(ssp.sallei)という前胸が黒くなり、胸角が長くなる亜種が存在するが、『ビークワ』では筆者がコロナ禍の影響でタイプ標本がどちらの個体群か調査できなかったという理由から地域個体群に抑えられている。

また、外観の似たインペリアリスタテヅノカブト(G inperialis)や旧学名からキキメカタテヅノカブトとも呼ばれるトリカラータテヅノカブト(G tricolor/xiximeca)という種も存在する


エアクスタテヅノカブト(G eacus)

コロンビア〜ボリビアに生息する。

64mm程度の中型の種で、かつてはヒメノコギリタテヅノカブトと呼ばれていた。

オスの体色は艶消し状のクリーム色で胸角先端が少しだけ広がる。

この胸角先端は鋭い菱形だったり台形だったり地域変異に富んでいる。

同種間でも個体差、地域差が激しく、特にメスは全身が明るい黄土色の個体から上翅だけが黄土色で黒い個体、黒みの強い個体という風に同種の♀とは思えないほどカラーバリエーションに富んでいる。

また、小型個体はアエギオン(後述)と見分けが付きにくい。

胸角が本種より短くなり、先端が割れるビフィドゥスタテヅノカブト(G bifidusという種が存在し、「ビークワ」では他にも近い種としてファラロネンシスタテヅノカブト(G farallonensis)ブベニクタテヅノカブト(G bubeniki)の2種が載せられている。

2015年の図鑑『月刊むし・昆虫図説シリーズ6 世界のカブトムシ【上】南北アメリカ大陸編』にてこれまた本種によく似たエクアトリウスタテヅノカブト(G aequatorius)なる種も掲載されているが、『ビークワ』では記載論文に描かれた生殖器の描画以外は見つかっておらず、正体は謎とされている。

植物防疫法にてなぜか有害種判定を受けており、輸入が禁止されている。(ビフィドゥスは2021年10月現在リストインされていないため同じく輸入禁止、エクアトリウスは見た目がわからないのに輸入可能種に該当している。)

ちなみに、よくゴロファspとして流通している種はほぼ本種の密輸入個体であると思われる。(モラル的な問題や前述の分類の混乱もあるため不用意な同定は推奨できない。)


アエギオンタテヅノカブト(Golofa aegaeon)

アエゴンタテヅノカブトや学名に準拠してアエゲオンタテヅノカブトとも呼ばれる。

コロンビア〜ペルーに生息。

最大80mmに達する大型種。長い頭角と胸角を持ち体色は美しい飴色をしている。

本属ではノコギリに次いで大きくなる種で、見た目も一見似ているため時々間違えられて標本が売られていることがあるが、大きさや前脚符節の長さ、頭角突起が大きく出る点や胸角先端が台形〜菱形になる点で簡単に見分けることができる。


ガウジョンタテヅノカブト(G gaujoni)

エクアドル、ペルーに生息。

最大64mm程度の中型の種で、胸角先端は丸みを帯びた菱形になる。

体色は橙色だが地域によって異なり、赤褐色の地域個体群は亜種とされガウジョンsspとして流通している。

メスの上翅は黒褐色〜赤褐色。前胸は黒っぽい。

スパサ(後述)と似ているため混同されがちだが、平均サイズがスパサより大きいことや前足の棘が本種は少ないことで見分けがつく。


スパサタテヅノカブト(G spatha)

ペルー、ボリビアに生息。

ガウジョンに似るが最大55mm程度と小型で体色も薄い。ガウジョンよりも頭角が短い代わりに胸角が直線的に伸び、まるで覚醒した某少年漫画の主人公を想起させる異常に胸角が伸びた個体も確認されている。

メスの体色は黒褐色〜明るい橙色。ガウジョンと違い前胸まで明るい色になる個体もいる。

ちなみに某図鑑ではノコギリタテヅノカブトとして本種の画像を載せてしまっているミスがあった。


プシルスタテヅノカブト(G pusilla)

メキシコに生息。

最大32mmの小型種。頭角は細短く、胸角はコブ状。

上翅がくすんだ橙色になるタイプと全身真っ黒になる2タイプがいる。

このタイプは同所から両方が採集されているため地域変異ではなく個体差とされている。


テルサンデールタテヅノカブト(G tersander)

メキシコ〜ホンジュラスに生息。

プシルスの黒化タイプに似るが最大40mmと本種の方が大型化する。

また、光沢が強い点や本種の胸角はプシルスよりも発達せずになだらかな点でも判別できる。


クロスジタテヅノカブト(G minuta)

ミヌトゥスタテヅノカブトとも呼ばれる。

チリに生息。

こちらも30mm程度の小型の種で、オスでも角が殆ど無い(頭角が無いわけではないが極めて小さい)。

体色は茶褐色でその名の通り前胸に黒い筋が入る。


甲虫王者ムシキングシリーズでのタテヅノカブト

ノコギリタテヅノカブト

最初期から登場。詳細は当該記事参照。


ヒシガタタテヅノカブト

甲虫王者ムシキングではつよさ120のアタックタイプとして登場。

超必殺技は「カザグルマ」。新甲虫王者ムシキングではRとして登場した。


ピサロタテヅノカブト

甲虫王者ムシキングではアダー完結編から登場していたが、新甲虫王者ムシキングでは未登場に終わった。


エアクスタテヅノカブト

新甲虫王者ムシキングにて激闘1弾より新規参戦。レアリティはN、肩書きは「金毛の縦角」。必殺技はパーの「ドラゴンスロー」。


関連タグ

カブトムシ

同じ南米のカブトムシの属

ディナステス属 ゾウカブト ミツノカブト


外部リンク

https://ameblo.jp/tentoumushi26/entry-12626072263.html

http://mushi-sha.life.coocan.jp/BE-82.html

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